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水瀬神奈
2022年12月5日 17:40
鏡を覗く。そこに毛のない猿がいた。ギョッとして身体が反射的に硬直する。心臓に痛みが走った。凍りつくとはこういう時をいうのだろう。猿は背中を丸めて真っ白な冷たい皮膚を晒していた。そして窪んだ眼窩(がんか)から虚ろで大きな眼球がじっとこちらを捉えたまま、様子を伺っている。それが自分だと気づくまでに時間はそれほど、かからなかった。和室に置かれた古い三面鏡に、映し出された自分を確認する。一瞬にして