關紅洋

たべものが好きなので1本2分で読めるたべもの小説を書いています。ライター・作詞家として…

關紅洋

たべものが好きなので1本2分で読めるたべもの小説を書いています。ライター・作詞家としてもお仕事しているので報告もちょくちょく入れます。

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【「食」からドラマが生まれるのだ!】關紅洋(かんこうよう)の自己紹介

はじめまして! 關紅洋(かんこうよう)と申します。 名前が難しくてごめんなさいm(_ _)m 仕事はゲームのシナリオ書いたり、動画を作ったりしています。 特に自分が参加しているチャンネルでおすすめは「中沢健のUMAオカルトチャンネル」です。 未確認生物UMAを紹介するチャンネルです。 このチャンネルを一緒にやっている中沢健先生はプロの作家でもあり、この方の作家講座がきっかけで本格的に作家を志すようになりました。 そして「作家を目指すには色んな人に作品を見てもらわなくては

    • 【短編小説】ハンバーガーに一枚の彩りを

      「はぁ〜……疲れたぁ……」 今日も残業を終え、安いアパートの2階のある一室である我が家を目指し階段を登る。 最近は自分が関わっている仕事が繁忙期に入り、家はほぼ、寝るだけの施設と化していた。 疲れがのしかかった重い身体を引きずり、なんとか2階の我が家の玄関が見えてきた。しかし今日はドアの前に大きな段ボールが。 「なんだろう?ウチにお届けもの?」 通販などを頼んだ覚えもないので、恐る恐る差出人を確認する。 「あ、お母さんからだ……」  不審な荷物じゃなくてとりあえ

      • 【短編小説】チョコっと、ゲーム

        今日は友達の家で『大学の課題を進める会』の日だ。 一人だとどうしても集中力が続かない私からの提案した会なのだが、その友達は快く引き受けてくれた。 その上「だったら私の家でやる?」と提案してくれたのは実家暮らしの私にとってはすごくありがたかった。 私は、一人暮らしをしている彼女の家に行くのは初めてで、同性の友達といえどちょっと緊張しながら歩みを進めていた。 彼女の家に向かう前にふと、コンビニに立ち寄る。 (一応お邪魔する立場だし何かお菓子でも……) そう思い、お菓子売

        • 【短編小説】今年最後の肉の日は

          なんとか無事に今年の仕事納めをすることができた。 大学を卒業して新卒一年目。毎日が気苦労ばかりでジェットコースターに振り回されているような日々だった。 職場の環境もあまり良くなく、所謂職場ガチャ失敗というやつだ。 そんな仕事が久々に開放される長期休暇の初日。 私は忙しい日々の反動か、夕方まで眠りこけてしまった。 「う〜、寝すぎた……」 とりあえず水を飲む。久しぶりに物を入れた胃が動きだし、私に「お腹すいたよ!」と教えてくれた。 「ごはん、どうしよっかな……」 帰り

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        【「食」からドラマが生まれるのだ!】關紅洋(かんこうよう)の自己紹介

          【実績公開】帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑 好評発売中

          執筆時点で発売から一週間が経った 「帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑」(双葉社) に、編集協力として携わらせていただきました。 幼少期から怪獣が大好きでボロボロになるほど怪獣図鑑を読んでいた自分ですが、ついにこうして公式様の図鑑に参加できる日がやってきたと思うと感無量であります。 図鑑の内容に関しても怪獣一体に対して数ページ使い、ふんだんに写真を盛り込んで丁寧に解説しております。 普段は小説やゲームシナリオなどを執筆することが多い自分ではありますが、図鑑を書くという体験

          【実績公開】帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑 好評発売中

          【短編小説】もやし(歯にはさまった)もん

          大して自炊もしない男の自炊というのは野菜が不足しがちだ。 インスタント食品で済ませてしまったり、疲労や時間の無さから食事自体を抜いてしまうこともある。そんな食生活への危機感から積極的に野菜を摂取しようと心がけるようにした。 その活動の一環として今日も丁度野菜たっぷりタンメンを食べてきたところだった。これはなんでも1日に必要な野菜の役半分が摂取できるという代物だ。 こういったメニューは野菜不足になりがちな俺をはじめとする現代人にはとてもありがたいメニューなのだが、食後、満福気分

          【短編小説】もやし(歯にはさまった)もん

          【短編小説】見極めの試練

          今朝、腹痛と気持ち悪さで目を覚ました。 「変な物でも食べたかなぁ……」 私は昨日食べた物を思い出した。該当する食べ物はすぐに見つかった。 「あ、昨日の皿うどん……」 昨日の夕飯は親からの仕送りに入っていた皿うどんを食べたのだが、その麺は何故か苦かった。 その苦さは飲み込んだ後も口の中に残るような独特の苦さであった。 いつもの皿うどんでは無いことを察して賞味期限を見るとなんと2年前。だが、普段から半年や一年くらい過ぎたものだったら食べていたので今回も無事に完食できる

          【短編小説】見極めの試練

          【短編小説】キャラ弁はつらいよ

          今日は娘の運動会! 母親である私ができることは精一杯の応援、そしてとびきり美味しいお弁当を作ってあげること。 今日も早起きをしてお弁当の準備を進める。去年の運動会の時の中身は娘は覚えていないかも知れないけど、万が一ガッカリさせないように、メニューを変えるつもりだった。そのために前日までに買い物は済ませたし、あとは調理して盛り付けるだけ。 だと思っていたが、私はある娘のひとことを思い出してしまった。 それは去年の運動会でのこと、お昼休みになったというのに娘は浮かない顔。私が「ど

