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引っ搔いて削って描く・・・

いつも作品をご覧頂き感謝申し上げます。
今回は教室で実際にやっている絵画技法の一つである
「スクラッチング技法」を、絵画教室の生徒さんの作品を参考に、
ご紹介いたします。

スクラッチング技法とは、
削り出す又は引っ掻いて描く事を言います。
多くの方々が、子供の頃にクレヨンなどを使って
経験している表現技法ですが
ここではアクリル絵の具を使用します。

 
全てを削り出さずに、削らない部分も、そのものの形が見えたり
立体感が表現出来たりします。
削り出す分量を考えながら制作する事が
このスクラッチング技法のねらいです。


 
準備する画材
●支持体となるキャンバスボード
●アクリル絵の具
●スクレーパーペン又はニードルが必要です。


教室で描いた、生徒さんの作品をご紹介いたします

この作品はキャンバスボードに数種の色を隙間なく並列させて塗ります。
充分に乾燥させ黒色のアクリルで画面をふさぎます。
ドライヤーで乾かしニードルで削っています。
夜空に広がる花火の鮮やかさが素敵な作品です



この作品の富士山はキャンバスボードにアクリル絵の具で
空の色・山肌の色・山裾の雲海の色をあらかじめ塗り分けています。
乾燥させた後ニードルで削り出しています。
雄大な富士の姿が浮かび上がっています


これは微生物を描いています。微生物の様子は地塗りの色を使用せず
暗緑色を一色塗り乾燥後すぐに削り出しています。顕微鏡の中の微生物を表現しました。


この人物像は明暗の分量がとても良く削り出されています。
更に地塗りの色も必要最小限使用し効果的な表現になっていると思います。
ほんの少しの色が感じられ肉体の温かみを感じさせてくれます。



 人物像ですが、このスクラッチングは他の作品とは表現の仕方が異なります。
キャンバスボードの画面全体にコバルトブルーを自地塗りし
その上にグリーン、プルシャンブル―、レッドの3色を配置しています。
画面全体を暗黒色で覆う事無くスクラッチングし作品に仕上げています。
こんな使い方も面白い効果がありますね。高校生の作品です。


注意事項として
アクリル絵の具に依るスクラッチングは、出来るだけ短い時間(1週間)位の中で仕上げる事が望ましいと思います。アクリル絵の具は時間が経過する程、硬く成り削る作業が困難になります。


はじめて知る表現技法に出会った時、一番合うモチーフは何だろう?と
まずは考える事も一つですが、まずは何を描きたいのかが大事です
描きたいものに このスクラッチング技法をどの様に取り入れるのかを
試行錯誤した時、従来ある物とは違った作品に出会ったり、
自分にしか描けない面白い効果を見つけ出せるのではないでしょうか。
沢山の技法を知る事は自分の表現の幅が広がると思います。
是非、挑戦してみて下さい。





アトリエ展のお知らせ

アトリエの生徒さん達の展覧会です。
日頃教室で描いている作品の中から展示発表いたします。
様々な技法を駆使し、自分の描きたいと思ったものを発表いたします。
今回は サムホール(22.7×15.8cm)~S20号(72.7×72.7cm)まで
70数点になります。所狭しといった感じになると思いますが、
楽しく笑顔になるような作品達が並びます。どうぞお出かけください。
※午後2時以降毎日会場にいます。

会期:2023/1/24(火)~1/29(日)10:30am~5:30pm
   (初日 1:30pm~ 最終日 4:00pmまで)
会場:元麻布ギャラリー平塚(東横イン1F)



たくさんのスキをありがとうございました。感謝申し上げます。




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よろしくお願い致します!」


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