雑感(04)古谷徹氏と安室透(名探偵コナン)

『名探偵コナン』は子どもの頃から読み続けている。毎年の映画も観るし、少年サンデーの連載も読む。

ラブコメ要素への興味はとうの昔に失ったが、黒の組織への関心は止まない。結末が分かるまで、死んでも死にきれない。

その黒の組織にも関係している「安室透」という人気キャラクター役を務める声優・古谷徹氏が、今回の醜聞によって降板。個人的には、この手の話は原作に直接の影響が無い限りどうでもよいと思うのだが、今回は影響がゼロではない。「安室透」は古谷徹氏を前提としたキャラクターだからだ。

古谷徹氏が声優を務めた人気キャラのひとつにガンダムの「アムロ・レイ」がいて、コナンの「安室透」の「安室」はここからきている。そして「透」は、古谷氏の「徹」から。ついでに、安室透は別名であり、「降谷零」が本名。降谷=古谷=ふるや。原作者・青山剛昌氏の遊び心。

つまり、安室透というキャラクター自体が古谷徹氏と切っても切り離せない存在。名前は大きい。単にアニメ版の声優を降りたからと言って傷跡が消える問題ではない。まして、古谷氏は安室透の声を悪用していたというから、作品への冒涜といえる。プロとしての矜持の欠如。

正直あの声には思い入れがなく、安室透のイメージに合わない気すらしていたので、特に悲しいとは思わないが、彼のファンは気の毒である。相当な人気だった。

それ以上に、原作者・青山剛昌氏の心中はいかばかりか。先日のNHK「プロフェッショナル」では、ファンを第一に考える取組姿勢が印象的だった。だから今回の件は、ファンに対してというより、青山氏に対する裏切りとして許せない。

それでも、安室透の名前は作品で生き続ける。ある意味、生身の人間を傷つけるより、フィクションの世界の人物を傷つける方が罪深いと言える。

いずれにしても、他の範となるべき古希を迎えた大御所がやることではない(青山氏よりも先輩)。耄碌もはなはだしい。

そんな中、『少年サンデー』のコナン連載再開。思わせぶりなセリフが散見される。黒の組織関係で何かしら進展がありそう?


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