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【はがきサイズの短編】がらくたの仲間たち テーマ:MO

こんにちは!高木梢です・・・。

なぜこんなに自信がなさげかというと、今回のテーマがすごくすごくすごーく、難しかったからです!(難しいほど想像するのが楽しいのはあります笑)

MOって聞いてピンとくる方、いますか??
機械に疎い私は、フロッピーディスクすらあやふやでございます・・・。


コトバンクで見ても、さっぱりわかりませぬ。
フロッピーディスクと同じ大きさのカートリッジに入った、記録媒体・・・だそうです。

とにかく、写真などのデータを入れる媒体?っていう解釈でいいんでしょうか。

個人ブログなんかで見てみると、工場などではバックアップ用に使われていた、とかMOは専用の外付けドライブが必要で高価だった、とか容量はフロッピーディスクより上らしいけど、他の記録媒体の技術が進歩して今は廃れてしまった、とか・・・。

いろいろ調べてみましたが、理解が足りず想像で書いている部分が多いので、機械などにお詳しい方には、今から謝罪をいたしまする。

MOについては、こちらのサイトがわかりやすかったです!




  「なんだ、これ・・・。」

 綺麗島修が手にしたフロッピーディスクのようなものには、MOと書かれていた。

 ここは超難関中高一貫の進学校、綺麗島学園の物置部屋。捨てるに捨てられない書類や精密機械を放り投げて積み上げられた場所である。

 修は内気な性格から就活に挫折し、親類のコネで学校事務職員になったはいいものの、事務員として出来そうな仕事が一つもなかったためエリート職員たちは苦々しい顔をして早々に彼を見限ったのである。

 「この大部屋の片づけを頼むよ。」

 ツヤツヤの黒髪をきっちり七三に分けた上司は、眼鏡をクイッと上げた。

 「君も片付けくらいはできるだろう?がらくた同士、お似合いじゃないか。」

 そうして、修は23歳にして薄暗い物置に通い、せっせと書類などの整理をしていた。

 もう死んじゃいたいなあ、なんて思いながら。

 そんな今、修はMOの使い方をスマホで調べている。スペックは古いけどWindowsはあるし、MOを入れる外付けドライブもある。修は、初めて見るおもしろそうな道具にわくわくした。

 中身は大したものなんてないだろうけど、そうだ、子どもの頃初めてカメラやラジコンやパソコンを動かしたときも、こんな感じで楽しかったなあ。

 Windowsに外付けドライブを接続し、MOを差し込む。MOがゆっくりキュルキュルと働きはじめる。修はどきどきしながらPCの画面を見て待っていた。

 ぱっと浮かんだデータを見ると、予感的中だ。何の変哲もない、昔の生徒たちの個人情報だった。

 やっぱりね、と修はMOを取り出そうとすると、七三分けの上司がパニックになりながら駆けずり込んできた。

 「それ!それ!そこにバックアップがあったのか!いやね、昔の生徒たちの名簿と個人情報のデータを紛失してしまったのだよ!今、社内全員で探していたんだけど、ああ君がいてくれてよかった!MOなんて、今や誰も使い方を知らないんだからね!」

 修は驚きながら、感涙する上司を眺めた。

 どっちががらくたなんだか、と小さく口の中で呟いた後キーボードで辞表、とだけ打ってMOを取り出した。

 上司はその場で崩れ落ちた。

 その後の修の行方を、学内の者は誰も知らない。

 パソコンなどの精密機械専門の修理屋に勤め、腕の立つ職人になったと風のうわさがあるだけである。

Fin

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます!素敵な画像をお借りしました。

公開だけ先にしてしまい、申し訳ございませんでした。





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