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リアルな本屋は、街から消えない。絶対に。 

本を買うのはAmazonなのかリアル店舗なのか。どっちがよいのか。
っていうか、この状況を本界隈の方々、どう思うのか?

端的にいうとこんな感じの論議が、X(旧Twitter、Xって言いたくないね)で起きていました(解釈が若干違ってたらすみません)。

詳しくはヌマブックス内沼さんのポストを見てほしいです。

このポストでは「その本の情報を何かで知って、すでに買おうと決めていた人が買うこと」をAとしており、「その本のことを売り場で見かけて、そこで得た情報をもとに買うことを決めた人が買うこと」をBとしています。

「A」はおそらくAmazonのことを指しており(ただし書店も当てはまるけど)、「B」はおそらく書店のことを指しているのだな、と私は解釈しました。

正直なところ本に限らず、購買を取り巻く環境は、ECの台頭で世界がぐるっと変わっています。

Aは圧倒的なスピード品揃え、在庫数があり、いつでもどこでも簡単に手が入る。これができてしまうと、Aの方がメリットばかりのようにも見えます。

実際に私もAには大変にお世話になっているので、否定をすることはできません。

だからといってAの買い方が楽しいか?と問われると答えはNOなのかと思います。

そのことをこのようにポストしました。

これをつぶやいて、ハッと思い出したことがあるんです。私はBの買い方、Bの場所、つまり書店が好きなだけではなく、救いを求めていることがあったんだなということを。


その出来事である、自分のFacebookページに投稿した内容をここに転載します。

ーー

まだ実家で過ごしていた産後3週間目。疲れとストレスがピークになり、気分転換に外へと出させてもらった私が真っ先に向かったのは本屋だった。
こんな時に本屋ですかと突っ込みたくもなるのだけど、一息いれるはずの喫茶店に行って悶々とするより、本屋に行ってあれやこれやと考えを巡らせたりパトロールをして違う世界の空気を吸いたかったのだろうなと、今になって思う。

活字にあまり時間が割けない今だからこそと真っ先に手にしたのは益田ミリさんの「今日の人生」。
途中で泣いて呼ばれても、抱っこ続きでも、ちょっとづつ読めるショートタイプのマンガ。

今日開いて読んだところが私のその日の人生ともリンクすることがもしかしたらあるのかもしれない。と思いながらランダムに占い的に読むのも面白いかもしれない。

そして何より装丁と選んでいる用紙、印刷の色具合にミシマ社の気合を感じるし、見ていてこちらも気分が高まる。ちょっと値段が高めだけど、眼福料ですかね。

酒の肴のようにしばらくちびちび楽しもうと思います。

(2018年3月7日 自分のFacebook投稿より)


ーー

当時の私は産後3ヶ月。多分産後うつ気味になっていて、とにかく人と繋がりたく、赤ちゃんを取り巻く世界とは違う考え方にアクセスしたかったのだ、と今になって思うのです。

それが私にとっては喫茶店でもなく、買い物ではなく、本屋だった。

こういう時に出会った本って、確実に買うし、読むし、そして今でもしっかり覚えている。

この時の私は、多分Aをパトロールしていても全然満たされないし、多分買わない。

リアルな本屋にはこうした効能があり、救われる人がいて、買う人はいるんです。

「生き残りがかかっていて、存続するための本屋の意義とは」と考えてしまう書店界隈の方々へ。

私はABも意義があるけど、その目的が違うと思ってる。どっちもあってほしいし、どっちも無くなってほしくないんです。

だから、本屋は絶対消えません。私のような人がいるから

とお伝えしたく、ここに記します。


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