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【読書】 4月に読んだ本 10冊

あっというまに桜が散って、4月が終わりました。早い!
ついこのあいだ年明けたよ……。
今年は割といいペースで本を読んでいます。

▲読書記録のインスタやってます。

というわけで4月に読んだ本です。


彼女が最後に見たものは / まさきとしか

三ツ谷&田所シリーズ第2弾。
ある殺人事件の被害者の指紋が、別の殺人現場で発見される。一見なんの接点もなさそうな二つの事件が実は細い糸で繋がっている…という流れは第一弾と同じ。登場人物が多くて視点もコロコロ変わるし、過去と現在が行ったり来たりするにもかかわらず、こんがらがることなく読み切ることができた。それは圧倒的な筆力ってことよ。
現実の厳しさに胸が詰まるシーンも多いし、腹が立つこともたくさん出てくる。最後の最後、結末の数ページが切なくてたまらなかった。


成瀬は天下を取りにいく / 宮島未奈

成瀬の芯のある無敵感や、周りに左右されないところに惚れた人も多いと思うけれど、わたしは島崎のことでグラグラ揺れて勉強が手につかなくなってしまった成瀬にグッときて、そこで一気に大好きになった。
自分を好きになった男の子にちゃんと感謝できるような客観性を持つ一面もいい。愛情もあって、自分の生き方を大切にしていて、他人の意見もちゃんと聞ける…いや、無敵やんか、成瀬。
本屋大賞おめでとうございます!


成瀬は信じた道をいく / 宮島未奈

成瀬の自宅の電話番号の覚え方「コンビーフはうまい」の語呂合わせの謎が解けぬまま、2作目が終わってしまった!「コ」と「い」以外数字読みできる文字がひとつもない。宮島未奈さんのこのセンス、好き!
成瀬の弟子となった成瀬ガチ勢の小学生みらいちゃんや、成瀬の新しい相方の篠原さんよりも、成瀬にとってやっぱり島崎が特別なんだとわかったとき、はからずもジーンときてしまう。ゼゼカラよ永遠に!

▲今日の注目記事に選んでいただきました!ありがとうございます!


コレクターズ・ハイ / 村雲菜月

一方的な愛で満足してたはずなのに、気づいたら愛が歪んでどっかいっちゃってる話。なにゅなにゅ(ゆるかわキャラクター)オタク、髪オタク、クレーンゲームオタクが、自分以外の気持ちは無視して推し活に邁進する。唯一まともかと思われた人も何やら危なっかしい。
登場人物たちまでも狂気的でなくとも、世の中誰もが何かに執着して生きてるんだよなと思う。
わたしも若い頃、何かにハマるとすぐ集めたくなってたなあ。今はもう「それどこ置く?」「どうすんの?」とすぐ自問し、その手のものは何も買わなくなった。しかし家は片付かない。どうして?


それでも旅に出るカフェ / 近藤史恵

1作目の雰囲気が好きだったので期待して手に取ったけど、コロナに過敏になっている主人公から見たコロナの描写が全話に必ず入っていて、ちょっとぐったりした。(物語はコロナ禍真っ只中)加えてフェミ寄りの見解や、ウクライナのことなど、近藤さんのエッセイを読んでいるのかと錯覚しそうに。それが悪いこととは言わないけれど、1作目のような円の推理が冴えてる日常の謎のお話が読みたかった分、正直がっかりしてしまった。ただ出てくる料理はとても美味しそう!いろいろ食べてみたくなった。


六人の嘘つきな大学生 / 浅倉秋成

単行本を積んでるあいだに映画化が決まって文庫化もされていたこちら。
ちょこちょこ出てくる細かな違和感が後半になって一気に回収されるのは確かに気持ちがいい。事前情報として伏線小説だと分かっていたからか、結構その違和感に気づいちゃったので、付箋貼りながら読むと答え合わせができてよかったかも。
就活に対する考え方は一言一句同意。あんなことに大学時代の貴重な時間を使って、精神すり減らして挑む必要がほんとにあるんだろうか?って就活関係ない今も思ってる。就活くらい「化かし合い」なことってほかにある?


爆弾 / 呉勝浩

スズキタゴサクに翻弄されながらの400ページ超。なかなか疲れた〜!
取り調べ担当刑事の清宮のパートはちょっとだるいかな〜と思っていたけど類家からはギアが入った感じでよかった。テーマとしては「命の重さ」なのかな。自分の知らない誰かの命がなくなろうと、自分に関係があるか?身近な人とそうじゃない人とのあいだでも本当に平等なのか?取調室の中の不気味なやりとりを、映像化するなら誰が演じるのかな?と想像しながら読んだ。


わたしたちに翼はいらない / 寺地はるな

何気ない言葉が呪いのように人を支配することがある。
いじめられていた少女がかけられた「犀の角のようにただ独り歩め」という仏陀のことばは、めぐりめぐって朱音の生き方に大きな影響を与え続けた。
同様に物語の中で、いじめられた子が誰よりも幸せになって見返すという図式が加害者や傍観者を守るものだとあるが、目から鱗と同時にとても腑に落ちた。自力で幸せになってくれたら、やった方は反省することもなくただ忘れるだけでいいんだもの。そうやって誰かを励ますのって、めちゃくちゃ上から目線のことだったんだなと気づかせてくれた本だった。


もっと悪い妻 / 桐野夏生

悪い妻に戦々恐々と言うより、不完全な人間の妄想と現実の乖離が、シニカルで笑える印象だった。世にも奇妙な物語に出てきそうな。
「オールド・ボーイズ」なんてどうやって着地するの?と思ってたら最後で笑っちゃった。
西加奈子さんの推薦文がなるほど!と思ったのでここに置いておく。

不幸な「悪い妻」は許されるが、
満たされた「もっと悪い妻」は断罪される。

西加奈子推薦文より


うらはぐさ風土記 / 中島京子

東京郊外、うらはぐさと呼ばれる架空の町での群像劇。
ささやかな日常が愛おしくなる本でとても好み!とはいえ土地の話なので過去を振り返ると戦争になったり、未来を見据えると空き家問題や町の存続など重い話になったりするけど、親しみやすい登場人物に語らせているからか、はたまた軽妙な文体のおかげか、重くなりすぎずにすっと受け入れられる。
町の様子もとっても具体的で何度もそこにあるのかと何度も錯覚した。コロナ禍の話だけれど、読んでいて苦しくならない程度の描写具合がちょうど良い。小林聡美さん主演でドラマ化してくれないかな〜!


5月に続く。

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