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【ディスクレビュー】2023年長瀬有花リリース楽曲について

本記事はRIOT MUSICアドベントカレンダーに寄稿したものです。
その他詳細はこちらから。

こんにちは!
RIOT MUSICアドベントカレンダーに寄稿するのは2年目になります。
今年も推しである長瀬有花さんについて語ります。

……といっても、2023年の長瀬有花さんの網羅的な記事はストライカーさんが既に書かれていますので、私からは音楽的なもの――2023年にリリースされた長瀬有花さんの楽曲について語ります。

~長瀬有花を知らない人向けのプロフィール~

長瀬有花(ながせゆか) 2次元(Digital)と3次元(Physical)の両軸で活動する“だつりょく系アーティスト"。 3DCGやイラストレーションで構成されるバーチャルアーティストとしての姿と現実世界(実写)でのリアルアーティストとしての姿を持ち活動の媒体によって自身の露出する形態・表現手法を使い分ける。 2023年8月、初のワンマンライブ「Eureka」を恵比寿LIQUIDROOMにて開催。現地チケットは事前完売で満員、 3次元の姿も用いたパフォーマンスは業界でも話題のライブとなる。 2023年9月には初タイアップ楽曲 「むじゃきなきもち」をリリース。チロルチョコの人気商品「きなこもち」20周年を記念した楽曲となり、TikTokでは100万回以上再生されている。 同じく2023年9月月、ミニアルバム 「Launchvox」をリリース。 「パソコン音楽クラブ」「mekakushe」「笹川真生」「いよわ」 「ウ山あまね」など新進気鋭のアーティストが多数参加した作品となっており、バーチャルアーティストの枠を超えた評価を獲得している。

Spotifyプロフィールより

2023年の長瀬有花さんの楽曲について

長瀬有花さんは楽曲のリリースが非常に多く、そのジャンルも多彩です。

今年リリースされた楽曲数は21曲(OACL含む)に上り、DL、サブスク、CD、レコードとデジタル・フィジカル問わずリリース方法も多様で、彼女の在り方と同様、様々な媒体を通して"長瀬有花"の音楽を伝えています。

今年の長瀬有花さんの音楽は大きく4つに大別できるでしょう。

① 6ヶ月連続デジタルリリース
昨年から発表された6ヶ月連続デジタルリリースの楽曲群たち。
「白昼避行」~「ほんの感想」まで続き、一部はアルバム「Launch Box」に収録されています。

② OACL
捨てアカ主宰〈Local Visions〉とのコラボで作成されたアルバム。
ヴェイパーウェイヴ(Vaporwave)以降の新しいポップミュージックを志向し、様々な挑戦がされているアルバムです。

③ Launch Box
初の全国流通盤となったミニアルバム。
6ヶ月連続デジタルリリース企画においてリリースされた楽曲を中心にワンマンライブ「Eureka」で披露された楽曲を収録。お弁当箱のように多様なジャンルを収録したミニアルバムです。

④ その他
長瀬有花さんが大好きなチロルチョコとのコラボ「むじゃきなきもち」やAiobahnさんの楽曲に参加した曲である「宙でおやすみ」等です。

① 6ヶ月連続デジタルリリース

今年の一番のトピックが初のワンマンライブ「エウレカ」だとしたら、6ヶ月連続デジタルリリースは「エウレカ」に向けて長瀬有花さんのライブを彩った楽曲でしょう。どの楽曲も特徴的でありつつも、長瀬有花らしさを残している(どころか強めている)楽曲群です。

第1弾「白昼避行」

白昼避行はショート版が既に公開されていた楽曲。テクノ・ポップのメロディにリズムカルなビートが載せられており、軽快なダンスチューンになっています。ライブの始まりを告げるのに相応しい曲で「エウレカ」でも3番目に披露されました。

第2弾「やがてクラシック」

連続リリース楽曲群の中で個人的に一番好きな楽曲。
どこか懐かしい雰囲気に包まれた楽曲で、サビに向かっていくメロディの勢いと高揚感が素晴らしいと思います。作曲は「宇宙遊泳」も作曲したmekakusheさんで、長瀬有花さんのウィスパーボイスがとても魅力的な一曲です。

第3弾「アーティフィシャル・アイデンティティ

本楽曲は歌声の輪郭がすっきりとしている印象で、そこに幼い声が混じって神秘的な空気感を醸し出しています。この楽曲もライブで輝くような曲で、リズミカルな音楽に掛け声のパートが挟まり、ライブでの高揚感を高めてくれます。レビューの通り、「エウレカ」での印象が非常に強い一曲です。可愛らしくダンスを踊っている長瀬有花さんの姿が目に浮かびます。

第4弾「プラネタリネア」

第4弾として発表された「プラネタリネア」はコンセプトライブ「FormⅡ」で先行披露された楽曲。
難解なメロディと譜割りを歌いこなす長瀬有花さんに驚くばかりです。最後に挟まるギターソロも自由活発な印象で哀愁とかっこよさを共存させています。

第5弾「アフターユ」

長瀬有花さんが言っているように、様々な要素が合わさった楽曲です。
ウ山あまねらしいエッジの効いたサウンドと長瀬有花さんの幼い声のギャップが耳に残ります。忙しい日常の中でちょっと休んで景色を見たくなる、騒がしい世界の中に落ち着ける場所をみつける、そう思わせてくれる楽曲です。

