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【連載エッセイ】神様に会いにいく

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古事記の神様の物語をひもときながら、京都の神社をめぐるエッセイです。※2016年から約1年間ウェブマガジンKosmagで連載していたエッセイの再掲載です。
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2020年9月の記事一覧

神様に会いにいく Vol.12 オオヤマツミ神(梅宮大社)

神様に会いにいく Vol.12 オオヤマツミ神(梅宮大社)

※この記事は2016年12月に書いたものです。

突然ですが、わたくし、香港旅行に行ってきました。

香港の人々は、見た目は日本人とそんなに違わないけれど、言葉や文化や食生活がいろいろ違う。でも、どこの国にも神様がいて、大切に祀ってお願い事をしたりするのは一緒だなと思った。

香港の寺院では長いお線香を大量に焚いてお供えしていた。
原色なのに悪趣味ではない、不思議な配色。日本の神社とよく似た狛犬が

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神様に会いにいく vol.13 ヒコホホデミ尊(火尊天満宮)

神様に会いにいく vol.13 ヒコホホデミ尊(火尊天満宮)

※この記事は2016年12月に書いたものです。

本日の主役は、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの息子「彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)」です。

vol.11で紹介したこの夫婦は後に天皇の系譜につながっていくためエピソードもなかなか豊富です。

ニニギと結婚したコノハナサクヤヒメは子を宿すのですが、一夜でみごもったため、「本当に俺の子か? 他の神の子じゃないのか」とニニギに疑われてしまいま

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神様に会いにいく Vol.14アメノオシホミミ尊(許波多神社:木幡)

神様に会いにいく Vol.14アメノオシホミミ尊(許波多神社:木幡)

※この記事は2016年12月に書いたものです。

前回はニニギの息子、海彦山彦のエピソードを紹介しましたが、話を少し遡り、今回はニニギの父・アメノオシホミミが主役です。

というのも、ニニギ尊がアマテラス様の孫ということはわかったけれど、ニニギ尊のエピソードを知れば知るほど親の顔が見てみたいという気持ちになりまして、調べたら、天之忍穂耳(アメノオシホミミ)尊という神様がお父さんでした。

つまり、

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神様に会いにいく Vol.15 神様に会いにいってわかったこと

神様に会いにいく Vol.15 神様に会いにいってわかったこと

※この記事は2016年12月末に書かれたものです。

早いもので、2016年最後の連載になりました。

連載が始まったのが2016年9月6日。そこから4カ月も経っていないのに、ずいぶん遠くまで旅をしたという感じがする。何年も海外旅行に行ってあちこちの諸国をめぐって帰ってきたような気分なのです。

実際に、12社の神社を回り、それ以上の神様に会ってきたわけだから、訪れた場所は結構多い。

いろんな発

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神様に会いにいく vol.16 アメノオシホミミ尊ふたたび(許波多神社:五ヶ庄)

神様に会いにいく vol.16 アメノオシホミミ尊ふたたび(許波多神社:五ヶ庄)

※この記事は2017年1月に書いたもの…を再現しようと試みたものです。

ま、またしても原稿消失してしまっていました。vol.16のファイルにvol.17の記事を上書きしていたみたいでね…。はあ。というわけで、写真だけは残っているので記憶をたどりながら2020年のわたしがvol.16の再現を試みます。

vol.14でアマテラスの息子神アメノオシホミミに会いに許波多神社を訪れましたが、実は同じ名前

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神様に会いにいく Vol.17 スサノオ命の娘神たち(宗像神社)

神様に会いにいく Vol.17 スサノオ命の娘神たち(宗像神社)

※この記事は2017年1月に書かれたものです。

vol.14とvol.16では、アマテラスとスサノオの姉弟対決で生まれたアメノオシホミミを紹介しました。このとき、アマテラスのほうには息子神が五柱、スサノオには娘神三柱が誕生したわけですが、今回はスサノオの娘神たちに会いにいってきます。

