見出し画像

電車が遅れて駅員を怒鳴りつける人としない人の違い

買った商品が汚れていた
出されたご飯に髪の毛が入っていた
通販の商品がなかなか届かない
電車が動かない

世の中にはさまざまなクレームがあるけれど、
クレームの背景には同じ感情がある。

それは、
「自分がないがしろにされた」
という感情だ。
言い換えれば、自分に向けられるべき敬意が表されていない、
というときにその思いは怒りに変わる。


たとえば、電車のダイヤが乱れたとき、
多くの人はその事実を受け入れ、
可能な対処をとる。
しかし、無駄なことはわかっているのに、
駅員に突っかかっていく人が一定数いる。

そのひとは、
自分がないがしろにされていることに腹を立てているのだ。
自分をもっと大事にせよ、と。
だから例えば「タクシーでお送りしますよ」とか、
「あなただけは優先して、こういう対処をしますよ」
なんていうと怒りは収まりやすい。

それは、問題が解決したからというより、
自分が大事にされた、
と感じられるからだ。

偉い人が謝罪に出てくるとか、
お詫びの品をもってきたとかいうのも同様で、
「あなたは尊重すべき人だから、
重役自ら謝罪に参りました」
という構図が好きなのだ。


ふと、こんな公式を思いついた。

出来事×思い込み=感情

なぜかというと、電車が遅れても文句を言わない人もいれば、
駅員に食って掛かる人もいるその違いを考えると、
「出来事」だけで感情が生まれるわけではないからだ。

そこに思い込みがある。
それはどんな思い込みかというと、
「自分は大切にされていない」
という思い込みだ。

だから、駅員に怒鳴る人たちを分析すると、
生い立ちやいま置かれている立場に
何かしらの共通点が見いだせるはず、
とにらんでいる。


さて、「自分は大切にされていない」という思い込みはどこからやってくるのだろうか。
それは、たいてい自分自身がそう仕向けている。
だれもあなたを狙って
欠陥商品を送り付けてるわけでもなければ、
髪の毛の入った食物を提供してるわけでもない。
あなたを狙って
商品が届くのを遅らせたり、
電車のダイヤを乱れさせてるはずもない。

そうやって起こった出来事を、
自分に対しての攻撃と思い込む自分の思考回路が
「自分の周囲は自分を尊重していない」と感じさせる張本人だ。


出来事が感情を引き起こすのではなく、
そういった出来事に紐づく思い込みが感情を引き起こしている。

そこから抜け出すには、まずは自分のそういった思考回路に気づくことから始める必要がある。
メタ認知というやつだ。

そして日々起こる感情は、自分を知る手掛かりになる。
出来事×思い込み=感情
という公式を展開すると、

思い込み=感情/出来事

となる。

感情と出来事の間にあるものを意識することで、自分を知ることが可能になるのだ。

頂いたサポートは、日本の二代目経営者のこれからの活躍を支援するために使わせていただきます。