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新語流行語の好き嫌い(プラム編)

70年代に登場したナウいダサいに始まり、ウザいキモいなんてネガティブワードも蔓延。現在ヤバいが頂点に君臨する、〇〇(カタカナ)い界の新語。

エモい。

嫌いというほど知らないし、使ったことはないのですが、めっぽう気になっている言葉です。音楽界で、メロディアスで哀愁的なロックミュージックを指す「e-mo」が語源とも言われ、ここ数年若者の間ではヤバいと同じスピードで勢力を広げている(私には)謎の言葉。なんじゃこりゃー!

「感情が高ぶること emotionalな状態」をいうのだそうですが、その状態ってどんな状態?
なんかわかんないけどすごい!みたいなこと全般に使っていいんでしょうか。例えば、南アフリカのケープタウンの地平線に沈む太陽を見た時も、私がソン・ジュンギの新作ドラマを見た時も、エモいでOK?全部ひっくるめてエモい。そこひっくるめていいのかしら?と言葉を愛し生業としているものとしては寂しくもあり。むしろこの汎用性がエモいということなんでしょうか。
夕日に街が赤く染まって、通りに落ちた影とのコントラストが…とかソンジュンギのパーマのかかった毛先と長い睫毛が…とか、せめて何がエモいのかを考えていかねばなぁ。私はどっちかというと結論を急いで、だからこういうことでしょ!って言ってしまうタイプ。思考はすぐにまとめたがるのに、感情をまとめてしまうのは抵抗があります。心が動いてそれを脳で言語化して表現していると思うのですが、脳がエモいに支配されすぎてしまうと、それが逆流して心が感動を忘れてしまいそうでちょっと怖いです。

先日たまたま見たアニメでも、えもちゃんというキャラクターの口癖が「エモい」で四六時中「えもえも❤︎」言っていたのでキッズにもすぐに広がり、保育園でもそろそろ聞こえてきそうです。今3歳半の息子はすごく言葉を覚えて理解してきていて、とうとう「これ微妙じゃない?」と言いはじめました。この先、「かーさん、これ微妙にエモくなくない?」などと言われるのでしょう。かーさん、もうどんな顔をすればいいのかわかりません。


コピーライターになりたての頃、上司に「(コピーに使えるような)新しい言葉はもう生まれないから、あとは組み合わせだよ」と言われました。17年経って、その間に言葉は生まれたり消えてしまったりしたけれど、確かにコピーに使いたい!この言葉なくして語れん!みたいな新しい言葉はないなぁと思います。平成生まれの人たちに平成生まれの言葉が響くってことでなく、人の心を動かす言葉は基本は受け手と作り手、双方のコミュニケーションなんですよね。ちょっとコピーライティングのスタート地点に戻れたような。このお題、なかなかエモい



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