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イントレランスの時代

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RKB毎日放送2020年製作のドキュメンタリー『イントレランスの時代』に関係するマガジンです。 障害者など45人を殺傷したやまゆり園事件の植松聖被告との対話をメインに、ヘイトスピ…
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記事一覧

『イントレランスの時代』ある大学生の感想①

『イントレランスの時代』ある大学生の感想①

ネットで公開しているRKBのドキュメンタリー『イントレランスの時代』を、知人が大学の講義で学生さんに見せたそうです。

寄せられた感想のうち、ある1年生からの文章を私に寄せてくれました。

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この動画の内容全てが、私が知らない世の中でした。すごく怖くて、思わず涙が出てきました。「憎悪と不寛容」は「人間愛と慈愛を妨げる」。深く考えてみれば、理解できる文章です。

意思疎通ができな

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ABU賞 入賞記念 ドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』文字起こし

ABU賞 入賞記念 ドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』文字起こし

RKB毎日放送・TBSラジオ 共同制作
2019年3月放送(本編59分)

ABU賞    審査員特別賞
放送文化基金賞 最優秀賞
早稲田ジャーナリズム大賞 奨励賞
文化庁芸術祭賞 優秀賞
日本民間放送連盟賞 優秀賞
ギャラクシー賞 奨励賞

ABU賞は、70を超える国や地域の放送局などが加盟するABU(アジア太平洋放送連合)が主催する国際コンテストで、授賞式は「アジアの放送番組の祭典」と言われま

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「江戸しぐさ」と歴史修正主義

「江戸しぐさ」と歴史修正主義

うさん臭い「江戸しぐさ」

10年以上前、「江戸しぐさ」の勉強会があると新聞のイベント欄に載っていたので、行ってみた。集まりは悪く、主宰者の女性がいただけで、2人でじっくり話し込んだ。

「江戸ことば」を学んでいたぼくは、「江戸の文化は面白いですよね」と言い、最初は盛り上がったのだが、女性の話しぶりからは、しっかり学問的に学んできた形跡は感じられなかった。聞いたことのない風俗がたくさん出てくるが、

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やまゆり園4年でRKBラジオ(1)

やまゆり園4年でRKBラジオ(1)

RKB毎日放送のラジオ「ウィ・ラブ・ヒューマン」で、今日8月17日からから5回、やまゆり園事件について語ります。
5分番組×5回です。

第1回はこちら。
http://radiko.jp/#!/ts/RKB/20200817172500

やまゆり園事件4年でRKBラジオ(2)

やまゆり園事件4年でRKBラジオ(2)

やまゆり園事件の取材体験を語った、RKBラジオ『ウィ・ラブ・ヒューマン」(2)です。
今週月曜~金曜午後5時25分、5分のミニ番組で全5回です。

下田文代さんと話しました。

雨宮処凛さんと語る、植松聖

雨宮処凛さんと語る、植松聖

作家の雨宮処凛(あまみや・かりん)さんが、やまゆり園事件について6人と対談した内容をまとめた、大月書店『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』。
第1章、最初の対談相手に、私を選んでくれました。
2章以降、専門家たちがどんどんすごくなる。
私の役割は、露払いのようなものです。
ぜひ読んでほしい本です。
対談は一部がnoteで公開されていますので、リンク先をご覧ください。

この対談の後

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「イントレランスの時代」に 障害者殺傷事件から考える

「イントレランスの時代」に 障害者殺傷事件から考える

 やまゆり園事件について雑誌『調査情報』に寄稿した5回目は、2020年5ー6月号。テレビドキュメンタリー『イントレランスの時代』を完成させる作業と同時のことでした。

 (1)「憎悪」は笑顔の形で現れた
     2016年
 (2)殺人実行者との対話 記者として、障害児の父として
     前編 2018年
 (3)殺人実行者との対話 記者として、障害児の父として
     後編 2018年
 

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進む歴史の改ざん 小池さん、東京都はこれでいいの?

進む歴史の改ざん 小池さん、東京都はこれでいいの?

しめやかな弔いの場 フェイク雑言で汚される去年9月1日、東京都慰霊堂の横に私はいました。関東大震災後の混乱の中、虐殺された朝鮮人を弔う追悼式典の撮影でした。
半島にルーツを持つ人、「虐殺を二度と繰り返さない」と霊前に誓う日本の人たち。しめやかな追悼の集いでした。

そこに、トランジスタメガホンの「音」でかき乱してくる人たちがいました。
「負の歴史ばかりを強調し、日本人に反省を強いる歴史観を、未来の

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「圧倒的」「社会の底流をあぶり出す」 コンテスト審査の講評

「圧倒的」「社会の底流をあぶり出す」 コンテスト審査の講評

日本民間放送連盟賞は、全国7つの地区審査で、報道・教養・エンタメ各分門の最優秀となった3作品が、中央審査に臨みます。

先日、九州・沖縄地区でWEB審査が行われました。RKBのTVドキュメンタリー『イントレランスの時代』は、地区で報道番組の最優秀賞に選ばれました。「イントレランス」とは「不寛容」という意味で、1916年公開のサイレント映画の題名でもあります。
昨年の連盟賞では、ラジオドキュメンタリ

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誰もが心の奥底に持っている「不寛容のナイフ」とは ―― ポスト・コロナを考えるTVドキュメンタリー

誰もが心の奥底に持っている「不寛容のナイフ」とは ―― ポスト・コロナを考えるTVドキュメンタリー

RKB毎日放送でOAした『イントレランスの時代』(2020年5月29日、本編57分、CM3分)の番組解説です。

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神奈川県の障害者施設・津久井やまゆり園で45人を殺傷した植松聖被告(当時26歳)と、記者の私は接見を続けてきました。私は、障害を持つ子の父でもあります。植松被告は、「息子さんは、幼いうちに安楽死させるべきでした」と言い放ちました。

接見を重ねる中で、平凡な青

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知人による、ドキュメンタリー『イントレランスの時代』評

知人による、ドキュメンタリー『イントレランスの時代』評

知人(と言ってもSNS上であって、リアルにお会いしたことはない)が、僕の制作したテレビドキュメンタリーについて、noteでも書いてくれていました。今さら気付いてごめんなさい。ありがとうございます。