中堅・中小企業の採用戦略と採用の原則について考えてみた
こんにちは、お金が入るでかねいりです。
コロナウイルスが5類となり、サービス業は人手不足によりなかなかコロナ前の業績を上げることができない状態が続いています。また、2024年問題(残業規制など)によってゼネコンや運送業界における人手不足がさらに深刻となることが予想されます。その他にも介護、ITなど慢性的に人手が足りないという業界もあります。
このような状況の中、中堅・中小企業はどのようにして採用活動を行っていくべきかについて考えたことをお伝えできればと思います。
■大手企業と中堅・中小企業の採用の違い
この図は、縦軸が応募書の入社意欲の高さを表していて、横軸は採用活動の流れを表しています。
そこで、質問です。この点線と実践の違い、何が違うかわかりますか?
そう、点線が大手企業の採用活動で、実践が中堅・中小企業の採用活動を表しています。
大手企業の場合は、知名度が高いため、応募者の入社意欲が高い状態から採用活動がスタートしますが、中堅・中小企業の場合、知名度がないため、ゼロから応募者の入社意欲を上げるということが必要になります。
つまり、中堅・中小企業の採用活動は、大手企業に比べて『惹きつける』ということに注力することが大原則になります。
■『惹きつける』上での大事な考え方
惹きつける際に大事な考え方があります。
それは、『志向で惹きつけて、資質で見極める』というものです。
志向というのは、応募者側が求めるものです。例えば、成長スピードの速い会社で働きたいとか、切磋琢磨できる会社で働きたいとか、安定して会社で働きたいとかです。
それに対して資質は、企業側が求めるものです。例えば、コミュニケーション能力が高いとか、責任感があるとか、行動力があるとかです。
よくありがちなのが、説明会の際に「自社の求める人物像」を話す場面で、「行動力、リーダーシップ、責任感がある人」などと伝えている会社があるのですが、これは意味がありません。
説明会は惹きつけの場なので、志向で惹きつけることが原則です。上記では資質のことを話していて、応募者側はピンとこず、惹きつけになっていないのです。
上記の例であれば、「早く成長したいと考えている人、チームで仕事をしたい人、責任のある仕事がしたい人」といった形で伝えたほうがよいでしょう。
■どうやって惹きつければいいか?
惹きつけるためには、自社の魅力を知る必要があります。そのために、その整理をします。
例えば、
・自社の商品・サービスにはどんな特徴があるのだろうか?
・自社のビジネスフロー(仕入~販売・納品までのフロー)の中にどんな特徴があるのだろうか?
・自社の業界にはどんな特徴があるのだろうか?
・自社が目指していることは何か?自社が大切にしていることは何か?
といったことを考え、特徴を挙げていきます。
それらの特徴から、どんな志向の人が自社に合いそうかを考えていきます。
例えば、自社のビジネスフローを考えたときに「ルート営業が多い」や「長いお付き合いの取引先が多い」という特徴があったとしたら、「お客さんと深くかかわりたいと考えている人」は合いそうな志向と言えます。
このようにして、志向を挙げていきます。
ここで整理した志向の情報をもとにして、求人情報や説明会・選考プロセスを検討・決定していくのです。そうすることで、惹きつけられる採用活動になっていきます。
■惹きつける力がない会社は生き残れない
経済成長を目指す一方で、人口減少が続く日本において、採用が楽になることは考えづらい。
そうした際に、この惹きつける力を持たない企業は、人を採用をすることができなくなる可能性が高いと考えています。
一方で、この『惹きつける力』はやればやるほど積みあがっていくものです。惹きつける力に気づき、その積み重ねをする会社とそうでない会社の差は大きくなっていくものとも考えられます。
今日のお話が、採用活動を進めていく上での参考になれば嬉しく思います。
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