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読書記録

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記事一覧

読書記録(20)太宰治『斜陽』

*青空文庫へのリンク* 新潮文庫、令和4年3月20日発行、第141刷。 冒頭で描かれるお母さま…

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読書記録(19)織田作之助『夫婦善哉』

9月にシス・カンパニーの舞台『夫婦パラダイス ~街の灯はそこに~』を観に行く。これが織田作…

読書記録(18)太宰治『桜桃』

ハルキ文庫、2023年5月発行、第6刷。 『ヴィヨンの妻』 (※青空文庫へのリンク) ダメ人間…

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読書記録(17)永井荷風『腕くらべ』

岩波文庫、1987年新版第12刷(2006年発行)。 表紙に書いてあるこのあらすじは、少し違う気が…

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読書記録(16)谷崎潤一郎『春琴抄』

新潮文庫、令和6年1月25日発行、第127刷。 「被虐趣味」「喜悦」とあるが、そのようなものは…

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読書記録(15)泉鏡花『夜叉ヶ池・天守物語』

2004年に上演された舞台『夜叉ヶ池』のDVDを観るに当たって原作を確認しておこうと思い、岩波…

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読書記録(14)永井荷風『つゆのあとさき』

渋谷ユーロスペース等で映画『つゆのあとさき』が公開されると知り、映画の前にまずは原作(原案)をと思って読み始めた。残念ながら、時間のやりくりがうまくいかないうちに渋谷での上映はつい先日終了してしまったが(地方で上映開始)、小説を読むきっかけとしてはちょうどよかった。 永井荷風は谷崎潤一郎とセットで高校日本史の授業に出てきた耽美派の作家、という程度の浅い認識しか持ち合わせていなかったのだけれど、昭和初期、今から90年以上前の作品ということを感じさせない瑞々しさのある、面白い作

読書記録(13)川端康成『舞姫』

面白くて一日で読み切った。通勤電車の往復2時間、会社の昼休憩30分、カフェで30分、夜寝る前…

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読書記録(12)川端康成『眠れる美女』

電車で読んでいると、ジロジロと本を見られる視線を感じることがある。横から、前から、向かい…

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読書記録(11)川端康成『伊豆の踊子』

新潮文庫の令和4年7月1日新版(第3刷)。 巻末の解説が、三者三様、読み応えあった。竹西…

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読書記録(10)谷崎潤一郎『痴人の愛』

*このシリーズの投稿はこちら* 強烈。読んで良かった。 時代の違いを感じさせない点が素晴…

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読書記録(09)山崎豊子『花紋』

*このシリーズの投稿はこちら* 『花のれん』と併せて買った本著。非常に面白かった。 『白…

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読書記録(08)森鴎外『山椒大夫・高瀬舟』

*このシリーズの投稿はこちら* とにかく、難しかった。 表面的なストーリーだけなら分かる…

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読書記録(07)川端康成『山の音』

*このシリーズの投稿はこちら* 語弊を恐れず言うと、『渡る世間は鬼ばかり』の川端康成版。もちろん、あんなに懇切丁寧に説明はしてくれないし、「家族って大変ですね」以外に、読み取るべきテーマが沢山ありそう。 もの忘れが増えて耄碌してきた60代の「信吾」は、同居するイケメン息子の不倫や、離婚して出戻ってきたブサイク娘の処置に困る。信吾のブサイク妻も、信吾に責任を押し付けるだけで、解決に乗り出そうとしない。信吾は右顧左眄しながら行動を起こすものの、根本的な解決には至らない。 イ