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【読書録】逆ソクラテス/伊坂幸太郎著

単行本化されてすぐ購入、読破していたが、文庫本化を機に二週目。2024年2月6日読了。

あらすじ

「逆ソクラテス」「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」の5つの短編小説アンソロジー。

逆ソクラテス


”先入観”がキーワードの表題作。小学6年生の主人公:加賀の視点から、転校生の安斎、優等生の佐久間、担任・久留米先生が駄目な子供と決めつける草壁と共に、大人の先入観と戦うストーリー。タイトルは、『自分は何も知らないということを知っている』ソクラテスの言葉から由来する。

スロウではない


”いじめ”と足の速さで人の見え方が変わる等の小学生特有のヒエラルキーがテーマ。
小学5年生の”今”の主人公・司、悠太、村田花、高城かれんに起こった運動会(特にリレー)前後の出来事を、”未来”の大人になった司が当時担任だった磯憲と対話しながら回想し進んでいくストーリー。

非オプティマス


小学5年生の主人公、将太と転校生の保井福生の日常の視点から、子どもだけでなく親、先生という様々な登場人物の人間性を描く。タイトルは、福生が喩えに使うトランスフォーマーの司令官、オプティマスプライムに由来する。

アンスポーツマンライク


小学校時代のミニバス仲間、歩、駿介、匠、剛央、三津桜の話。小学6年生のミニバス最後の大会から社会人になるまでの間、時間の経過で起こる変化(変化しないものも有)とそれぞれの成長を描くと共に、ミニバス時のコーチ・磯憲も登場し昔を回想しながら、再集結の度に起こる事件を乗り越えていく。
パワハラや犯罪者の人生、犯罪者と共存する世の中、人間としての成長(判断力・決断する勇気)、病気等、現代の身の回りにある出来事を想起するテーマを含む。
タイトルは、バスケのルール「アンスポーツマンライクファウル」に由来する。ルールが物語のテーマとも紐づく。

逆ワシントン


『真面目に生きる人』に焦点を当てた作品。特別さはない登場人物(謙介、倫彦、靖と教授)と一部家族達の日常と、その中で起こる冒険の様子が描かれる。
虐待や日本教育、真面目で正直な人ほど損をする、等の社会テーマを含む。

感想


感想はまとまりきっておらず、好きな言葉を含めて追々更新したい。
非オプティマス
潤、福生、久保先生、ないと等、様々な登場人物から、人は目に見えている見た目や様子、人となりがすべてではない、と改めて感じた。親だって先生だって、人間だ。


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