【短編小説】スープ、もったいないじゃん?

ある日の昼食、カップ麺。
最近在宅ワークをしていると、毎日お昼にはカップ麺を食べている気がする。
不健康極まりないのだが、安いんだから仕方がない。健康というのは金持ちの道楽だと僕は思っている。
そんな貧乏な僕の頭をいつも悩ませるのが、残りスープ問題だ。毎日カップ麺を食べておいてアレだが、なんかスープは塩分が多いと聞くし、身体に悪そうなので、もったいない気もするがいつも捨てる事にしていた。
だが、今日はいつにもまして僕は頭を抱えていた。
今日のカップラーメンはメディアなどでも有名なお店が監修した魚介豚骨味だというのだ。
これはなんかすごいスープにも力を入れているようで捨てるのを憚れる。第一あたり前だが、カップ麺の値段はスープ込の値段なのだ。なので払った金額を最大楽しむならスープもしっかりと完飲すべきなのだ。
それに大量の塩分や油分を含んだスープを流すと排水管などを痛めるとも聞いた事がある。
スープを捨てるということは百害あって一利なしなのだ。(もっともこのとき塩分の過剰摂取で病気になったときの医療費は見て見ぬふりをしているのだが)

さて、今日はスープを摂取すると決めたところでどうやってスープを処理するか。そのまま飲む?ご飯をin?それらも良いが、実は前から試したい事があった。それはラーメンスープで作る茶碗蒸しだ。作り方は簡単。
ラーメンの残り汁に卵を一個、割り入れる。
そして卵黄とスープをよーくかき混ぜる。
そして、マグカップとか耐熱性の容器に入れて電子レンジで2、3分待つだけ。本当にとっても簡単だ。
ただ、3分経っても、まだ固まりたりないときもあるから、そういう時は1分とか30秒再加熱すれば大丈夫。
チン!という心地よい音を聞いて、そーっと茶碗蒸しが入った容器を取り出す。このとき火傷に注意をするように。
ゆっくり冷まして、じっくりと頂く。
美味い!この美味さはまさに僕の狙い通りだった。
カップ麺の残り汁でつくる茶碗蒸しはポピュラーではあるが、何のスープで作るかまではこだわる人は少ないように思える。そこで今日の魚介豚骨スープは茶碗蒸しと相性が抜群。何故なら本物の茶碗蒸しにも使う和風だしに近い要素を持っているからだ。ラーメン以外だと、カップそばやカップうどんのスープもカツオだしが使われていたりして、茶碗蒸しには相性が良い。
そんなこんなでまるでプリンを食するようにペロリと完食してしまった。
スープをもったいないと感じているそこのあなたも是非ご賞味あれ。

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