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女の健康は、若々しく綺麗なこと?

”女性の健康”は、いつまでも若々しく綺麗でいるとだろうか?
私は、体の見た目だけではなく中身、
月経との向き合い方や、婦人科疾患の知識、妊娠出産をしたいかは別として、“自分の問題”として心のどこかで考えているか、が“本当の女性の健康”だと思うのだけど、どうだろう。

荻野美穂の、女のからだ フェミニズム以後
という本で
私の言いたいことはこれだ!と思う内容に出会った。

【体を操作対象としてみる身体観のもと、私の体を理想の形にはめ込みたいという欲望にこたえ、それを煽り立てるダイエット、サプリメント、美容整形など、多種多様な美容健康産業が繁栄している。】
【からだの外側を美しく飾ることや、若々しくあり続けることへの知識や情報は溢れている一方で、たとえば卵子が年齢ととともに老化することは知らず月経がある限りいつでも妊娠できる、または自分は年齢より若々しく見えるから大丈夫と、からだ音痴の女性はむしろ増えているのではないか】

からだ音痴。
別に人に話すようなオープンなことじゃなくていいから
自分の体のことを大切にしてるか、ちゃんと知識があるか、ということだと思う。

女性の健康、といわれたとき何が浮かぶだろう。
痩せていること?
ジムに行ってること?
ヨガをしてること?
サプリを飲んでること?
喫煙をしてないこと?
カフェインを適度に控えてること?
テレビや雑誌に出ているだろう健康法があるけど

それなら、定期的に婦人科に通院してることは?
月経記録をつけてることは?
ピルを飲んでいることは?
パートナーと妊娠のタイミングを相談していることは?

今、はいいかもしれない。
何も病気の症状はないし、
日々が楽しければいいし、
仕事をまずは頑張りたいし、
お一人様を楽しみたいかもしれないし、
結婚なんて、子育てなんて、遠い先のことかもしれないし。
パートナーとだってそんな真面目な話しなくたって、一緒にいられるかもしれない。

でも

知らぬままに、考えぬままに時間が過ぎ
性感染症や、不妊、婦人科疾患の悪化など
いろんな意味で
からだそのものだけではなく
“手遅れ”、とその人が悲しまないための、
知識と行動の仕方を、
知っているかどうか。
それが大事と思えてるかどうか。

月経・妊娠という現象が生じるのは女の体だけで、
自分の体についてどうするかを決める権利は、当の女自身に、まず、あるはず。

女性たちが自分たちの健康と生活をしっかりみつめることができて
必要な時はいつでも改善と変革(医療も含めて)を自分で求められることができるような
“手段”が届いているか。
それが今の日本の問題だと思う。
性教育も、緊急避妊ピルの手に入れ方も、不妊治療の問題も。

性が奔放になるとか、権利がとか、子ども産まなくなるとかの表面的なあーだこーだじゃなく
当の本人である女の人たちが、役に立つと、自分のために生かしたいと、
前向きに思えるものがいい。

でも世の中の人たちが、例えばピルのことを“社会の害悪”になると危険視するなら、
害悪にはならないような選択をできるように、社会で男女の意識を変えていけたらいい。
手段で規制するのは、成熟した社会とは言えない気がする。

少子化だから、とか
女に生まれたんだから、とかの理由で
女性に妊娠出産育児をすすめるためじゃない。

本当の“女性の健康”で大事なステップはたくさんあるんだと思う。
①自分の健康を自分で守ると意識すること。
②自分で守るための知識があることを知っていること。
③その知識があること。
④知識をもって選べることを知っていること。
⑤知識をもって選んで行動できること。
⑥もちろん健康という不確実なものだから、思うようにはならない。
思うようにはならないことも、知っていること。

どのステップの話をしてるのか明確にしないと、議論も変になる。
例えば、緊急避妊ピルの処方を簡単にすることが女性の姓を奔放にするという議論は、⑤しかみてない。
本当に大事なの①-⑤すべてなのに。

上記で紹介したフェミニズムの本の作者は
本の中で最後の方に
この現代が、日本に限らず、先進国で
望んでいたフェミニズムが実現しているのか?と嘆いている。

【1980年代以降、フェミニズムが社会に定着した時代に成長した女性たちは、大学や大学院に進み、卒業後はキャリアを積むことが期待される。ピルや中絶によって自分の生殖能力をコントロールし、望まない妊娠を避ける。
だが、子どもを持たないことを選ぶ女性が増えたとはいえ、多くの女性たちは全く子どもを持つつもりがなくなったのではなく、その時期を例えばキャリアや収入がより安定する、少し後の時期まで先送りするようになった。
しかし、彼女たちがいざ準備ができたと感じた時には、生物学的に妊娠出産が遅い可能性もある。
そこで生殖能力を意思のままにコントロールすることを、できることに慣れたフェミニズム世代の女性たちは、今度は産まない方向ではなく、産むという新たな欲望の実現のために生殖技術の利用を考えるようになる。】

雑誌やメディア、教育は
表面の美しさを保つための健康じゃなくて
からだ音痴さんをなくしていけるようになれたらいい。

今回、私は自分の思いを整理できた。
あと何をするか、何をしたら①から⑤のステップをよりよくできるのか、考えていけたらいいなと思っている。

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