スサノオの娘神たちは、

多紀理毘売命(タキリビメのみこと)
市寸島比売命(イチキシマヒメのみこと)
多岐都比

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神様に会いにいく Vol.18 ウガヤフキアエズ尊と三柱鳥居(木嶋坐天照御魂神社)

神様に会いにいく Vol.18 ウガヤフキアエズ尊と三柱鳥居(木嶋坐天照御魂神社)

※この原稿は2017年1月に書いたものです。

どうもー、寒竹です。

いやいや、毎日毎日寒いですね。
(※自撮り写真がいつも同じパターンになるので模索中です)

今回は粉雪が散らついている中、こちらの神社にやってきました。

木嶋坐天照御魂神社。このしまに、ます、あまてるみたま、じんじゃ、と読みます。通称は木嶋神社。蚕の社(かいこのやしろ)とも呼ばれています。

どうせ顔しか写らないし、と思って

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神様に会いにいく vol.19 豊玉姫命(大歳神社)

神様に会いにいく vol.19 豊玉姫命(大歳神社)

※この記事は2017年2月に書いたものです。

前回vol.18では、山幸彦の息子ウガヤフキアエズ尊に会いにいきましたが、今回は山幸彦の妻でウガヤフキアエズの母、豊玉姫(トヨタマヒメ)に会いにいくことにしました。

兄の釣り針を探しにきた山幸彦に一目ぼれした海神の娘・トヨタマヒメ。2柱は結婚し、トヨタマヒメのお腹には子が宿りました。高貴な血筋の子を海の中で産むわけにはいかないと地上で出産することに

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神様に会いにいく vol.20 物語と現実がつながる場所(平安神宮)

神様に会いにいく vol.20 物語と現実がつながる場所(平安神宮)

※この記事は2017年2月に書きました。

月に一度は平安神宮の大鳥居を見ている気がする。ときどき乗るバスが鳥居をくぐりぬけていくし、この場所には府立図書館や美術館や動物園もあるし、イベントが開催される大きな会館もある。

平安神宮といえば時代まつりで有名で、しかもメジャーな観光地。わたしも何度かお参りしたことあるし、平安神宮で行われた結婚式にも出席したことがある。それなのに、どんな神様が祀られて

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神様に会いにいく vol.21 アメノホヒ命(天穂日命神社)

神様に会いにいく vol.21 アメノホヒ命(天穂日命神社)

※この原稿は2017年2月に書きました。

今回会いに行ったのは「アメノホヒ命」。アメノホシホミミ尊の弟神です。

アメノホシホミミ尊って誰だっけ・・・と思った人はvol.16の許波多神社の回をご覧あれ。

ざっくり説明すると、アマテラスとスサノオの対決でアマテラスには5柱の息子神が生まれましたが、長男がアメノホシホミミ。そして次男が今回会いにいくアメノホヒなのです。

神話の中には3つの国が登場

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神様に会いにいく Vol.22 ふたたびスサノオ尊(八坂神社)

神様に会いにいく Vol.22 ふたたびスサノオ尊(八坂神社)

※この記事は2017年2月に書きました。

京都の町の中心を東西に横切る四条通。地下鉄駅のある四条烏丸はオフィス街で、そこから東に歩いていくとショッピングする人たちでにぎやかな河原町、さらに東に向かうと鴨川が見えてくる。

鴨川を渡ると雰囲気ががらりと変わる。祇園だ。祇園は舞妓さんがいる花街や、歌舞伎の劇場である南座、石畳の小道など京都らしくて観光客に大人気の町。

祇園四条の入り口には、こんな石

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神様に会いにいく Vol.23 大国主命(大国主社 ※八坂神社の末社)

神様に会いにいく Vol.23 大国主命(大国主社 ※八坂神社の末社)

※この記事は2017年2月に書きました。

八坂神社には何度もお参りに来たことがあるけれど、どんな神様が祀られているかなんて気にしたことがなかったし、本殿以外の末社にお参りすることもなかった。でもこうして物語を紐解いていくと、話題の中心になっている神々が集結している。いくら語っても語り足りない。

これは「十社」です。十の祠をまとめた神様のアパートみたいなところ。ここに17柱いらっしゃいます。

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