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カサンドラ症候群26 カサンドラからの回復プロセスとは

発達障害とグレーゾーン、そしてそのご家族やパートナーが陥る「カサンドラ症候群」のカウンセリングをして30年、オフィスレアリーゼ神田裕子です。

【カウンセリングの予約・講演依頼等】
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こちらへどうぞ!
ykanda18425@gmail.com

★定額制(サブスク)の9月の新規募集は1名様のみです。

春から毎月3回5のつく日にメルマガを発行して参りましたが、10月から有料化することになりました。9月いっぱいは今まで通り登録した方には届きます。なお、カサンドラ・ラボ会員になっていただく形なので、12月までは月々550円、1月から1100円を頂戴します。もし引き続きメルマガをお読みいただけるようでしたら、ご登録ください。内容は、心理学、発達・子育て、コミュニケーション、哲学・人生論などで変更ありません。

9月いっぱいまではこちら ↓ ↓ ↓

10月からはコチラにご登録くださいね ↓ ↓ ↓

1 近況報告

9月に入って急に忙しくなりました。産業カウンセラーの契約が一件増えたので、取引先企業との打ち合わせやカウンセリング推進計画書の提出、講演内容の打ち合わせなどバタバタです。カサンドラさん達の新規カウンセリングも増加して、毎日が勉強です(楽しいけれど♪)。カサンドラさんを対象にすると、モラハラ、虐待、いじめや不登校の問題も多く表出します。各方面と連携する必要性を感じています。

そのためカサンドラ・ラボは再来週東京へ行く際に、東京、つくばのエリアスタッフと会って調整します。他にも様々な方とお会いしてアドバイスをいただく予定です。進展がありましたら、またご報告しますね^^

ブログやnoteももっと書きたいのですが、当面の課題は時間の捻出です💦読書の秋、そして学会の秋(-_-;)・・♪

2 カサンドラ・ラボ設立記念5回連続オンライン講演会の第3回お知らせ​

【第3回】2021年09月18日(土) 13:30~16:00 
講師: 村上 由美 先生(言語聴覚士)
テーマ:「普通って何だろう?」

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ASD当事者で言語聴覚士(ST)の村上先生。パートナーも発達障害当事者。発達障害の人たちが抱えがちな人間関係の悩みについて、さらに、様々な役割で生きる多角的な「わたし」が感じる「普通」とは一体何なのかについて、村上先生のお話とともに、発達障害についての理解を深め、考える時間になると嬉しいです。

【村上由美先生の経歴】
●上智大学文学部心理学科、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院聴能言語専門職員養成課程卒業。
●卒業後、2年間総合病院及び保健センターで非常勤→常勤で重症心身障害児施設の外来部門において、発達障害児及び肢体不自由児の言語聴覚療法や発達相談業務に従事。
●現在はフリーで活動。原稿執筆、発育・発達相談業務、セミナーや講演などを行う。
【 著書 】
・『声と話し方のトレーニング』(平凡社新書)
・『アスペルガーの館』(講談社)
・『ことばの発達が気になるお子さんの相談室』(明石書店)
・『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』(翔泳社) ほか

お申し込みはコチラです↓↓↓

3  カサンドラ症候群の【回復プロセスの9ステージ】

前回少し触れました、カサンドラさん達の「回復プロセスの9ステージ」についてアメブロにまとめました。

先日、学会の下部組織の研究会で発表をさせていただきました。出席者の方からのご質問が多く、関心を持っていただけてとても嬉しく思いました。ようやく学問としてカサンドラ症候群を研究する試みが始まりました。

もう一度、ステージをご紹介します。
(神田裕子、2021臨床発達障害研究会)

ステージ① ハネムーン期
ステージ② 衝突期
ステージ③ 豹変期
ステージ④ くれない期
ステージ⑤ コンフリクト・ディストレス期
ステージ⑥ 気づき(awareness)期
ステージ⑦ リサーチ期
ステージ⑧ 回復期
ステージ⑨ 選択・決断期

