【試し読み】江戸落語と上方落語の二大潮流「落語」、をチャートで解説！

2022年12月26日 16:06

企業、組織・団体をはじめ、エンタメ、芸事、スポーツ、歴史、宗教、学術などなど。ありとあらゆるジャンルの「合併・分離」がこの一冊に収録、チャート図で分かりやすく解説された、新刊書籍『合併・分離事典オールジャンルの趨勢がチャートでわかる』が12月16日に発売されました。

今回は本書のPart.1より「落語」のチャート図と本文を一部紹介します。

■part.1　文化・娯楽　より

江戸落語と上方落語の二大潮流
落語／合併・分離パターン

　江戸時代に成立した一人話芸である落語は、大きく分けると江戸（東京）を中心に発展した「江戸落語」と、大坂（大阪）を中心に発展した「上方（かみがた）落語」の二つの流れがある。明治時代ぐらいまでは、江戸落語と上方落語は別々に活動していたが、大正時代に入ると交流が盛んになり、たがいに影響を与えあった。
　ただ、上方落語はその大正時代、関西の大手芸能事務所である吉本興業が漫才に力を入れたことで、一度衰退してしまう。復興を遂げたのは戦後のことだ。1957年に関西の落語家たちが団結して「上方落語協会」を結成。これがきっかけとなり、上方落語は再び盛り上がるようになった。
　一方、戦前の江戸落語は多くの会派が乱立する状態にあったが、戦後は「落語協会」と「落語芸術協会」の２団体に集約されていった。この２団体状態が長らく続いたが、1978年に落語協会で分裂騒動が起こる。真打（しんうち）への昇進のあり方に不満を抱いた６代目・三遊亭圓生（さんゆうていえんしょう）が脱退し、「落語三遊協会」を立ち上げたのだ。だが、翌年に圓生が急死すると、門弟の多くは落語協会へと復帰した。
　そんななか、圓生の弟子であった５代目・三遊亭円楽（えんらく）と、その一門だけは落語協会にもどらず独立。「圓（円）楽一門会」を立ち上げた。さらに、円楽と同世代の落語家である７代目（５代目）・立川談志（たてかわだんし）も、真打への昇進基準に異議を唱え、門弟とともに落語協会を1983年に離脱。「落語立川流」を興した。
　以後、江戸落語は落語協会、落語芸術協会、圓楽一門会、落語立川流が並立する状態が続いたが、2009年に５代目・円楽が、11年に７代目（５代目）・談志が相次いで死去すると、両会派ともトップのカリスマ性に頼っていた部分が大きかったため、会派としての独立性は弱まった。現在はどちらも、落語芸術協会との関係が深まっている

【目次】

はじめに

■part.1　文化・娯楽
プロ野球チーム／Jリーグ／フットボール／日本プロバスケットボールリーグ／男子プロレス団体／ボクシング団体／拳法／空手／柔道・柔術／陰流(剣術流派)／茶道／華道／日本舞踊／歌舞伎／能／狂言／落語／源氏物語／忠臣蔵／短歌・俳句／小説・文芸誌／近代文学／ライトノベルのジャンル／トキワ荘／西洋絵画／ロックン・ロール／映画ジャンル／米(食用)／麺類／ラーメン／お好み焼き／和牛／コーヒー／犬／猫／金魚／鯉(観賞用)／サラブレッド／サンデーサイレンス系／バラ／『スターウォーズ』シリーズ／アベンジャーズ／スーパーマリオシリーズ／『キン肉マン』の超人属性／北斗神拳の系譜／ガンダムの勢力（宇宙世紀）

■part.2　制度・組織
廃藩置県／平成の大合併／東京都の区／中央官庁／国鉄の民営分割／郵政事業の再編／政党／自民党の派閥／三大財閥／四大銀行／自動車メーカー／オートバイメーカー／鉄道路線(私鉄)／航空会社／海運会社／電力会社／石油会社／鉄鋼メーカー／食品メーカー（パン、麺類、菓子、乳製品）／食品メーカー（調味料、肉・水産加工品）／飲料メーカー／パソコンメーカー／コンテンツ産業／ゲーム会社／映画会社／全国紙(日刊)／デパート(百貨店)／名門大学／神社／労働組合／政治団体(左翼)／政治団体(右翼)／指定暴力団／イスラーム武装勢力／アメリカの軍隊／自衛隊

■part.3　教養・雑学
戦国七雄／三国時代／モンゴル帝国／イギリス／アメリカ合衆国／インド／ソビエト連邦／ＵＡＥ(アラブ首長国連邦)／ユーゴスラビア連邦／ＥＵ(欧州連合)／ＮＡＴＯ(北大西洋条約機構)／藤原四家／源氏／平氏／南北朝／鎌倉公方／江戸幕府の将軍／ユダヤ教／世界の仏教／日本の仏教／キリスト教／イスラーム教／日本の新宗教／生物の分類階級／超大陸パンゲア／生物の進化(ドメイン編)／生物の進化(脊椎動物編)／人類の進化／日本人／ゲルマン人／インド・ヨーロッパ言語(東方)／インド・ヨーロッパ言語(西方)／利根川水系／淀川水系

【編著プロフィール】

造事務所（ぞうじむしょ）
1985年設立の書籍の編集・制作会社。雑学をはじめ、生活実用まで幅広いジャンルの単行本の編集などを行う。編著となる単行本等は年間30冊にのぼる。おもな制作物に『絶滅事典20世紀末モノ＆コトカタログ』（小社）、
『競馬あるある』（同）、『復活事典21世紀「再ブレイク」モノ＆コトカタログ』（同）など。