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農村で働き方の「あたりまえ」に疑問符をうつ

こんにちは、ひよっこfarmerこと佳奈です。

上の記事の通り、私は東京でのOL(半分在宅だったが)をやめ、熊本県阿蘇に移住してから、早1ヶ月半が経った。覚えることだらけでドタバタの毎日だったが、やっと、この新しい生活に慣れてきたところ。ここでちょっと一息ついて、現時点の生活についての報告・気づいたこと・改善点を書き起こしてみようと思う。

<現在の生活>

私は現在、個人事業主として、職を1つとせず、色んな地元の事業者さんのもとで、「食」に関わる様々なお仕事を委託いただいている。食の川上から川下までをみてみたいという考えがあり、まずは農作業を軸足に、農産物の加工、食品の提供、をしながら生計を立てている。

・米農家で米作りや出荷のサポート
・温泉旅館でホール地元の食材を使ったこだわり料理を提供
・大豆農家で味噌作り
・菜園で野菜を育て、収穫したものを販売(予定)


具体的に、現時点ではこの3つの仕事を組み合わせ、仕事がしっかり入っている日は、1日に平均合計7時間〜10.5時間ほど、あまりない日は3〜5時間ほど働いている。仕事のあまりない日でもYoutubeを撮ったり・編集したり、家庭菜園をしたり、料理をしたり・・・となんだかんだ忙しくしている。

そんな型にとらわれない生活を始め1ヶ月間、この農村でのマルチワークスタイルの利点・欠点が少しずつ見えてきたので、いくつか挙げさせていただく。

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<良い点>

①自分さがし、やりたいことさがしにちょうど良い

特に、私のような20代〜30代の若者は自分にあった生き方やライフスタイルが定まらず「自分探し」をしている人も多いはず。そんな時期に、一つの職で自分を縛り付けることは必ずしも自分の幸せに直結しないと私は考える。

例に漏れず、絶賛やりたいこと探し中の私にとっても、農村でやりたいことを何個か組み合わせる「マルチワーク」をするスタイルは利点が多いなあと感じている。自分次第で興味関心のあることにチャレンジでき、従事する仕事内容にも幅があるので、マルチワークしながら、「好きなこと・嫌いなこと」「得意なこと・苦手なこと」を知ることができるのだ。

例えば、
「目の前の作業に没頭できるような農作業は向いているなあ」
「お客様に合わせた接客がうまくできない、対人スキルはこれから磨かないと」

など、様々な仕事を経験して比べることで、今まで気づかなかった、自分の強みや弱みがわかってきた。

ストレングスファインダーや適職診断・・・自分のことについて知るためのツールが溢れている世の中だが、頭で考えれるよりも実際に自分の身体を動かして「マルチワーク」してみる方が、よく自分のことがわかる気がする。


②週に2日休むのではなく、1日の30%を休みにするだけで、身体は十分休まる。

農村でのワークスケジュールは基本的に不定期。
雨で農作業がない時や、温泉旅館のシフトが入っていない時などに休んでいる。そのため、いわゆる「きっちり週休2日」ではなく、1日の通常勤務時間を8時間とすると、1日の30%が休みとなっているイメージ。

普通の会社員だと「月曜〜金曜勤務、週休2日」という制度が、世の中のあたりまえになっているが、今の働き方をしてみて、週に丸々2日を休みにしなくても、十分休みは取れる、むしろ休みを分散したほうが充実した生活になるのではないかと感じた。

お昼休み以外にも、仕事と仕事の合間に2時間ほどフリータイムがある場合が多く、その時間を利用して、行きたかったカフェに行ったり、綺麗な景色を見にいったり、買い物に行ったり・・・そうやって息抜きをしているので、合計労働時間が長い日でも、精神的に疲れることはない。

週末にまとまった楽しみをもってくるのではなく、1日のスケジュールに少しずつ「楽しみ」を組み込む。そもそもの仕事内容が楽しいから、仕事が苦に感じることも少ないが、毎日仕事以外でなにかしらの楽しみがあるというのはとても豊かであると感じる。それに、この働き方は身体にとっても負担が少ない。働きすぎたり休みすぎたりしてペースを崩すことなく、安定感をもったパフォーマンスを生むことができる。