アメブロとは別の方の例で説明しましょう。

①ハネムーン期
Aさんの交際した相手は自閉スペクトラム症(ASD)の尊大型であろうと思われます。積極的でリーダーシップがあり、行動も活発です。周囲からは頼りがいのある人と思われていました。Aさんは、少しずつ惹かれていきました。でもいつも彼の周りには女性がたくさんいて、キャンプや飲み会があっても嫉妬するばかりで進展しませんでした。

でも、皆でお花見に行った時のことです。彼が近くに座ったので、お弁当のおかずを差し出して甲斐甲斐しく世話をしていました。彼はそんな彼女を家庭的な人だと判断し、仲良くなりました。そう、彼は家庭の愛情に飢えていたのです。その背景には複雑な生い立ちがあります。

② 衝突期
彼から交際を申し込まれ付き合い始めたのですが、相変わらず他の女性と連れ立っているところを見かけます。友達だとは言うものの、何となく腑に落ちません。彼を問い詰めるようになり、大ゲンカ!

③ 豹変期
次の日から彼の態度が豹変しました。まったく口を利かなくなり挨拶もしません。メールやラインはこちらから出さない限り、返ってきません。Aさんは急にどこかへ放り出されたような気持ちになりふさぎ込みました。

④くれない期を経て⑤コンフリクト・ディストレス期
それから、しばらくの間実家に戻って養生しました。母親が「蜂に刺されたと思ってもう諦めなさい」と言うのですが、諦められません。好きでいたい自分がいる一方で、彼の心変わりを思い出すと不安は募ります。そんな葛藤をいつまでも繰り返していました。夜も眠れず、悶々とする日が続きます。とうとう精神科へ行って、睡眠薬を処方してもらいました。

⑥気づき(awareness)期と⑦リサーチ期
ある日のこと、インターネットで「カサンドラ症候群」を知ります。それから必死に調べました。自分がそうだったのか・・と気づくと、何となくホッとしました。それは、彼の取る態度が発達障害によるものだとわかったからです。原因がわかれば対処方法はあると考えたのです。

⑧回復期を経て⑨選択・決断期へ
発達障害やカサンドラ症候群について理解するにつれ、これは大変なことだと感じ始めました。この人と結婚したら、一生私がサポートしなくてはいけない・・では、私をサポートしてくれるのは誰なの?とAさんは思いました。インターネットを見ても、カサンドラの人はほとんど離婚していて、幸せそうに見えません。恋愛から学んだことは良い経験だったと思いますし、彼自身についても悪い人だとは思えません。でも彼女が選んだのは、別離の道でした。「まだ私は将来の可能性を捨てたくないのです」と言ったのが印象的でした。

もっと周りを見渡すなら、自閉スペクトラム症のパートナーとうまく結婚生活を送っている人がたくさんいることに気づかれたことでしょう。でも、それは彼女自身の選択と決断です。他の人がとやかく言うことではありません。心機一転、彼女は新生活をスタートさせました。

以上、9つのステージに沿って出会いから別れまでを解説しました。

私の考えでは、恋愛と結婚は少し選択・決断のステージでは違います。戸籍または結婚の事実は、強烈にまたはゆるやかに人を拘束します。簡単に離婚したくない、せっかく縁があって結婚したのだから簡単に別れたくない、子どもへの影響を考える、経済的に今は難しい・・など、様々な事情によって離婚を躊躇します。でも恋愛にはそれらがありません。次に付き合うなら発達障害ではない人がいい、と未来に夢を見ます。その中には、次の恋愛相手も発達障害のある人だった・・という例も少なくありません。

基本的にそういう人が”好み”なのです。もう少し掘り下げて言うなら、”好み”には親子関係や自分自身の劣等感などが関係してきます。それを分析・認識しておかないと、人生や恋愛では同じことを繰り返すのです。

私は、発達障害のある人との恋愛や結婚にも、相性のようなものが関係すると考えています。つまり、愛着障害やパーソナリティ障害、発達障害があっても、お互いに補い合える相性というものが存在するのです。それが見事に合致するなら、長い人生、ともに歩くことはできます。そう・・まるでジグソーパズルのピースがうまくはまるように。もちろん、その際にお互いの歩み寄りとポジティブな諦めと、努力が必要なのは一般的な恋愛や結婚と同じです。




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