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「創業110年の会社が新しい経営ミッション発表会後、1ヶ月でやった5個の施策」と「ミッションが伝わらない時には経営者はヒトじゃなくてコトに向かおう」と言う話

【初めて読む人のための説明】
自分は今、鹿児島で創業110年の商社(エネルギー、IT、貿易)の4代目の社長をしている42歳です。今、組織変革を頑張り中。その中での気づきなどをnoteに書いてます。個人twitter 

今、MVVの設定をしていて、MVの発表をしたその後の1ヶ月のnoteです。

経営ミッション発表会の後1ヶ月やった5個のこと

見返してみると前に経営ミッション発表会の記事を書いてから1ヶ月ほどnoteを書いてなかった。経営ミッション発表会が終わり、施策を出した。そのことも併せて、自分がこの1ヶ月、どう会社の組織と向き合い、どう感じたのかを書いてみる。

施策①45分x70名の全社員面談を行った。

この1ヶ月は全社員面談をしていた。今日(11/2)時点あと5人ほどまだ残っているが70人に対して、45- 60分ほどかけて自分とCHROの池田君とで行った。ミッションやバリューについてどう思ったか、働く際に大切にしたいあなたのバリューは何か、会社に望むものは何か、などを丁寧に聞いていけたと思う。(そしてめちゃくちゃに疲れた)。

そのなかで感じたのは、ミッション発表会を行うだけじゃ、内容理解してもらえるのは良くて3割だなということ。そして1ヶ月も経つとかなり薄れていくということ。そして良くわかってない状態で組織の仕組みが変わると、例えそれが良い方向への変化だとしても人は「恐怖」を強く感じるということだ。人には生来、今、そのままでいたいという力 (Homeostasis = 恒常性)が働くので、これは無理もないなと思う。では、どうするか?という課題が生まれた。

また、インタビューをするうちに、自分達の認識している会社組織の状態に関する仮説と実際の状態が大きく異なるのではという気づきがあった。その理解に役に立ったのが組織サーベイだ。

施策②組織サーベイ調査を行った。

組織サーベイは、経営ミッション発表会の直後に行った。Lafoolさんのディープサーベイを採用させてもらい、その結果の定量的な分析と、施策①の全員面談の定性的な結果、両方を見ることで組織が感知できる精度が上がったと思う。

これからサーベイ結果はコンサルにも入ってもらってより細かく見て施策を組んでいくのだけど、全員面談とサーベイは片方だけでは効果が半分以下になると感じる。面談による定性調査とサーベイによる定量調査と両輪で行うことが効果的だと思う。とある部署では、思ってた仮説と全然違う結果が来て驚いたりもした。

施策③ 社内広報を意識的に行うようになり、youtubeラジオを始めた

社内でのミッション、ビジョンへの解像度を上げるため、週1で社内ラジオ「コビラジ」をスタート。エネルギー事業部のガスのドライバーさん達が聞けるようにラジオ形式にした。面談の時もポジティブなフィードバックが貰えたのでよかったと思う。自分の声がガサついてるので、ちゃんとしたマイクも買って来週からは改善しようと思う。これは今後も続けていく。

施策④ ミッション、ビジョンのブックレットを配布した

KOBIRA Vison Book

手元で持てるサイズのミッション、ビジョンが入ったブックレットを配布した。配布したのは経営ミッション会の当日なのだけど、これも意識づけによかったとは思う。ビジョンの内容は後日、書く予定だけど、自分もいつも仕事用のリュックに入れていて、疲れた時に見返して元気をもらってる。

施策⑤ 社員を巻き込んでのバリュー策定プロセスを開始した

ミッション (経営理念、パーパス)、ビジョン(うちの場合は10年後に辿り着きたい姿)の後はバリュー(価値観)の作成になる。この策定プロセスは社員も巻き込んで行った。

全事業部から人を出してもらい1日がかりでバリュー共創ミーティングを行った。バリューは価値観ともされるが、価値観は世代やキャリアに応じて大きく変わる。たとえば、上記の写真は組織の価値観に関するパラメーター8個あって、下が今の会社の状態、上がこれからこうなりたいというのに自分の名前を書いたポストイットを貼ってもらうワークショップ。たとえば、短期思考か長期思考かなどはミッションで長期思考をうたっているので割と揃うんだけど、給与格差が大きくあるべきかなどについては世代と事業部で結構な差が出た。その上で形にしていったので、作るプロセスに参加してもらったのは若手の部署を超えたチームビルディングにもとても良かったと思う。

ミッションが社員伝わらなかった時には、経営者はコト(システム変革)に向かおう

そして、一つ、これからミッションやビジョンの発表を行って、会社を新しくしていこうというアトツギに、アドバイスがあるの書いておく。それは、「ミッション、ビジョンは簡単には伝わらない。伝わらないことから起こる事柄に対して、感情的になってはいけない。今までのシステムのせいでそういう反応になっていると、コトに向かおう。」ということだ。

ぶっちゃげて言うと、一生懸命、社員に喜んで欲しくて作ったミッション、ビジョンを「小難しいことはよくわからないんすけど、給料上がるんすか?」みたいな反応されたり、全然、コミットしてくれなかった時に、経営者が傷ついて「こいつら全員クビにする」とか思わないようにしておこうと言う事。「こいつ(〇〇さん)ではなく、そう言わせてしまう、今までのシステムがクソなんだ!こいつを変えてやる!」と個人攻撃ではなく組織変革のモチベーションに転換できるよう心づもりをしておこう、と言うこと。

そもそも何ヶ月も準備したものがものの1日で内容まで理解される訳などない。だから経営者は伝える継続的な施策をしていかないといけない。そして、社内の心理的安全性が低かったり、エンゲージメントが低いせいで、そう言わせているのなら、コミュニケーションや評価制度の設計を変えていかないといけない。スタートアップだと最初からMVVの共感をしてくれる人を集められるが自分達、アトツギは継いだ時に配られたカードで勝負するしかないのだ。

最後にまとめ

今は、上記のような施策を行いつつ、若干、傷ついたり、無理やりそれをポジティブに持っていったりしながらも、今は11.24のバリュー発表会に向かっているところだ。それが終わったら全社で中期経営計画の作成に進む予定。色んなことはあるがかなり面白いし、会社を良くするために最後までやっていいけたらと思う。マジで。

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