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日本人と宗教について考えてみた

カナダの高校に留学していたとき、新しく人と会った時によく聞かれていた質問が

"What is your religious belief?" (あなたの宗教はなんですか?)

これを聞かれた時の答えに困ったこと。困ったこと。

日本人として日本に住んでいたときは生涯考えたことがなかったこの問いかけ。日本で生活すると「宗教」という言葉が禁止されているのかって思うほど、「宗教」のトピックは会話に挙がらない。(少なくとも私はそうだった)

うーーーん、クリスチャンでもないし仏教徒でもないし・・・

留学して少し経った頃からは、その質問には周りの人たちを倣って、
"I’m an atheist."(私は無神論者です)と答えて切り抜けるようになっていた。

でもなんか違う。しっくりこない。

物心ついた時から、神社では真剣に手を合わせて神様にお願いごとを伝えていたし、お米の神様が怒るからと言って米粒一粒残らず食べるように教えられてきた。雷が鳴ると「神様が怒ってる」からおへそを隠せと言われてきた。

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日本人的感覚で言うと、神様はいないどころではなく、むしろどこにでもいるのかもしれない。海の神様、山の神様、作物の神様。色んな神様がなんとなく、私たち人間の営みを見守り、正しい方向に導いてくれているような感覚。

このふわっとした感覚に気づきつつも、それを言語化してうまく伝えることに苦しんだ。それは、今まで自分の宗教思想に向き合う機会がなかったから。

改めて、自分の国の宗教思想について考えてみると面白い。結婚式は教会で挙げ、年末にはクリスマスを祝って、年が明けると神社に参拝、葬式となれば線香を立て手を合わせる。軸はブレブレだけども、無宗教ではない。

これまでしてこなかった人たちも、自分の宗教的思想について一度考えてみて、考えを整理してみるのも良いのではないかと思う。多くの人が思い込んでいるほど「宗教」は押し付けられるものではないし、正解なんてないから。

これから自然豊かな土地に移り住み、農業に携わる私にとっては、これからもっと神道やアミニズム(精霊信仰)の考え方を大切にしていきたいなあ、と考えている。「おかげさま」と人や環境に感謝することとか、先祖の残した文化を大切にするとか。

そんなライトな感覚じゃダメですか?

私はそれでもいいと思う。


<おまけ>

英語では自らの宗教的思想を表す言葉がたくさんあるから面白い。

上で説明した”Atheist”のように、具体的に宗教を信仰していなくても、自分の「神様」についての考えの立ち位置を言語化するための言葉があるので紹介する。

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・Agnostic:神様がいるのかどうかは、分かり得ない/知り得ないと考える。

・Gnostic:神様がいるのかどうかは、全て理解の範疇である。

・Atheist:神様は存在しない。無神論。

・Theist:神様は存在する。有神論。

① Agnostic or Gnostic 
② Atheist or Theist 

という2つの指標で見ることで、自分の思想がどのような位置付けか大きく4つに分けられるようになっているのだ。(ちなみに私はAgnotic Theist、神様は存在するけど実体は知り得ない、という考え方。)

もし海外の人に 
”What is your religion?” ”What is your fate?”
と聞かれたら、これを参考に答えてみては?


ではまた 🌱


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