読書記録(14)永井荷風『つゆのあとさき』
渋谷ユーロスペース等で映画『つゆのあとさき』が公開されると知り、映画の前にまずは原作(原案)をと思って読み始めた。残念ながら、時間のやりくりがうまくいかないうちに渋谷での上映はつい先日終了してしまったが(地方で上映開始)、小説を読むきっかけとしてはちょうどよかった。
永井荷風は谷崎潤一郎とセットで高校日本史の授業に出てきた耽美派の作家、という程度の浅い認識しか持ち合わせていなかったのだけれど、昭和初期、今から90年以上前の作品ということを感じさせない瑞々しさのある、面白い作