細かな観察が行き届いた写実作品
一点一点思いを込め 時間を掛け 仕上げている
絵画教室の生徒さんの作品です。
たくさんの方々に紹介したい思いで講評し発表させて頂いています。
今後共よろしくお願い申し上げます。 絵画講師 若林 薫
自宅の庭先に生えていたコナラの木の1本が
木喰い虫に侵され
切り倒されてしまいました。
幹や枝葉は処分され切り株だけが残っています。
その切り株も日に日に朽ちて
やがて土に還るのだと思います。
この切り株の背後にもう一本幹が
描かれているのが見えます。
おそらく二本同時に芽生え共に成長し
天に向かって枝葉を伸ばし互いに
支え合って生きて来たのでしょう。
ところが或る日、片方の体の一部に病気が見つかり
切除しなければならなくなってしまったのでしょう。
そして それは生きとし生けるものの
儚さと切なさをこの切り株から感じ取らせてくれます。
ただこの失われた半身が土に還る事で
根元の草花や地中の虫達の栄養分と成り
次の命をつなぐ役目を果たす事になるのですね。
作者が描くどの作品も細かな観察が行き届いています。
今回もまた 切り株の虫喰い跡や、ひび割れた年輪、
そして、ゴツゴツした木肌の様子や
幹に巻き付く葛の根もしっかり描写し
更に 日向の乾いた土と木陰の少し湿った土の感じも
見事に描ききっていると思います。
絵画講師 若林薫 評
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波の音 大地の音 アクリル画展
会場：伊豆半島ジオパーク伊東ビジターセンター「ジオテラス伊東」にて
会期：2024年3月1日（金）～3月30日（土）
9:30～16:30（最終日は14:00まで）
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