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坂本龍一と散文

 坂本龍一氏が永眠。亡くなったと書かないのは「いなくなった」わけではないと思っているから。Yellow Magic Orchestra〈YMO〉で共に活動していた高橋幸宏さんが今年1月に永眠し、大きな悲しみを感じていた中、ついに教授まで…。(細野さんも寂しいだろうな)

 いわゆる「東洋的テクノ」で音楽界に新たな風を吹き込んだ。以後、〈戦場のメリークリスマス〉や〈energy flow〉など数々の名曲を生んだ。個人的には、かつてダウンタウンと組んだ〈GEISHA GIRLS〉が忘れられない。(分かる人がいたならうれしい)本当に才能が溢れる天才。

 ガンを宣告されてから、彼は日記を書くように音を紡ぎ録音をするという作業を続けていた。そして、その音源は一枚のアルバム「12」として、まとめられた。まさに、音楽家・坂本龍一の集大成ともいえるような作品となっている。最後まで、音楽を愛し、音楽に愛された人生だったのではないか。

 わずか、61分という収録時間ながら、軽やかでいて濃密な時間が流れる、まさに名盤。多くの人の耳と記憶に残る「孤高の天才教授」そんな坂本龍一氏の逝去という訃報は長きにわたる音楽史の中に暗影を落とすことになるだろう。ただひたすらに冥福を祈る。素晴らしい音楽に深く感謝。

【完】

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