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【新刊情報】ストロング・スタイル(1)

 さて、前回ちょい見せさせていただいた、8月10日発売(8月9日搬出)の新刊「ストロング・スタイル」ですが、各サイトで書影も登録されましたので、今回はどどんと全部公開です。

 さあ、書店で平積みしてもらえたら(もらえたら、ね)、ナウなヤングたちの視線をちゃっきり独り占めしそうな、圧倒的存在感を放つ装画・題字が、こちら!




 どどん!




 
 これは目立つ。間違いなく目立つ。

 ただし、平積みしてもらえたらの話ではあるけれども。


 売れない新人作家の単行本を平積みしてくれるような奇特な書店さんが全国にどれほどいらっしゃるかはわからないですけれども、どうにか、なんとか、「ストロング・スタイル」置いていただけないでしょうかねえ、、、。
この表紙がずらっと並んだら、壮観だと思うんですよお、、、、。

 とりあえず、新刊コーナーで凄まじい存在感を放つことだけは保証できると思います。売れるかどうかは別として(売れろ)(頼むから)。


■装画・題字は、墨絵アーティストの西元祐貴さん!

 日本を代表する墨絵、陶墨画アーティストにして、見ての通りのスーパーイケメンであります。

■当然ながら、ダメ元でオファーを出した

 原稿も仕上がって刊行時期などもほぼ決まった頃、編集さんから「装丁をどうしましょうか」という相談がありまして。

 本作はプロレスを題材にした小説なのですが、アクション主体の活劇小説というわけではありません。できたら、プロレスファンの方にも、そうでない方にも読んで欲しい。なんなら(かわいい)プ女子の方にも読んでもらえたら、作者のテンションがダダ上がりです。

 ーーでも、どういう装丁デザインにすれば手に取ってもらえるだろう。

 装丁でプロレスを前面に出したら、プロレスに興味ない人は敬遠してしまうだろうし、逆にプロレスから遠ざけてしまうと、なんの小説だかわからなくなってしまう。あちらを立てればこちらが引っ込む的なバランスをどう調整するか、編集さんも僕もかなり悩みました。

 いろいろアイデアを交換する中で、僕が「こういう画を描かれる方がいるんですけどお、、、」と提案したのが、西元さんでした。

 この小説は、書き始めはおろか、企画段階からすでに小説的メインストリーム(ミステリとか、時代物とか)を外れているわけですし、それなら細かいことを四の五の考えるより、圧倒的なパワーで押し切ってくれるようなデザインで行ったほうがよいのでは、と思ったのです。

 墨絵の力強さ。
 白と黒で描かれる装画の躍動感。
 小細工抜きのストロングスタイル。
 まさにうってつけ!



 と、思ったんです、がー。



 上にリンクを貼った公式サイトからオンラインストアに飛んでいただけるとわかるんですけど、やっぱり、西元さんの直筆画の価値ってすごい(それでも、おねだん以上だと思いますけどもね)わけです。実際、僕もテレビなんかで西元さんの龍の画とか拝見したことがありますけど、クオリティがえげつないんですよ。あれ、実物見たいなあ。

 書籍の装丁にかけられる予算というのも限界がありますし、先方は海外で個展を開かれるような方ですし、こりゃさすがに無理ですわねえ、と半笑い、みたいな状態だったのですが、とりあえず編集さんからダメ元でオファーを出していただけることになりました。


 まあ、ダメだったら、筋肉フェチのプ女子にリーチするために全面ムキムキボディの写真にしちゃおうか、とかやけくそ言ってましたけど。



 いやしかし、当たって砕けろの精神でいろいろやってみるもんですね。
 快くオファーを受けて頂き、装画どころか題字まで手掛けてくださって。
 
 ほんとに、感謝しきりです。

■拝啓、本が売れません的な時代ですが

 この業界にいると、もう耳でタコがもさもさ繁殖するほど「出版不況」という言葉を聞きますし、紙の本というのはなかなか売れない時代になって来ているということを、いやでも実感します。
 小説をよく読むという方でも、単行本を購入して読んでいる、という方はそう多くないんじゃないかなあと思います。単行本で買うメリットある? デカいし、高いし。って言う人も多いだろうなあ。

 でも、文庫本というのはある程度サイズやフォーマットが決まってしまっているので、デザインの幅は限られていたりします。反面、単行本はデザイン的自由度が文庫本よりも高い。もちろん、予算の範囲内ですけど。

 ハードカバーにするかソフトカバーにするか。
 薄い紙使うか、触り心地のいい高級紙を使うか。

 他にも、ホログラム使ったり、カバーを二重にしたりと、編集さんとデザイナーさん(時に作者も)がアイデアを振り絞って作り上げているものだったりします。

 今回、西元さんという素晴らしいアーティストが装画を手掛けてくださったことで、「小説」という元々の価値に加えて、「アート」という付加価値を与えられたんじゃないかなと思います。それで簡単に本が売れるようになるわけではもちろんありませんけど、方向性や考え方としてはひとつの道になり得るんじゃないかな。そうだといいんですけど。

 単行本はやっぱり、文庫本や電子書籍に比べてちょっとお高いですし、本棚に置くと幅も取ると思いますけど、作り手側のこだわりやデザインも楽しんでいただけるようなプラットフォームになっていけばいいなあと思っています。
 小説の単行本そのものが、一つのアート作品のように扱ってもらえる日が来るといいですね。読んで飾れるアート作品。玄関の空いたスペースにおひとついかがでしょうかね。

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 現時点では、まだ僕の手元に見本は届いていないのです。
 もうすぐ、もうすぐ。
 楽しみだなあ。 


小説家。2012年「名も無き世界のエンドロール」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。仙台出身。ちくちくと小説を書いております。■お仕事のご依頼などこちら→ loudspirits-offer@yahoo.co.jp