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長男と次男 24

一緒に歩く

新学年の始業式。
次男は学校には行けなかった。

4月に入ってすぐ、
昨年度の担任の先生がお電話をくださった。
「担任はどうなるかわからないけど、
中学には来年もいるから~」と。
それだけで次男はホッとしていた。

さらに前週金曜日にもお電話いただいた。
「来週月曜は始業式だよ。調子はどう?」

恐らくこの時点で、
担任の先生の続投は決まっていたのだと思うが
そりゃフライングでは言えないだろう。
でも気に掛けてお電話くださったのだ。

子供自身や親の状態によっては、
もしかしたらこの行為は
逆効果になることもあるかもしれない。
しかし現時点の我が家の次男にとっては、
嬉しい出来事だったようだ。
私も素直に感謝した。

始業式の数日前から
次男はずっとソワソワしていた。
新学年、新学期、いよいよ中3。
いろんな気持ちが交錯しているのが
手に取るようにわかる。

次男はただでさえ緊張し過ぎるタイプ。
日に日に焦っていく次男に、私は
「当日の朝の気持ちでいいんじゃない?」
と話した。
「どういう気持ちになっているか
その時じゃないとわからないことを
今から悩んでいるのはもったいないよ?
出たとこ勝負でいいんじゃない?」

始業式当日の朝。
次男が私にくっついてきて
「ごめん、無理っぽい・・・」

今さら驚きはしないし、
まず母に謝る必要なんてないのだ。
学校に行けなかったという事実として
そのまんま受け止める。

素直に伝えてくれて良かったと
心から思う。

 そんな次男に断られるかなーと思いつつも
「夕方お散歩にでも行く?」
と声を掛けてみた。
「行こう行こう!」とノリノリの次男。
私の方が驚いた(笑)

自宅から歩いて2~3分のところに
大きな公園があり、
季節ごとに美しい花が咲く。
春は私も大好きなネモフィラ。
水仙もちらほら。

この週末にはイベントがあるようで、
刈り取られてしまうらしい。
それを次男も知っていたらしく
花の写真を撮りに行くことになった。

ネモフィラと水仙

短い時間だったが、
久々にのんびりふたりで歩く。
中3男子が母と一緒に散歩に行って、
花を愛で、写真を撮る。
世間一般から見ると、
ラッキーな母かもしれない。

次男は、私から見てもピュア過ぎて、
成長の早い周囲の同級生には
追いつかないところもあるし、
向けられた言葉で傷ついたこともある。

でもそのピュアさが、
きっと今の彼の心優しい仲間を呼び、
輪と和を作ってくれているのだと思う。

そして他でもない私が、
一番癒されている。
改めてそう感じた。

5月が待ち遠しい 

今、長男は長男で、
自己肯定感の低さと戦いながらも
新しい生活に挑戦している。

「一人でも過ごせなくはないけど
やっぱり友達欲しいよな・・・」
ぼそっと呟く長男のそれは
偽りのない気持ちだった。

ある日、帰宅した長男が
「5月が待ち遠しい!」と言う。
先の日を心待ちにするなんて言う発言、
もう10年ほど聞いてなかった・・・

5月には新入生がクラブへ入部できる。
入学式の後の校内ライブを見て
心を撃ち抜かれた彼は、
どうも軽音楽部の先輩に
積極的に話しに行っているようだ。

「自分、友達欲しいっす!」
「早く入部したいっす!」
思いの丈を先輩に伝えたらしい(笑)

先輩は
「わかった!5月までなんとか耐えてくれ!」
と言ってくれたそうだ😊

きっと、大丈夫。
またどうにもしんどくなったら、
爆発する前にひと休みすればいいし、
足踏みしてもいい。

できるだけ楽しみたい!と思う
前向きな気持ちがあれば
きっと長男は進んで行ける。
少し距離を取りながら、見守ろう。

これまでどうしても長男に対し、
時間と心を砕いた時期が長かった。
ここからは次男に対して
よりぶ厚めに寄り添おうと思う。

次男の人生相談も買って出てくれる
家庭内家庭教師(長男)もいることだ。

私も、もうひとりじゃない。
心強い・・・✨

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