かなた

詩を書いてみることにしました。双極性障害。 日々を必死に生き、時には死の前に横たわる。

かなた

詩を書いてみることにしました。双極性障害。 日々を必死に生き、時には死の前に横たわる。

最近の記事

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ある日私は、赤い花を見つけました。 それに触れると、私の肌は真っ赤に染まりました。 それがすごく綺麗でした。 色んな花に触って、自分の肌の色を変えていきました。 そして、黒い花を見つけました。 黒い花なんて見たことない。 私は興味津々でそれに触れました。 世界がぐにゃりと曲がり 視覚と聴覚がごちゃ混ぜになったような 不思議な感覚がありました。 それはすぐに終わってしまって、肌も黒くなりませんでした。 でも、またあの感覚を味わいたくて、 私は何度も何度も

    • 桜が嫌いだ

      散った桜の花弁をそっと手に取る。 それは少し土に汚れていて、破れていた。 綺麗なものもやがてはこうやって汚く薄汚れていくのだなぁと悲しくなりながら 私はその花弁をそっと下の位置に戻して 足で思い切り踏み潰した。

      • ひと

        そのひとは、手と足以外がなかった。 そのひとは、私のことを気にかけてくれているようだった。 ぽん、と置かれる手。 私の頭を撫でる。 大丈夫だよ、大丈夫だよ、と言ってくれる。 その手が暖かくて、同時にきゅうと心が締め付けられる。 このひとは…

        • 雨宿り

          雨宿り 君の白い肌に滴る水 少し透けたシャツ   雨宿り あなたの頬を流れる涙 少し濡れたズボン 雨宿り  2人が抱きしめ合う姿  そばに置かれた傘

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          綺麗な人

          散歩をしていると、 藍色の着物を着た人がやってきて、私に尋ねた。 「そこのあなた、私、行きたいところがあるの。 連れていってくれない?」 それはどこだと聞いたが、どうもわからないらしい。  私は首を傾げつつ、歩き始めた。 行く途中は、他愛のない話をした。 この街のこと、好きなこと、家族のこと… でも、彼女は、私に何も語らなかった。 私の話を聞いて、楽しそうに頷くだけ。 何か事情があるのだろう、とは思うけれど やっぱり聞きたくて、聞いてしまった。 「何処

          綺麗な人

          典型的な人間の戯言

          部屋を見渡す。 服やら書類やらお菓子のゴミやら 様々なものが散乱している。 ここ最近、ずっと調子が悪い。 やるべきことは山程あるのに 何も出来ないでいる。 Twitterのタイムラインを見る。 何の面白みもない、何の価値もない時間を過ごす。 明日なんて来なければいい。 こんな辛い日々送って何になるのだろうか。 死にたい。と、呟く。 寝たくても眠れない時がある。 目を閉じても一向に意識は消えず 逆にぱっちりと目が開いてしまう。 天井を見つめてもどうに

          典型的な人間の戯言

          海が私を包み込む

          さらさらの砂を踏みしめて歩いている。 私は感覚を研ぎ澄ませる。 ざばーん、ざばーんと寄せては返す波。 少し塩の匂いが混じった風。 怖くなるほどに蒼く澄み渡る空。 海が私を包み込む。 私も海になる。 また、砂をぐっ、ぐっと踏みしめる。 自分を限界までなくして 空っぽにして 歩いていく。 私の心は消滅する。 空気になったように ふわふわと漂う。 やがて、何処かに着いた。 これが目的だったような気がする。 近寄ると、それはお墓だった。 何が書かれて

          海が私を包み込む

          夜。 一人で夜道を歩いていた。 ぽつんと立つ電灯が 私の頬を照らしていた。 道の向こうから音がする。 ぺたぺたという音が、私の前で止まる。 それはじいっと私を見つめて 私に触れた。 不思議と怖さは感じなかった。 8月の夜は蒸し暑くて、 その冷たい感触が心地よかった。 それは私が自分を怖がらないのが嬉しかったのか ぺた、ぺたとはねた。 それは私に何かを渡して またぺたぺたと去っていった。 それは小さな小さな鍵。 私が無くしたテーブルの引き出しの鍵

          さいごのさいご

          この世界ははじまりとおわりでできている はじまったら、必ずおわる。 でも、一つだけ例外がある。 死ぬということ。 死は全ての終着点。 おわったその瞬間、永遠にはじまりは訪れない。 死んだという事実は、何百年経っても変わらない。 自分が自分として生き返ることは二度とない。 この世界ではないところ。 皆そこに心惹かれるのは 唯一の永遠を求めているから。 絶対的なおわりを求めているから。 さぁ、手を繋ぎ 一緒にいこう さいごのさいごへ

          さいごのさいご

          目を閉じる。 鳥のさえずり、 エアコンの音、 つけっぱなしのテレビから流れるニュース この世界は音で溢れている 目を閉じるからこそ 見えるものもあるのだと 私は眠る 果てしない永遠を目指して

          ベッドに横たわり、 今日もまた夢を見る。 私の夢は、いつも幸せ。 皆が笑い、私を取り囲む。 私を取り囲むのは 私 私が取り囲むのは 私 皆は私、私は皆。 私は全て。全ては私。 笑い合い、おどけあう。 私だけの世界。 目が覚めると、朝。 ここは私だけの世界じゃない。 私は私、皆は皆。 私は全てじゃない。 他のものなんて必要ない。 全ては私のために。 全ては私に。 変わる。

          吐きそう

          吐きそう

          眼鏡

          眼鏡を外す。 靴下を脱ぐ。 服を脱ぐ。 下着を脱ぐ。 キスする。 ハグする。 ×××。 下着を着る。 服を着る。 靴下を履く。 眼鏡をかける。 ああ。 かけなきゃよかったな

          「じゃあ死ねば?」

          死にたい。 正確には、この世界で、この自分のままで生きていたくない。 このまま生きて何が変わるだろうか。 このまま死んで何が変わるだろうか。 きっと何も変わらない。 ずっとこのままだ。 俺のような存在がいようといまいとさして変わらない。 それに… え グシャ

          「じゃあ死ねば?」

          幸せ

          沢山のコスメが並ぶ化粧台。 綺麗な服がたくさん吊ってあるクローゼット。 小さなチワワ。 幸せな暮らし。 ? 血まみれの化粧台。 人だったものが吊るされたクローゼット。 一つの死体。 幸せな暮らし。

          ある日、穴を見つけた 底の見えないほど、深い、深い穴だった 私は気になって、それをじいっと見つめる その穴に、何故か見惚れてしまった 「ああ、きっとこの穴に入れば 私は満たされる」 思わず、私は穴に飛び込んだ 案外すぐに底に着き、尻餅をつく ズボンについた土をはらい、周りを見渡すと そこには一面の花畑が広がっていた 私は夢中になって歩き回り、花を摘んだ ああ、ここは素晴らしいところだ すべては私のためにある 私のためだけの世界なのだ もう大丈夫、こ