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長男と次男 32 《不登校実録》

しんどいのではない


次男と、通信制高校の個別相談会へ出向く。
今の通信制高校は昔のそれとはまったく違う。
少なくとも昭和生まれの私からすると
全然イメージが違っている。

完全に自宅で受けられる場合もあるが
週1日登校など日数を選べるもの、
午前か午後を選べるものなど、多岐に渡る。

私自身もあまり知識がなく
HP等で少しずつ情報を集めてはいたが
学校ごとの説明会にはやはり参加しておきたい。

とはいえ、次男は大人数が集まる説明会には
なかなか足が向かないため
まずは何校かオンライン説明会に参加した。

少しイメージがついてきたであろう先日、
近隣かつ個別ということで
やっと実際の校舎に1校出向くことができた。

説明をしてくださる先生の質問に
次男はこれまでの印象とはまるで違う
蚊の鳴くような小声で返答。

親の私から見ても非常に礼儀正しい次男だが
相当な緊張状態なのがよくわかる。

しかし、先生の説明を聞いているうちに
徐々に安心感が増してきた様子で
いつもの次男が戻ってきた。

少し校舎も案内していただく。
そんなに大きな学校ではないが
中学校のフリースクールも併設しており
たくさんの生徒さんがいた。

一瞬緊張が走る次男。
でもフリスクにいた彼らの方から
ペコっと会釈してくれた。
次男もホッとしたように会釈を返していた。

フリスクにいる彼らもきっと
次男と同じような状態。
それは次男もわかっていたので
軽くでもやりとりできたことは大きかった。

****************


説明会が終わり、私は次男に聞いた。
「しんどい気持ち、ちょっと楽になった?」

すると次男は言った。
「うーん、しんどい気持ちが治ったというか
元々しんどいというのではないからさ」

…ああ、そうか。
次男にこの質問は、私が間違っていた。

だって次男は学校が辛くてしんどいから
行かないことを選んでいる
のだった。
今は学校の苦しさから離れられているのだ。
だから登校していた時より今はしんどくないのだ。

しんどいのが治ったかと聞くのは、
明らかに私の間違い。
今さら次男に教えてもらった。

質問をし直した。
「ここなら楽しいことに出会えそうな感じ?」と。

「うん。不安がなくなったわけではないけど
行きたいなぁとは思えたよ」

****************


しんどいことから逃げているだけだと
言う人もいるだろう。
昔の私もきっとそう思っていた。

でも実は背景、経緯、子の性格など
多角的に見てみないと真相などわからない。

少なくとも次男は年長の頃から
荒れていた我が家で唯一明るく元気に振舞い
傷や辛さを自分の心に押し隠して
辛い日々を笑顔で過ごしてくれていた。

その結果、心がボロボロになり爆発した。

今彼がしんどいことから逃げられるなら
私は体を張ってでも逃がしてやろうと思う。
次男は十分耐えたから。
十分傷ついたから。

今度は彼が癒される番だ。

8月もそろそろ後半。
次男の友人達も受験に向かって動き出す。
いよいよ高校が見えてきて
次男はまた恐怖と緊張が増しているようだ。

どうか次男にとって
安心して学べる場が見つかりますように…


勇気と時間が必要なんだ


先輩や友人との関係の広げ方に悩んでいた長男。
それなりに前に進みだしたようだ。
同じ学部やクラブに少しずつ友人ができてきた。

長男も傷ついた心を守るため
周囲に対して心を閉ざした期間が長い。
扉を開けるには相当の勇気が必要だった。

しかし、自ら開き始めた。
(私に八つ当たりしながらも(笑))

新しい知り合いや友達のことを
ポツポツと報告するように話してくれる長男は
私を安心させたいと思っているのかもしれない。

****************


彼の所属する軽音楽部は定期的にライブをする。
初めて本当のライブハウスに立った(座った?)長男。

自分の出演時間は緊張したようだが
以前より周りが見えたし、
自分の進化を感じられる演奏ができたらしい。

ライブ終わりに参加者全員で集まって
「お疲れ様でした!!」
と言った時が一番幸せだったそう。

先輩の演奏も素晴らしく
「先頭でずっとノッてた!最高!!」
と興奮冷めやらぬ状態で帰宅した。

先輩にも「自分どうでした?」と聞けたらしいし
先輩の演奏も「カッコ良かったです!」と
伝えることができた。

ほらね、やっぱりできるんじゃん
これからも人間関係で悩むこともあるだろう。
でもきっと君なら大丈夫。

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