          【短編小説】キャラ弁はつらいよ

          【短編小説】忘れられない梨の味

          僕が高校生のころ、ちょっと変わったアルバイトをしていた。 それは「梨の集荷助手」というアルバイトだった。 僕の住んでいた地域は梨が特産で、夏になると暑中お見舞などで贈り物として梨を送る人が多くなる。 そんな中で僕の仕事は運送会社のドライバーさんと二人一組でトラックに乗り込み、朝から晩まで梨農家をめぐり、出荷用の梨をひたすらトラックに積み込むというものだった。 梨の箱は軽くて5キロ。重い箱はその倍の10キロ。そんな箱が梨農家さん一件につき100〜200もあるのだ。 それをひたす

          【短編小説】忘れられない梨の味

          【短編小説】波乗りジョニーでノリノリ〜

          7月に入って、朝から晩まで暑すぎる日々。「明日は37度の地域もあります」なんてほざいているテレビに「ぬるま湯風呂か!」と突っ込む俺。 だが、俺は少しだけ今日は気分がよかった。 最近ではあまり店頭で見なくなった男前豆腐店の波乗りジョニーを久々に買えたのだ。それもノーマルと枝豆味の二種類。 そもそも波乗りジョニーとはどのような豆腐かというと細長いサーフボードのような方の容器に入っているのが大きな特徴なのだが、ただの見た目が面白いだけでなく、豆腐そのものもこだわっている。北海道産大

          【短編小説】波乗りジョニーでノリノリ〜

          【短編小説】半夏生のタコ

          7月2日、今日も30度超えの猛暑でこのまま何度まで気温が上がってしまうのかと思う今日この頃。 夕方になっても全然暑さは収まらず、転がり込むように僕は部活から帰宅した。 「あっつー!死ぬー!」 ガチャっと玄関を空けると、クーラー天国が待っていた……と思ったら、クーラーよりも先にやってきたのは鼻をつんざく酸っぱい刺激臭だった。 「あら、おかえり〜」 この刺激臭のする中、呑気に出迎える母に僕は猛抗議した。 「おかえり〜、じゃないよ!何この匂い!酢酸カーミン液でもぶちまけ

          【短編小説】半夏生のタコ

          【短編小説】僕の一番好きなジブリ飯

          幼少期から気がつけば身近にあったジブリ作品。 「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」には子供心にとてもワクワクした作品だ。 「千と千尋の神隠し」なんかは今でもテレビで放映しているとつい見てしまうし、「火垂るの墓」は今でも少し苦手だ。 今もなおジブリの人気は根強く、最近もジブリをテーマにした「ジブリパーク」がオープンし、話題になっている そんなジブリ作品でちょいちょい話題になるのが「ジブリ飯」と呼ばれるジブリ作品の中に登場する食事である。 「千と千尋の神隠し」で冒頭

          【短編小説】僕の一番好きなジブリ飯

          【短編小説】ハッピー台風コロッケとよふかし

          「今夜から明日にかけて台風ですって、明日学校大丈夫かしら」 日曜日の夕方、買い物から帰宅した母が呟いた。瞬間僕の心が躍りだした。 「えっ!?台風くるの!?明日学校休みになるかな?なるといいなぁ……」 「こら!馬鹿言ってんじゃないの!台風って大変なのよ?川の近くの人とかは避難しなきゃいけないし」 「わかってるよー!」 もちろん、この時母の言葉など本当は一ミリも理解していない。 この時の僕は勝手に明日は休校になると決めつけ、今夜は何をして遊ぼうかで頭がいっぱいだった。

          【短編小説】ハッピー台風コロッケとよふかし

          【短編小説】肉を1キロ買った日

          今日、半額の誘惑に負けて1キロの肉を買ってしまった。 消費期限は明日。まあ時間が迫っているからこその半額であるからそこに異論はない。 ただ俺は一人暮らし。スーパーで「半額の肉だ!」と上がっていたテンションは今は昔。 今はただ、目の前の肉をどう処理するかで迷っていた。 そこで出した答えは分けて残りを冷凍保存。まあ無難な方法である。消費期限など1、2日過ぎても特に冷凍してれば問題はない。というのが俺の経験則だ。 早速俺は油を引いたフライパンに肉を投入した。今日食べる分だ

          【短編小説】肉を1キロ買った日

          【短編小説】おばあちゃんのさわがに

          両親の仕事の都合で私が田舎のおばあちゃんの家に預けられていた初夏のある日、テレビでグルメ特集が流れていた。 私とおばあちゃんはなんとなく、テレビをぼんやりと見つめていた。 『今、ソフトシェルクラブが人気!』 「へえ〜、なんだいソフトシェルクラブって」 「タイ料理店とかアジアン系のお店で出るらしいよ。脱皮したてだから殻が柔らかくてそのまま食べられるカニだよ」 「そのまま食べられるカニねぇ。食べたことあるのかい?」 「一回だけ食べたことあるけど、美味しかったよ?まぁ、ア

          【短編小説】おばあちゃんのさわがに

          【短編小説】ソフトシェルクラブクラブ

          ある日の昼下り、ぼーっとテレビを見ていると、不意に部屋のインターホンが鳴った。 「もぅ……いいところだったのに!」 僕はうんざりしながら停止ボタンを押し、ドアモニターを覗いた。そこにはにこやかに笑うスーツ姿の女性がいた。 「どなたですか?」 『私、ソフトシェルクラブクラブのご案内で伺いました〜』 なんじゃそりゃ!? それが僕の正直な意見だった。 「あの〜、セールスなら間に合ってるんで」 追い払おうとした時、女性は笑顔を崩さずに言った。 『でも、カニ好きですよね?』 「そ、そん

          【短編小説】ソフトシェルクラブクラブ