見出し画像

美しい情景に彩られた 静かで強い想いと旅路の物語-映画『シン・仮面ライダー』の終映に添えて-

あなたは仮面ライダーの映画と言われてどのようなものを思い浮かべるでしょう。
私は本作を”仮面ライダー”以前に、予告の静かな邦画ロードムービーの空気に惹かれそうした”映画”を観られる予感に劇場に向かったのでした。

[公式]公開前最新予告

2023年3月17日から封切られたシン・仮面ライダーも同年6月4日で終映となります。
もしかしたら誰かの最後に劇場に滑り込める切掛となるべく記事を綴ってみた次第です。どんな印象を受けたか、に集約し、内容に触れる所謂ネタバレ含めたものは公開終了後にワンクッションの上でまたいずれ。

とはいえある程度はどんな映画だったかを綴っています。
まっさらに滑り込みたい方は今すぐ最寄りの劇場の恐らくもうかなり少ない上映時間をチェックチェックです。


静かさと強さとあの”仮面”の姿が心の襞を掴む

事前に感じたその予感は裏切られず、お休みを取って初日初回で赴いた私はまっさらな状態であの体験を得、大満足の中で劇場を後にしたのでした。
物販にあったサイクロン号ドリンクホルダー、まさかの価格5,600円でこれは流石にねと思い見送っておりましたが
上映後するっと買って帰ってしまったくらいの満足度だったというのは客観的物差しで伝わりますでしょうか。

※実際には仮面ライダーリバイスという作品のジャンヌとアギレラというライダーのフィギュアです
物販で第一目的だったコラボRODYちゃん達とコブラオーグ(仮)×ハチオーグ(仮)の可動フィギュア添え

私は昭和のというより仮面ライダー自体には実はそこまでの思い入れは無くて、現在も続いているシリーズタイトルの中に好きな作品は幾つもあれど特撮ドラマとして個々を好んでいるに過ぎない感覚でした。
なのでむしろ公開前はビジュアルに関しては「随分古い見た目を再現しているのだな」とライダーのデザイン面ではあまり気持ちが乗っていなかったのを思い出します。
本当に只々今作も”この予告映像の雰囲気の映画を観に行く”という挑み方でした。

ところが
あのライダーの見た目は観賞後その意味を一変させます。
既に公式が公開後に映像も出しているので触れますが、本作の仮面ライダーはオーグメンテーションという改造手術を施されたバッタ能力の改造人間ながら、そのままバッタの頭になる訳ではなく、その能力をシンボルとした”仮面”を身に着けます。
手術で変貌したその醜い素顔や手足を隠す為及び強化用にもなっている仮面と防護服を身に着けるのですが、これがあまりに劇中の凄惨さも伴ってとてつもないリアリティをあのヘルメットとライダースーツの姿に与えているのです。

まずこの事に私は凄まじい揺さぶられ方をしました。

旧作の仮面ライダーは、時代的にやむなきものではあれ”バッタ怪人に変身している”設定ながらどう見ても服を着ているヒーローの見た目でした。
原作者石森章太郎がTV特撮と別途綴った萬画版は実は今作の表現に近く、その萬画版と原典のTV版との折半新解釈をシン・仮面ライダーでは見事に形にしていたと感じました。

風を受け”変身”するライダー。
今作は実際に服を纏っている設定ながら間違いなく”バッタオーグという怪人”でした。

今作の概念として人と自然界のエネルギー”プラーナ”というものがあります。
元々似た意味合いで存在するサンスクリット語の概念ですが、その生命力に満ちた状態から強制的にプラーナを排出する事で人の姿に戻る事も出来ます。
このプラーナが今作において様々な意味合いを持ちます。

物語と登場人物についても、語っても語りきれない程惹きつけられました。
2回目を行きたいタイミングで丁度始まってくれた初ドルビーシネマ体験も出来て(※本当に圧倒的な映画体験だったんです。。シン・仮面ライダー以外でも、何かしら物凄い環境で観たい映画がある方は、上映タイミングも専用劇場も限られますが、もし行けるのなら是非一度体験をおすすめ致します)
これもまた次記事で改めて。

前知識が必要なんて全く無い一個の”映画”

公開後にSNSなどの一部で騒がれていたのが「元ネタありきのマニア以外お断り映画だ」という論説。あれはあまりに的外れなものでした。
確かに原作付きである以上原点を諸々拾ったアイディアや表現はあるのですが、それらは全て今作という一本の映画として昇華されていました。一般の人/ライダーに馴染みの無い人までが大勢惹かれたのが何よりの証拠です。また、詳しく説明も出来ますが内容に触れるのでこれもまたいずれ。

簡単に言えば、元ネタを知ってる人はそれを「知ってる」で止まってしまっている訳です。長々この話題には触れたくないのでようはそういう話でしかないのですとここでは終わります。

只々、もしそうした声に躊躇していた人がおいでなら、どうかお気にせず是非とだけ。
池松壮亮さんや柄本佑さんや浜辺美波さんや西野七瀬さんや竹野内豊や斎藤工さんといった、俳優陣を目的だって全然構いません。

静かで強い想いと旅路の物語。
映画『シン・仮面ライダー』は3ヶ月弱のロングランの末に劇場公開の幕を下ろします。
是非、残された僅かな劇場大スクリーンの機会に立ち会える方はこれからでも。その為の取り急ぎ記事でした。

BE HAPPY.
(※今作の敵組織ショッカーは人類の幸せを追求する人々の集まりとして描かれており、その合言葉がこれなのでした。このコンセプトに沿った公式アプリも作られて公開中から映画に関してショッカーの視点から沢山の記事が現在も配信され、こちらも世界観の充実に大活躍でありました

🧣
2023年年末お題企画の機会に、内容にも深く触れた記事を新たに綴りました。
是非こちらもお読み下さい..!▽


先立つものはとても大切です。。 また、1文字2円で御感想を頂けるofuseサービスも登録中です https://ofuse.me/kansousuiro/u