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こどもとうみ「子どもはその環境で育つ」

 「環境を用意することだけが、大人が子どもにしてあげられること」

 これは私の海の師匠からいつも話してもらう言葉。

 「環境」とは広辞苑によると①めぐり囲む区域。 ②四囲の外界。 周囲の事物。 特に、人 間または生物をとりまき、それと相互作用を及ぼし合うものとして見た外界。

 
「環境」と聞くと皆さんはどんなことをまず思い浮かべますか?

 私自身は「自然環境」という言葉をすぐに思い浮かべるが、それはきっと「自然」に近い環境で育ったからでもあるし、今も私がその「自然」に囲まれて生活をし、今もなお「自然」から今も学ばせてもらっているから。

 そんな私が考える「住環境の良いところとは?」というと真っ先に「周囲にありのままの自然が残っているところ」を思い浮かべる。先のブログでも述べた通り、子どもは持てなかったが、子どもを育てるなら絶対に自然環境の良いところは外せない。特に海!!!海のないところでは私は暮らせない。
 私をそう思う人に育ててくれたのは、私の両親がこのような海辺の町で私を育ててくれたからである。その育った「環境」が私を今のように育ててくれた。親は1時間以上かけての通勤で大変だったと思う。昔の満員電車はニュースで見たことがあるように、ホームの駅員さんがお客さんを電車の中にぎゅうぎゅうと押し込んでいるような状況である。それでも、我が子への環境を考えて家を購入して、終の住処と選んでくれた。両親の両親たちとは縁もゆかりもない場所である。
 私の両親が選んでくれたこの場所は、両親が思った以上に私にとって合っていて、とてもありがたい環境だった訳である。というか、この環境で育ったから、私がこうなっていったのだという方が正しいのかも知れない。

 とは言え、私の母は雑誌に例えると「婦人画報」のような人だった。私の学校の参観日に着物を着てきちゃうような。。。。なので、海に近い暮らしは母自身も憧れで、私にも良いと思ったものの、毎日のように家の床が砂でジャリジャリすることは想定外だったに違いない。さらに、高校生からウィンドサーフィンにハマり、台風が来ると海に行ってしまう我が娘も想定外だった。ハッキリと「危ないからやめなさい!」という人だった。父は「行くならとにかく気をつけなさいよ!」と止めない。そんな父に「止めてくれないの?」という疑問を投げていた。海の近くに住まなければこうはならなかったかも知れない夫婦関係。笑

 こうした環境の与える子どもへの、育ちへの影響を世の中のみんなはどう考えているのか?

 「住環境」「子ども」で検索してみると「子ども部屋の広さ」「部屋の明るさ」などが出て来る。

 さらに国土交通省の調査結果にはこのようなものがあった。

 『住宅・住環境の中で最も重要と思うもの』というグラフを見ると、自然のことは入っていない。どちらかというと安全を考えた時に、遠ざかる事案かもしれない。「安全」「利便」という言葉が多いところから見ても、自然とは真逆の選択になるだろう。

 でも、大枚叩いて購入する家に「安全」を求めるのは至極当然のことである。

 次は『子育てにおいて住宅・住環境で重視する要素』これならどうだ!少しは自然環境を考えている項目もあるのでは?と見てみたが、、、、「防犯」「安全」「利便」が多い。唯一真ん中あたりにある「子どもの遊び場・公園など」が自然に興味を持ってくれる要素となるのか?という感じである。
 あ、自然に興味を持って欲しい私が、まだ私の魅力に気づいていない人に気づいて欲しくて片想いしているみたいな書き方になってしまった。。。笑

 子どもたちにとって自然から大切なことが学べるとしても、何も住まいを自然の中にしなくても、週末ごとに自然の中に行っていれば良い!と思う人もいるだろう。それもそう。年に1回でもいいという人もいるだろう。人生において自然との関わりがそれほど大切に思わないという人もいるだろう。

 あなたは子育ての中で、何を大切にした環境を子どものために用意する?

 私の海の師匠が何度も言うのは、「環境を用意することだけが大人が子どもにやってあげられることだから」である。その環境さえ用意すれば、それ以上に何かを教え込んだりすることはほとんど必要ない。なぜならば、子どもたちはその環境の中で、ある意味勝手に学んで、勝手に育って、勝手に好きな部分を吸収して育っていくから。危険も安全も知識もその環境の中で吸収する。

 貧困の国で育った子どもたちにも、その環境だったからこその苦しいながらの学びもある。でも、そこから抜け出すことは難しい。そうでない国の人よりも努力が必要だったり、努力が実らないことさえある。

 私はそこで「海」を外せない。「海」から学ぶことが私の人生においてたくさんあったから。そこで学んだことで今の私が出来ていると自分で思うから。

 自分の育った環境。
 子どもに残したい環境。
 子どもに用意したい環境。

 どれも正解や不正解ではない。

 子どもたちの中に何を残せるか。それを決めるのが子どもを取り巻く「環境」であることは間違いない。

The only thing adults can prepare is the environment

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