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7月の読書②📖~マカン・マランシリーズ~

マカン・マランとの出会い

読書レビューで好評価だったので手に取ってみたら…心にグっと刺さる言葉が物語の中に散りばめられていて、私にとって大切な本になりました。

あらすじ

元エリートサラリーマンにして、今はド派手なドラァグクイーンのシャールさんが夜だけ開店するお店、マカンマランで創る夜食が人の心を解きほぐしていく物語。そして、出てくるメニューがとにかく美味しそう。疲れた心を癒してくれる物語🍴😋🍴

登場人物

マカンマランには、とにかくいろんなお客さんがくる。シャールさん達は、す誰のことも否定せずに優しく受け入れ話を聞く。マカンマランは、今流行りの《多様性》を体現したような場所だな、と思う。
訪れるお客さん達は皆、壁にぶつかり、生きることに疲れていたりする人達。彼らが抱える悩みは自分にも当てはまるものがあって、共感しながら読み進めていた。だからこそ、シャールさんがお客さん達にかける言葉のひとつひとつが重く響くんだと思う。
レギュラーで登場するドラッグクイーン達のキャラは強烈だけど、彼らの言葉はまっすぐでそして優しい。常連の柳田先生とシャールさん、ドラァグクイーン達のやりとりはいつも軽快で読みながらついつい笑ってしまい、心が和む☺️

登場するメニューたち

《1巻》

🍴「春のキャセロール」
早期退職者候補になった仕事一筋の40代キャリア女性へ。
🍴「金のお米パン」
手料理を食べなくなった中学生男子へ。
🍴世界で1番女王なサラダ」
仕事に夢を見られない、20代のライターへ。
🍴「大晦日のアドベントスープ」
病を抱え、倒れてしまったシャールへ。彼女に助けられた人々が素材を持ち込み、想いを煮込む

《2巻》

🍴蒸しケーキのトライフル」
〈擬態〉が得意なランチ鬱の派遣社員へ。
🍴梅雨の晴れ間の竜田揚げ」
夢を追うことを諦めた二十代の漫画家アシスタントに。
🍴秋の夜長のトルコライス」
子供の発育に悩み、頑張り続ける専業主婦へ。
🍴再生のうどん」
親子のあり方に悩む柳田とシャールへ。それぞれの結論を添えて

《3巻》

🍴「妬みの苺シロップ」
自分は不幸だと思いこむフリーターへ。
🍴「藪入りのジュンサイ冷や麦」
世界一のレストランで修業した若き料理人へ。
🍴「風と火のスープカレー」
離婚式を開くことになった仮面夫婦の奥様へ。
🍴「クリスマスのタルト・タタン」
自分の「終わり」を見据える老婦人へ。

《4巻》

🍴「さくらんぼティラミスのエール」
"ぼっち"に怯える女子高生へ。
🍴「幻惑のキャロットケーキ」
時代の最先端をひっぱるイケメン料理人へ。
🍴「追憶のたまごスープ」
トロフィーワイフの立場に固執する若奥様へ。
🍴「旅立ちのガレット・デ・ロワ」
お店を訪ねてきた美青年へシャールが渡すプレゼント

最後に

今夜もきっと、マカンマランは明かりを灯してお客さんを待っているんだろう。シリーズは最終巻を迎えたけれど、きとまたシャールさんや、ジャダさん達に会える気がしてる。

【なにかを失いながら明確な答えのない毎日を懸命に生きている我々はそれだけで勇敢だ】
シャールさん達から貰った優しい言葉達を胸に。明日からも、もがきながら勇敢に生きてみせようと思う。