PERFECT DAYS

今日は「PERFECT DAYS」というテーマの文章を書きたいと思います。

昨年の冬に公開となった、役所広司主演のこの映画、私は公開当初に劇場で観たんですが、「この作品は素晴らしい、何度でも観たい」と思いました。

本作は、アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされてます。

監督はヴィム・ヴェンダースというドイツ出身の方ですね。

そんなパーフェクトデイズですが、現時点ではU-NEXTで独占配信されており、そこを通じてしか観ることができないようになってます。

昨夜、U-NEXTで配信を買って、2回目の視聴をしました。

確か、1回目の鑑賞後もnoteに感想を書いた記憶がありますが、改めて映画を観た感想をここに書いておきたいと思います。

舞台は東京。
主人公の平山(役所広司)はトイレ清掃作業員として働いてます。

平山は2階建てのおそらく築年数数十年のアパートの2階で1人暮らしてます。
無口で、真面目で丁寧に仕事をする男。
そして、一貫して優しい。
真っ当に生きてる男の顔をしてます。

趣味も多様で、音楽、読書、カメラ、ガーデニング、銭湯、お酒、自転車などなど。

東京で何気ない日常生活を送ってる中年の男に焦点を当てた作品なのでキラキラした感じとかは全くないんですが、彼の日常生活を見てるとすごく共感できたり、グッときたりして、そこがすごく面白いんですよね。

なぜ、そう思えるのか。

一つは、無口だからだと思います。
必要以上に言葉を発しないため、表情や行動から彼のことを理解する必要があります。
だからこそ、彼のことをしっかりと追わなければならず、それが結果的に自然な形で彼に感情移入できてしまうという構造になっているということが分かります。

2つめは、真面目で丁寧な人柄だから。
トイレ清掃作業という、一見、誰もが出来るような仕事を彼はきっちりとやります。 
来る日も来る日も丁寧に。
誰も見ていないようなところまで手を抜かずに仕事する姿勢は尊敬できます。マジですごい。
この姿にかグッときますね。

3つめは、人に優しい。
仕事仲間や親戚、兄妹、そして、出会った人たちへの愛や温もりがあって、人格的にこの人は素晴らしい人なんだというのが伝わってきます。
包容力がある人には人がついてくるんだなぁということを学びました。

そして、多趣味なところ。
トイレ清掃作業という職業、そして、住んでる家を見る限り、そんなにお金を持ってる感じはしないんですね。
ですが、多様な趣味をたくさん持ってるんです、平山は。
なんか、すごく羨ましいいなぁと思ってしまうんです。
日々、もちろん仕事のストレスや大変なことも少なくないと思うんてますが、それでも、大都会東京で、淡々と自分が好きなことをしながら小さな幸せを大事にしながら生きていく。
こういう生き方、悪くないよなぁってのが詰まってます。

独身だし、家は古くてボロいし、仕事はトイレ清掃作業という目立たない仕事だし、一つひとつ見ていくと、世の中的にはどちらかというと、辛い人生を送っているんだろうなと思われがちなタイプの人だと思うんです。
しかし、彼を見てると、そんなこと全くそんなこと思ってなさそうというのは嘘になりますが、そういうのをひっくるめても、彼はそれに納得しながら自分の幸せを掴んで生きていこうとする意思がじんわりと伝わってくるんです。彼の生き様から。

平山みたいな人が世の中の暮らしを少しずつ豊かにしてくれてるんだろうなぁと思う、今日この頃です。

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