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【ADV-PCG】第2回いつかきっとダブルレインボー杯 ダブルバトル大会について【RS-PK】

はじめに

 2023年7月1-2日に行われたADV-PCGレギュレーションの自主大会「第二回いつかきっとダブルレインボー杯(W虹杯)」について書きます。昨年と比べて2倍以上の多くの人数での大会になり、2日間に渡って行われたためテーマごとにわけて記事を作成していきます。
 
 この記事では2日に行われたサブイベントのダブルバトル大会について書きます。シングルのレシピや結果などは別の記事に書いています。


ダブルバトルの概要

 私のNoteでもほとんど取り上げていなかったので簡単にダブルバトル自体について触れたいと思います。
 ダブルバトルはゲームソフトでのダブルバトルのように対戦するもので、

・バトル場に2体、ベンチに4体までポケモンを置けて、バトル場が1つ空いていてベンチにポケモンがいる場合は必ずバトル場に2体目として出す
・基本的にワザを使う場合はどのポケモンが相手のどちらに対してワザを使うか選ぶ(自分のもう片方のバトルポケモンに向けては使えない)
・にげるやエネルギーをつけることは自分の番を通して1回しかできない

といったルールです。
「相手のバトルポケモン全員」や「入れ替えるバトルポケモンは相手が選ぶ」というような一見紛らわしい文章はダブルバトルを意識したものです。

 ダブルバトル向けのカードはADVシリーズの間からPCGシリーズの前半までは頻繁に作られていましたが、実際はほとんど遊ばれていなかったように思います。公式大会のサブイベントでダブルバトルで対戦するものがあり、プロモを目当てにシングルバトルのデッキをそのまま使うか、一部ダブル向けに調整して使ったのが最後という方も多いかもしれません。カードテキストの方でも徐々にダブル向けの内容は減っていきました。
 ADV-PCG時代は30枚のハーフデッキと60枚のスタンダードデッキの2つがあり、どちらかがメインで気分転換にもう片方をするという場合も多くダブルバトルにまで手が回らなかった印象もあります。

 こういった背景からダブルバトルは店舗大会・自主大会でもほとんど行われていませんでした。今回のW虹杯では2日目のサブイベントとして行われたためシングルで決勝トーナメントに進出した方は同時並行で出られず、1日目のみ参加という方も多かったですが20名の参加者が集まりました。国内のダブルバトルの非公式大会としては当時を含めてもそうそうないような大きな規模になったと思います。

大会ルールと結果

予選としてスイスドロー4回戦を行い、その上位4名で決勝トーナメントをすべて1本先取で行いました。制限時間などのルールはシングルと同じです。

予選の結果はこちらで確認できます。

本戦トーナメントは以下の組み合わせで進みました。


横にかわいらしいイラストが描かれていますね

準決勝 ちろ ○ー× TARO
    わせ ○ー× こばゆう
決勝  わせ ○ー× ちろ
3位決定戦 こばゆう ○ー× TARO 

参加者のデッキレシピ

 上位4名は最終順位の通りに、それ以外の方は同じメインポケモンが並ぶように紹介させていただきます。また簡単な概要も併記していきたいと思います。認識に誤りがあったら申し訳ございません!対戦レポートを書いてくださった方はそれぞれのリストのところにリンクをつけておきます。

優勝 わせさん 封印カイリュー with まねる

高い耐久力を持ちトレーナーロックができるカイリューをメインにしたデッキです。いろいろなタイプの「まねる」ポケモンが入っており、カイリューの横で封印の結晶をつけてポケパワー・ポケボディーもロックし、弱点をつく役割も担っています。レポートにダブルバトル全体についても詳しく書かれているのでぜひご覧ください。


準決勝 ちろさん 封印ライボルト

ラクライの「こうしゅうは」からライボルトの「でんじしょうがい」へとつなげトレーナーをロックします。もう片方のバトル場にはHPが高く場持ちするレックウザ☆やグラードンを置き封印の結晶をつけてポケパワー・ポケボディーもロックします。
このデッキは今年アメリカで行われた自主大会で優勝したレシピがもとになっています。


3位 こばゆうさん 封印マグマ

シングルと比べるとグラードン以外が初手に来た時もあとから2体目のバトルポケモンとして出せるので、最も強い動きであるグラードンスタートでエネをつけていく動きがしやすいです。またアタッカーになるエネつきグラードンではない方に封印の結晶をつけることで場のカードが一度に失われにくくなり、安定感が増しています。主流のライボルトexなどに色相性もよく、戦いやすい相手が多かったそうです。

4位 TAROさん ナッシーライチュウ

バトル場のエネルギーをつけない方に封印の結晶をつけることでシングルのときよりも場を維持しやすくなっています。ナッシーが流行のライボルトの弱点をつけて相性がよく、バトル場に2種類のポケモンを置けるためワザの打ち分けもしやすくなっています。



遥さん 封印ライボルト

ちろさんと同じレシピを使用しています

めたるさん 封印ライボルト

ダブルの結果は後半に書かれています!