第6弾「ほんの感想」

「オレンジスケール」で楽曲提供を受けてから何かとご縁があるいよわさんから頂いた楽曲。変拍子と譜割りが凄い楽曲で、これを歌いこなす長瀬有花さんの力量に驚きます。「エウレカ」のライブパートも本当に凄かった。
なんであれを演奏できるんですか……
変拍子の詳細はヤンさんのnoteをどうぞ。耳に引っかかる難解なリズムをあえて作り出せるいよわさんはやはり天才だと思う楽曲でした。

② OACL

OACLは、捨てアカ主宰〈Local Visions〉とコラボして生まれた楽曲群。
ポスト・ヴェイパーウェイヴ以降の楽曲を問う、というコンセプトをもつレーベル「Local Visions」らしく、楽曲のジャンルが多数に渡り、長瀬有花さんのボーカルと絶妙なハーモニーを交わしています。

このアルバムの中では長瀬有花さんも様々な表現に挑戦しており、0年代のようなポップスから、オートチューンのかかったニューエイジまで幅広い曲が収録されています。
また、それであるにも関わらず、アルバム全体を通して聞くと、ゴチャ付いた印象はなく、不思議とまとまりを感じるのが凄いところです。

本作は、レコードが販売されたことも大きな特徴だと思います。
かねてから平成レトロを自身のアイデンティティとしてきた長瀬有花さんがレコードを販売するのはファンとして大きな喜びがありました。

ディスクユニオン

③ Launch Box

6ヶ月連続リリースの楽曲に加え、「エウレカ」で披露された楽曲を加えたミニ・アルバム。
本アルバムのトラックメイカーは「パソコン音楽クラブ」、「ウ山あまね」、「笹川真生・mekakushe」と新気鋭のトラックメイカーが名を連ねており、楽曲群のバラエティーも多種多様で聴き応えのあるアルバムとなっています。
本アルバムは初の全国流通盤となり、全国のタワーレコードを初めとするCDショップで販売されました。また、渋谷のタワーレコードでリリースイベントも開催され、アルバム制作に関する裏話等も聞くことができ、ファンとして非常に思い出深いアルバムとなりました。

④ その他

これら主となるアルバムのリリースに加え、その他の単発楽曲でも大きな印象を残しているのが今年の長瀬有花さんの凄いところです。

まず、取り上げたい楽曲は3月にリリースされたAiobann作曲、にゃるら作詞の「宙でおやすみ」。

ちょうどINTERNET YAMEROが流行っている中でリリースされたため注目度も高く、長瀬有花歌唱曲の中でも高い再生数を維持しています。
落ち着くピアノとメロディにAiobahnらしいサビが仕込まれていて私が好きな楽曲の一つです。
2トラック目には長瀬有花自身の弾き語りが収録されており、いつものたれながせに近い雰囲気を感じさせます。弾き語りが収録されていることもとても良いですよね……

次にチロルチョコ "きなこもち" 20周年記念テーマソング として発表された「むじゃきなきもち」。

タカハシ・サキさん制作のMVがとても可愛らしく、特にソクラテスさんの表情が個人的にはツボです。そこにcat napさんらしい不思議でかわいい歌詞と曲が合わさり、長瀬有花さんの可愛らしさを最大限引き出しています。
長瀬有花さんとチロルチョコの関係について知らない方向けに補足すると、長瀬有花さんは毎週月曜日の配信「たれながせ」の冒頭でチロルチョコを毎回食べており、大のチロルチョコ包み紙収集家でもあります。
また、年初の誕生日番組「ワールドナガーセ」にもチロルチョコの見学を行っており、少しづつ縁を深めてきました。

この楽曲では、特設サイトも開設され、そこで長瀬有花さんの嬉しそうなコメントも見ることができます。
ここで「人生のゴールに辿り着いた感がありました(笑)」と言っていますが、このコラボはファンとしても楽しそうな様子が伝わってきて感無量でした。

まとめ

以上、2023年の長瀬有花さんの楽曲の振り返りでした。
本当に今年は多くの楽曲がリリースされましたね……
昨年末に「2023年はジャンプの年にしたい」と言っていましたが、大きく飛躍した年になったと思います。
楽曲に関して注目する点は、これから伸びるであろう新気鋭のトラックメイカー陣と多くの楽曲を制作したところでしょうか。
最前線で活動しているトラックメイカーではなく、新しい音楽に挑戦しているトラックメイカーと組むのが長瀬有花さんらしいように思います。

そして、音楽ジャンルの幅が広いことが何より凄い。
長瀬有花さんの歌声はよく「ウィスパーボイス」や「あどけなさの残る声」と表現されますが、2023年を振り返ってみて、その声に囚われず、様々なジャンルのボーカルを務めていることが印象的でした。

2024年はどのような年になるのでしょうか……
既にライブが4本(DOUBLE: 、MOTTO MUSIC 2nd LIVE 『FUTURE』、SANRIO Virtual Festival 2024 in Sanrio Puroland、ワンマンライブ “放電”)が決まっており、ますます人気になっていく長瀬有花さん。

ライブを多くやってくれるのは本当に嬉しい!
3月のワンマンライブと今後の活躍が本当に楽しみです!


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