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からま
2019年2月7日 13:17
新社会人として華やかな年になると、気合いを入れる夏子であったが、徳島に帰って父から就職先の話を聞いて行くうちに、いつもの口癖が出始めていた。 夏子の就職先は自動車整備工場の事務職であった。しかも社長一人に従業員は社長夫人と私。話を聞くうちに、その社長が父の陶芸教室に一緒に来ていた人で、さらに言うと酒飲み友達であった。 春空の蒼くくすんで見える中津峰山を見ながら、ふたたび呟くのであった
2019年2月7日 13:04
大学三年の夏はそんなこんなで終わったしまった。後期に入って大学に行くと内定が出た友達もいてますます夏子は焦ってしまった。友達の中には親の脛をかじる気まんまんの人や、すでにフリーターを決め込んだ人までいる。そんな人達は決まって学生最後の1年半を有意義なものにしようとコンパなどお相手を探すのに夢中になっていた。 夏子はそんな友達たちを尻目に、深いため息をつくのであった。 正月帰省した時は
2019年2月5日 14:03
夏子は春が来たかと思った。 ただ、現実は世帯辛いものであった。最初の頃に社交辞令的なやり取りがあったくらいで、以降は互いが忙しくなり連絡が途絶えてしまった。 夏子は就職活動がうまくいかず、イライラしている毎日が続いていた。もうすぐ10月になろうかという9月末。いつもにも増して暑い日だった。 一本の電話の着信履歴が携帯に残っていた。ヒロアキ、ヒロくんの番号だった。でも着信は午前4時
2019年2月4日 09:55
「なっちゃん?今日帰るんなら、あと1時間くらいしかないよ。」母の声が一階から聞こえる。「わかった。もうすぐ降りるから待って。」 空港までの車は父の運転であった。母は助手席で、私は後部座席に座った。特段、話は盛り上がらなかったが、父と母の何気ない会話にほっとしていた。こういう家庭を築くにはどうすればできるだろう。お互いが気疲れしないようにするには。 阿波踊り空港に着くと、夕日が駐車場
2019年2月3日 14:21
「なっちゃん!こっち来てくれる?」「はーい!」夏子は元気よく返事をした。自動車工場整備の朝は早い。8時半から出社しているけど、親方(社長)は7時くらいから仕事を開始している。まぁ親方の実家が工場兼会社なんだけれども。東京のお嬢様大学を進学した私が、故郷の徳島の、しかも自動車整備工場に就職したのは、それはそれは非常に長い話を語らなければならない。それは私の名前にもある、ある暑いとても