ランニングハイさん 封印ライボルト

やつはしさん ボルベトン

ゆーさん ミュウボルト

えぼそさん ライボルトノズパス


 最も多く使われていたのはライボルトexデッキでした。構築の細部はそれぞれ異なりますが、バトル場を片方空けておけば初手にラクライが無くても1ターン目にトレーナーを使って出してこうしゅうはやじゅうでんスタートがしやすいことや、でんじしょうがいをしながらもう一方で別の妨害ができるなどダブルバトルに向いているポケモンのようです。次の機会があったら環境トップのカードとして意識する必要がありそうです。

すーさん エールカイリュー

コンセプトはそれぞれ異なりますがカイリューexδが2番目に使われていたメインポケモンといえます。こちらのレシピは様々な特殊能力でカイリューをサポートします。でんじしょうがいやつんざくの打ち合いに強そうです。



トミオカさん remove remove remove

メインは「たつまき」のハクリューで、状況によってカイリューやライボルトでのトレーナーロックもできるデッキです。妨害が非常に厳しい環境のためエネルギーは手張りのみというデッキも多く、リムーブ効果は有効な相手が多そうです。

Oさん 封印ハッサム

たぶりすさん ハッサム単

ロックが強力な環境なので純粋なパワーが高いハッサムも使われていました。もう片方に封印の結晶をつけて妨害もするか、ロックする相手だらけなので単構築で純粋な攻撃力が高い方がいいかは相手次第でしょうか。


ナオヤさん バンギマイン

ハッサムを使用予定だったもののデッキを忘れたためこちらを使用されたそうです!一方でバンギデッキもサナギラスがくろいひかりで2匹をマヒにできたり、すなおこしを働かせながら同時にスピンテールができるなどダブルへの適性もあります。


パストスさん アーマルドヤミラミ

ヤミラミの「そくばく」とアーマルドの「げんしのヴェール」でサポーターを封じます。バトル場でしか使えない効果が複数あるのでシングルでは工夫が求められるデッキですが、ダブルでは使い勝手が向上しています。

ヒビキさん ジュペラミ

バトル場でしか使えない「シャドームーブ」の使用回数を増やします。シングルでは最終的にワザで攻撃するのを踏まえた範囲でしかいれかえられませんでしたが、ダブルでは片方のバトル場をポケパワー専用にしながらもう片方で攻撃できます。

ダブルについては終盤に書かれています!


ちゃぞさん 豪力

バトル場両方にダメージを与える「ダブルキック」をメインにしたデッキです。自身を混乱にするポケパワーで「パワーバラノイア」をはたらかせたり、「やるきのオーラ」や「はりきり」と流星の滝でもダメージを上げることができます。パーツのヤルキモノはケッキングにしてパワーロックをすることもできます。


寒天 わるいラフレシア

バトル場で強い能力を発揮するわるいハクリューとラフレシアexを中心に、分岐進化も使って戦っていきます。カイリューの「ダブルウイング」が2体攻撃で悪エネの追加も載るので総ダメージも結構出せます。今後デッキ紹介の記事は別に作りたいと思います。


大会を振り返っての感想

 今回のダブルバトルの大会ですが、とにかくロックが厳しいという印象がまず浮かんできます。ADVPCGがすべて使えるRS-PK環境では特に1匹目に封印の結晶かベトベトンexを置き、2匹目でトレーナーロックという2種類のロックを組み合わせられるとなかなか解除するのが難しく、カードを多く使ったコンボはそう簡単に揃わない気にさせられます。封印の結晶はシングルバトルですらかなり多くのカードの存在意義を落としながら環境を調整しようとした感がある暴力的なカードなので、ダブルバトルでどうなるかまでは重視されなかったのでしょうか……。
 次にダブルバトルが行われるときにあくまで勝利を目指すとしたら、まずはシンプルにドローとターン1回の手張りでそこそこのパフォーマンスが出せるかを前提にデッキを考えていった方がいいかもしれません!


おわりに

 ADV-PCGシリーズをずっと遊んでいたものの、ダブルバトルでどんなデッキが強いのかということは、机上論でなんとなく想像していたものの実際に大会が行われなかったのではっきりとはわからない状況でした。
 今年になってアメリカの自主大会とこのW虹杯によって一定のメタゲームが生まれた感じがして、とても貴重な機会になったと思います!


シングルのデッキ分布や上位デッキについての感想や、W虹杯の様子などであと1回記事にする予定です。



※デッキ画像は「ポケモンカード 旧シリーズ検索」さまのサービスを利用しました。


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https://note.com/kanten620/n/n0f54f94af7e0

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