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筋力と筋肥大のトレーニングは両立できるのか?

一見同じように感じる『筋力』と『筋肥大』
このふたつ、実は似て非なるもの。結論から申し上げると『大は小を兼ねる』とは言い難く、両立できないものとして考える事が正しいと言えます。ではその理由を解説していきましょう


筋力とは何ですか?

筋力は、筋肉がどれだけ強く収縮できるかを示す指標です。筋肉が収縮することで、体は力を生み出し、物を動かすことができます。筋力は、日常生活やスポーツ、運動パフォーマンス全般に重要です。では筋力の大小は何が決めるのでしょうか?
筋力には『中枢神経』が非常に大きく関与しています。つまり脳からの信号をどれだけの量を筋肉に送れるか?その量が多ければ多いほど100%に近い力を発揮できます。

筋肥大とは何ですか?

筋肥大は、筋肉の断面積や体積が増大することを指します。これは主に、筋肉が受けた刺激によって筋繊維が増え、それによって筋肉の大きさが増す現象です。これを『筋繊維の肥大』と言いますそして筋肥大には実はもうひとつあり、『筋形質の肥大』というものが存在します。これは筋肉に栄養を送る為に存在している細胞質の事で、グリコーゲンやミオグロビン・酵素などを保存しており、これを筋形質と呼んでおり筋肥大に関与するもうひとつのポイントになります※筋形質について

筋力と筋肥大の関係

筋肥大と筋力は直接関連していますが、同じではありません。一般的に、筋肥大すると筋力も増しますが、筋力が増えると必ずしも筋肥大するわけではありません。逆も同じで、筋肥大しても筋力が増すとは限りません。ただ、一般的には筋肉の大きさが大きくなることで、それを使ってより多くの力を発揮できるようになることが基本的な話となります。
理由としては、筋力の向上は『中枢神経系の働き・筋繊維の肥大』と関与しており筋繊維の肥大が起こった場合には筋力の向上並びに筋肥大の2つの事象が起こります。しかし、『筋形質の肥大のみ起こった場合』では筋力の向上は起こらず、筋肥大のみ起こる事になります。よって筋肥大=筋力向上とはならないわけです。

筋力を向上させる方法

以下に筋力を向上させる幾つかの方法を列挙します

1. 高重量トレーニング

  • 筋力を高めるためには、高負荷のかかるトレーニングが効果的です。基本的には重い重量を使って筋肉を刺激します。

2. 適切な栄養摂取

  • タンパク質は筋肉の修復や成長に欠かせません。バランスの取れた食事で十分な栄養を摂取しましょう。

3. 十分な休息

  • 適切な休息が筋肉の成長に欠かせません。トレーニングと休息のバランスを取りましょう。

4. バラエティ豊かなトレーニング

  • 筋肉全体をバランスよく鍛えることが大切です。特定の部分だけでなく、全体的なトレーニングを心がける事で筋力に関わる『力の発揮』が向上します。

上記以外にも、筋肥大と筋力はトレーニングと生活習慣によって影響を受けます。バランスの取れた食事、適切なトレーニング、十分な休息を心がけることで、理想的な筋肉の成長と強化が期待できます。

筋肥大を促進するための方法

1. ハイボリュームのトレーニング

  • セット数やレップ数を増やすことで、トレーニングの総量を増やし筋肉により多くの刺激を与えます。多くのセットやレップを行うことで、筋肉が成長する刺激を増やすことができます。

2. プログレッシブ・オーバーロード

  • トレーニングの負荷を徐々に増やすことで、筋肥大を促進できます。重量やトレーニングの難易度を徐々に上げることで、筋肉は成長するための刺激に適応していきます。

3. 多角的なトレーニング

  • 複数のアングルや動作を使ったトレーニングが重要です。同じ筋肉を異なる角度や動きで刺激することで、全体的な筋肉の成長を促進できます。

4. 適切な栄養摂取

  • タンパク質を中心にした栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。タンパク質は筋肉の成長に必要不可欠な栄養素です。

5. 適切な休息とリカバリー

  • 十分な睡眠と休息をとることで、筋肉が成長するための環境を整えます。適切な休息が筋肉の回復と成長に欠かせません。

6. ダイバーシティなトレーニング

  • 異なる種類(多様性)のトレーニングを組み合わせることで、筋肉の多様な部分を刺激し、均等な成長を促進します。

これらの方法を組み合わせることで、筋肥大を促進しやすくなります。個々のトレーニングプランや身体への反応は個人差がありますので、自分に合った方法を見つけるためにも試行錯誤することが大切です。

どちらが痩せやすいのか?

筋力プログラムと筋肥大プログラムは、それぞれ異なる焦点を持っています。一般的には、以下のような傾向がありますが、個々の体質やプログラムの実施方法によって結果は異なります。

筋力プログラム

  • 痩せやすい傾向

    • 筋力プログラムは主に重量のトレーニングを中心に据えています。高い強度のトレーニングにより、瞬発系の筋肉が強化されることで基礎代謝が向上します。

    • 筋力トレーニングにより瞬発系の筋肉量が増えることで、安静時のエネルギー消費量が増え、脂肪を燃焼しやすい体質を作り出す助けになります。

筋肥大プログラム

  • 痩せにくい傾向

    • 筋肥大プログラムは、主に筋肥大を目指したトレーニングを行います。重量を用いながら、筋肉のサイズを増やすことを重視します。

    • 一方で、筋肥大トレーニングは一部の人にとっては体重が増加する可能性があります。これは筋肉の増加と体脂肪の増加によるもので、その分脂肪の減少が必要になるため、痩せることよりも筋肉量の増加に重点が置かれます。

痩せやすさは個人差がありますし、またどちらのプログラムを選ぶかによっても変わります。ただし、筋力プログラムは筋肥大プログラムよりも基礎代謝を上げやすい傾向があるため、全体的な脂肪燃焼に効果を発揮することが多いとされています。結果として、筋力プログラムは痩せやすいと考えられますが、個々の体質や適応によっても異なることを覚えておいてください。

以下は『筋力向上』『筋肥大』について更に深堀しています。トレーニングの基本である3原理5(6)原則は別記事にて解説予定です。そちらの方もチェックして頂けると、より効果的なトレーニングが可能となります


筋力を向上させる為に

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