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【創作小説】まわれ!今川やきくん!日本の巻⑷



バチャバチャバチャ!!

「うりゃっ!獲ったどぉぉぉーーーーっ!!」




え?え?
誰が…?何を…?



「あああっ!!ししし!しまったぜぇーーーーっ!」

「ぺぺぺ!ペーーーーっちゃん!」


空から川を見下ろす今川焼き一行。



「あの恋の野郎!!オレの鯉を奪う気かぁーーーー!!」

「ぺ?」


オイ!そこの!逆だよ!
恋と鯉が ! 逆!!逆!!
…んーー。…まぁ、よい。



「オレの大切な初恋の女の子ヒナちゃんへのお土産! オレの大事な青いリボンなんだ!! 獲られてたまるかっ!! 」

「ぺーーーーっ!!」

「よし!ちょうどいい。勝負してやるぜーーっ! !川まで下りて 取り返してやる!」



パタパタ。パタパタ。


「オイ!そこの鯉!!!」

「な、何だ?」

「こんにちは」
「ぺー」

「え?あ、ああ…。こんにちは」


まずは とにかく ご挨拶…の今川焼き。



「今さっき、その青いリボンを『獲ったどぉー!』って したよな?」

「あ?ああ…これか?」

「ああ。そうだ。ふっ…ふーむ。何だな?キミは…鯉だろう? 鯉は…魚なんじゃないのか?」

「魚だが…。な、何を言いだす?」

「本来なら、魚のキミが『獲ったどぉーっ!』って!獲られる方だろう?」

「ああ?」

「魚なら魚らしく振舞いたまえ。その方が身の為だ。ガハハ!」

「ぺ!」



え?そこ?そこから勝負に入るのか?
今川焼き…。
威嚇してるつもりだろうが
おまいの身も 自らが 危ないな…。



「おい、円い太鼓!さっきから 何をごちゃごちゃ言ってるんだ? 魚だって 獲物を見つけたら獲るだろ?」

「おっ?そ、そうか…。そう来たか! ま!ま…そりゃーあ!そぉーだぜぇーーーーっ!」

「ぺーーーーっ!」


円い太鼓。即、撃沈…。



「そしてな…円い太鼓。もう一つ言っておく…。オレは シャケ(鮭)だ」


「シャケ……」





続く

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