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保育シリーズ|もうすぐ卒園式!子ども達からもらった、たくさんのもの。

はじめに、

子どもたちがこれから、別れや出会いの中で様々な悲しみや喜びを味わいながら、未来に向けて成長することを絶えず祈っています。

もうすぐ卒園式という時期がきました。
式というものはとりわけ大事ですが、私は個人的に卒園式は特に思い入れが深いです。

5歳児の担任をしていた卒園式の前日に子ども達と最後の卒園式の練習をしていました。
今までは集中力が途切れて、落ち着きがなくなってくる子が何人かいましたが、その日は最後の練習ということで、いつもとは顔つきが違い、練習に身が入っていたように思います。
普段は園長、主任が練習に参加していますが、少しの時間だけ私と子ども達だけになった時がありました。
これまでの保育のことで子どもたちに私の思いを伝えたくて、実際の式の内容ではありませんが、担任の言葉として話し始めました。

「ぞう組のみんな、卒園おめでとう。
先生がみんなと出会った時、ワクワクしていたことを思い出します。
あれからもう一年がたったんだね。
みんなはずいぶん成長したよね。

実は今日はみんなに謝りたいことがあるんだ。
先生はみんなをいっぱい叱っていたと思う。
ごめんね。
それは、みんなのことが嫌いだからではなく、成長してもらいたいと思っていたからなんだよ。
本当に大好きだからね。

それとたくさん褒めていたつもりだけど、もっと褒めてあげればよかったと思っている。
ごめんね。

「小学校でも先生と一緒にいたい」と言ってくれた子がいて、正直すごい嬉しかったよ。
先生も出来れば小学校もみんなと一緒にいたいよ。
みんなの成長を見届けたい。
でも出来ないことなんだよね。
みんなのことは一生忘れないよ。
絶対に覚えているからね。
みんなも先生のことを覚えてくれていたら嬉しいな。
どこかで会ったら声を掛けるね。

今までありがとう。本当にありがとう。
みんなと出会えてよかった。
心から保育園の先生になってよかったと思っているよ。
また会いにきてね。
待っているから。


話しているうちに思いが込み上げてきて、涙が止まりませんでした。
私の涙につられて、泣いている子もいました。
話し終えると数人の子が私の元に駆け寄ってきて「先生ありがとう」と言ってくれました。
感激しました。
保育士冥利につきると思いました。

しばらく余韻に浸り、卒園式の練習が再開しました。
そして園長がやってきて、私の涙ではれた目もとや子どもたちが泣いている姿を見て「どうしたの?」と不思議そうにしているのとはうらはらに、気持ちは妙にすっきりしていたことを覚えています。

子どもっていいですよね。
たくさんの気持ちや学びをもらいました。

もうすぐ卒園式ですね。
今年も子どもと親御さん、保育士で素敵な卒園式が行われることを願っています。


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