もちろん、旅行など行く場合はまとまった休みが必要なので、その時はワークスケジュールを調整するつもりである。が、普段の生活ベースで考えると、銀行や空いておらず病院も予約が取れないような週末に、無理に2日間まるまる休みをまとめる必要はないのでは?と働き方の固定概念が壊された。

③親和性のある仕事をすれば、イノベーションが生まれる(生まれそう)

今現在、「農業 × 観光業」という大きく2つの産業にまたがり、仕事を組み合わせて働いているわけであるが、1つの職場で働くよりも、"out of the box" な思考ができそうだなあと思う。

農家さんの課題と観光業の課題をマッチさせて新しいサービスを作ったり、農家さんの持っている農地を使ってインバウンドを生むことができないかと考えたり、他の人よりも引き出しやヒントが多くあるので、色々なアイデアが浮かんでくる。

若者、ばか者、よそ者、イノベーションは彼らから始まる。ー 真壁昭夫

ともいうように、マイノリティが慣れていない環境で慣れないことをするから、イノベーションは生まれるのだ。マルチワークがある程度世の中に浸透したら、どんどん面白いイノベーションが生まれるのではないか?と感じている。

<課題点>

既存の働き方にとらわれずマルチワークするメリットは、上の通り色々あると思うがもちろんこの働き方にもいくつか課題はある。

①要領よく複数の仕事をするシステム化が必要

仕事の数を増やせば当然、覚えること・慣れる必要があることは増える。
同じ仕事をするにも少し間が空いてしまったり、他の仕事でも覚えることがあり、脳内のキャパシティが足りなくなったり。仕事を掛け持ちしていない人に比べ、マルチワークをする人は、人一倍努力する必要はあるとは感じている。

例えば、
・自分の中でマニュアルを作って、仕事のミスを減らす
・スケジュール管理をしっかりとする
・職場の人の名前を確実に覚えられるよう工夫する

などして、周りの人に仕事で遅れを取らないように

②移動時間、農作業中、耳からインプットする

農村では移動手段は車。1日に運転している時間は優に1時間を超える。

農作業中も空白時間がある。単純作業を3、4時間繰り返す時もあり、手と目は忙しいが、案外耳は空いてたりする。

その時間を毎日どのように活用するか、で差がついてくるなあと考えている。リラックスするため音楽を聴くのもいいが、私は運転中や農作業中の空白時間を中国語学習の時間にあてたり、podcastで農業や経営について勉強・情報収集をしたり、と自己研鑽のために時間を使おうと考えている。

毎日の積み重ねが大きな成果の差を生むらしい。"Atomic Habits" の教えを参考にこの耳からインプットの習慣を作るため、「この道に出たら、このpodcastをかけよう」など自分の中でルーティンを作るように意識をしている。


③主体的に動けるよう、シフトチェンジしていく計画を立てる

マルチワークをし続けるのには体力と気力が要る。
休み休み働いているとはいえ、新しいことを複数一気にこなすのは肉体的にも精神的にも疲れる。10年20年単位で考える、サステイナブルな働き方ではない。

それに、言ってしまえば、私のマルチワーキングスタイルは「掛け持ちバイター」と実態的には同じであり、誰かの仕事をお手伝いすることに対して対価を得ている状態。まあ、世の中の仕事はほとんどそうであることは承知しているが、何か今後自分で事業をしながら、何かに主体的に取り組んでいきたいなあ、と考えている。

例えば、YouTubeやSNSを使って地域の魅力を発信していったり、地域の食材を組み合わせた美味しい料理を作ったり...少しずつ計画中。

具体的にお話しできるようになればこちらでも発信していきたい。


新しいワークスタイルを追求

コロナの影響で、人がオフィスに集まって決まった時間働く、という働き方以外にも選択肢が増えてきた今の時代。

まだ私の新生活は始まったばかりで、全てが見えているわけではないけれど、「農村でマルチワーク」ハマる人にはハマる働き方なんじゃないかなと感じている。

人間1人1人違うように、その人にあった働き方もそれぞれ違っていいはず!このワークスタイルをしばらく続けてみて、何か発見があれば、ここに書き残していくので、またぜひ覗いてみてください😌🍃


ではでは。


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