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長男と次男 20

自分の特性を掴む

高校卒業式を無事終えた長男。
翌日も「なんかめっちゃ寂しいなぁ・・・」と
ほんの1年半前の自分では
予想していなかったであろう気持ちを噛みしめていた。

この日長男は、
高校生活の後半、本当にお世話になり
自分の不登校傾向の話や進路の悩みを
聞いていただいた個別指導塾に、
合格と卒業の挨拶に出掛けた。

今思えば、
長男がこの個別指導塾に出会えたのも
彼の自信に繋がった。
自分のことを理解しようとしてくれる、
寄り添おうとしてくれる人がいる。
それが人を強くするのだ。

塾の先生方へのご挨拶が終わり
清々しい表情の長男。
「数学だけでも長期休暇だけでもいいから
講師のことも考えといてって言われた」と。
本当にありがたいお言葉・・・

長男が通っていた塾だけでないと思うが
個別指導やオンラインの塾には
学校に行くのが難しい生徒たちも
長男だけでなく多く在籍している。
そういう子達にとって、長男はもしかしたら
よき相談相手になれるかもしれない。
長男自身もそれをちゃんと理解していた。

「ありがたいお話やから、連絡してみたら?」
と私は言ったが、長男は「それはまだ」と言う。
大学生生活がどんなものかわからない。
不器用な自分は、一度にいろんなことを
新しく始めるなんて不可能だから、
それが見えてから行動する、と決めていた。

長男は自分の特性をうまく捉え始めていた。
「初めて」向き合う出来事には
非常に怖がり、慎重になってしまう。
でも2回目からは自分でできる。
自分の不器用さをしっかり理解したことで
自身の行動の成功パターンを
イメージしやすくなった
ようだ。
成長したなぁ・・・と感じた。


自分で作る【できた】

次男の適応教室では、3月上旬に卒業する中3との
お別れ郊外学習が予定されていた。
長男ともご縁があったY先生から
久しぶりにお電話があり、
次男のメンタルが下降気味であることをお伝えした。
Y先生もある意味手慣れたもので
「何かきっかけになるならいいなと思いまして。
無理はしなくていいので、もしよければと
次男くんにお伝えくださいね」
と言ってくださった。

翌週、次男は自ら適応教室に電話をしていた。
次男は最近、別室や適応教室、クラブなど
「行こうと思っているけど行けない」
場合、自ら電話を掛けることが多い。

これは、実は勇気ある行動だと私は思っている。
私なら・・・ひっそり目立たないようにして
接触することを避けるだろう。
でも、彼なりの仁義とでも言おうか、
自分の言葉で先生にお伝えすることで
心を落ち着かせているのかもしれない。
学校に行けないことに負い目を感じているのは
次男を見ているとひしひしと伝わる。
でも電話することで、少しでも【できた】を
自分なりに増やしている
のはないだろうか。

ところが、結局このお別れ校外学習、
次男も参加することができた。
前日に自分で適応教室に電話を掛けて
必要なものや集合時間を確認、
私に「お弁当作ってね」と依頼してきた。
行けないものだとばかり思っていたが
彼は【行く】を選択した。

これは「あるある」だと思うが、
やっぱりどうにもしんどいのは最初の一歩なのだ。
寝た状態から起き上がる、
椅子から立ち上がって踏み出すなど
最初の一歩に使うエネルギーは大きい。
そこの壁が想像よりもはるかに高いのだ。

昨年末から学校関係に出向けていなかった次男は
この適応教室の後、クラブにも一度顔を出せた。
しかし、担任の先生が連絡してくださった登校日は
結局行けなかったが、学校に自分で電話をし
ちゃんとお話ししたらしい。

自分の判断で行動できるようになっている。
それだけで、この1年の大きな成長だと
私は思っている。


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