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【新刊】未来ではない未来技術のお話【死の克服】


新刊発売に寄せて

本日、kindle本にて、「AIレジスタンス4 :死に抗えるなら、私は戦う: VRの世界で出会った真実」を発売しました。

3巻までの話は一応、完結しています。前回まではAI兵器や悪政との闘いがメインでした。

あらすじ

中村美咲は、亡き母の遺志を継いで、新たな挑戦に立ち向かっていた。かつて共に戦った仲間たち、そして愛する人々との思い出に触れながら、彼女は戦争のトラウマと向き合い、新しい職場で友情を築き、葛藤を乗り越えながら生き抜こうと決意していた。

母の研究を引き継ぎ、美咲はVR仮想世界への意識転送実験を成功させるために奮闘する。その先に待ち受けていたのは、かつて愛した拓也との再会。彼は本当に生きているのか、それとも……?

死に抗えるなら、私は戦う。」VR世界と現実世界が交錯する中で、美咲が見つける新たな希望とは――。感動的な成長と決意の物語、そして美咲が最後に下す決断。技術の進歩と人間の感情が織りなすSF物語。

死に抗うとは?

「人は死ぬもの」です。しかし、本書では「死の克服」がテーマの一つとなっています。もし愛する人が亡くなったとして、それがどのような形であったとしても、その人と会える可能性があるとした場合、人はどう行動するのか?というテーマが一つ込められています。

私たちは技術的に死を克服できるのか

生物学的に人は死ぬものです。確かに医療の進歩により人の寿命は延びると言われています。人生100年時代という言葉もありましたよね。しかし仮に寿命が延びたとしても、死というものから人が逃れることはできない、死は必然である、とされてきました。この絶対的とも言える真理に対して抗うことができるのか、できないのか。もう少し最新科学の可能性を追っています。

最新の全能エミュレーション技術

現時点で、人の意識をデジタル空間に完全にアップロードす
る技術は存在していませんが、その可能性に向けた研究や概念的な検討は行われています。この分野は「マインドアップロード」や「全脳エミュレーション(Whole Brain Emulation)」と呼ばれ、脳の全ての神経構造と活動をデジタルに再現し、人間の意識をコンピュータに移行することを目指しています。

下記の記事にもあるようにマウスの脳では実験が始まっているようですが、人についてはまだまだSFの領域と言えます。

AIの進化が革新をもたらすかも?

上の記事にもあるように、AIと機械学習技術がさらに進化すれば、脳の複雑な活動パターンを解析し、再現するための手法が高度化するとされています。特に、AIが脳のシミュレーションをリアルタイムで最適化するような技術が登場すれば、全脳エミュレーションは大きな進展を見せるかもしれません​。

倫理的な問題もある

では、仮に脳の動きや意識といったものをすべてコンピュータ上にエミュレーションできたとします。その場合、果たしてその意識は自分のものと言えるのでしょうか?
自分の意識が二つになるのか。それとも完全にデジタル空間に意識が移動するのか?こういった問題がクリアになることも必要です。

生き方を問う

本書の一説をご紹介します。

もしデジタル空間で愛する人たちと再会し、幸せを見つけられるなら、その選択肢を否定するつもりはありません。繰り返しになりますが現実は過酷です。でも、死に抗えるなら、私は戦います。現実が厳しいなら、私はデジタル空間で戦います。私たちBMI研究チームはそのために全力を尽くします。愛する人々のために、生きるために、そして未来のために。

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やはり現実は残酷です。その証拠に日本人は年間約2万人が自殺していると言われています。理由は様々です。いじめ、経済的な問題、健康的問題、社会的孤立と、さらには女性や若者の自殺率も増加傾向というデータもあります。もはや自殺大国日本と言っていいと思います。そして当然ですが、この2万人に対しては救済は一切ないです。

果たして主人公は死に抗えるのか。愛する人と再会できるのか。詳細はぜひ本書をお手に取ってください。

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