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障害者の妹と猫

数年前わたしは、
たまたま目も開いてない子猫を保護することがあり、
何ヶ月間か、生まれて初めての子育てをすることになった

4匹で発見した子猫は
その場ですでに1匹が息絶えており、
残った3匹を連れて帰って、おっかなびっくりの育児が始まった

2日後、特に身体の小さかった1匹が
私の手の中で亡くなった

残った2匹をもう絶対に死なせないと
私は躍起になった

ミルクをあげる哺乳瓶の衛生状態にさえ神経質になり、

室温管理、ミルクの時間、排泄のケア…

ネットで調べながら
出来る限り律儀にがんばった

なのに子猫はしょっちゅう体調を崩して
その度にわたしは動物病院へ走った

泣きながら電話したこともある

そんなある日わたしは些細なことで
爆発した

それくらい、体力的に精神的に追い詰められていたのだ
自分でも気付かないくらいに

そしてある人に言われた

「その心配というか不安が、子猫の体調に影響を与えてる。」

大ショックだった
心配で心配でよかれと思って頑張ってたのに
むしろ猫達を苦しめてたとは

その時に頭に浮かんだのが
わたしの妹だった

妹には知的と発達、肢体の障害があり、
普通の人が当たり前に出来ることが出来ず、そして時に多大なトラブルを引き起こす事もあった

そんな妹の家にいた猫が以前、子猫を産んだとき、
わたしが里親探しを手伝ったのだが、
考えてみたら妹は、人並みのことさえろくに出来ないにも関わらず、
立派に6匹もの子猫を、死なせずに育て上げたのだ

『物事や生き物は、手をかけるほど、うまくいかなくなる』
ということを
わたしはその事で学んだ、というシンプルなお話。

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