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【子育て】子どもの好き嫌いが多いのは、お母さんのせいじゃない

子育ては難しい。
最近ますます思う。

小さなころは小さなころで難しかった。
ごはんを食べてくれないとか、寝ないとか。
でも大きくなったらなったで、違う悩みがたくさん出てくる。

我が家には、中2の長女と小6の双子の三姉妹がいる。最近、めっきり難しい。

ちなみに、長女は全然難しくない。
反抗期もなければ、羞恥心もない。
あるのは、母へ向けられる過剰な愛と
陸上部ならではの底抜けの体力。

長女には勉強しろと言った事が無い。
テスト前は自らを律し、勉強に励む。友達からの信頼も厚い。なんでも一生懸命がんばる。
愛想と外面が良く、先生や親族からも評判がすこぶる良い。それが長女。

それに対し、双子は只今、反抗期真っ盛り。
いや、幼児の頃からずっと反抗期だ。

次女と三女ではまた性格が全然違うが、二人ともに共通するのは、文句が多い、口答えが多い、言うことを聞かない、宿題やらない、感じが悪い、言い方がキツい、友達とモメる、等々…。

長女の場合、担任の先生との個人面談は、20分程の予定が、相談する事が特になく毎回5分くらい早めに終わる。
ところが双子は、二人分の40分時間を取ってくれてるの時間が足りない。心配が多い。

姉妹を比べる事は良くないと理解しているし、誤解の無いように言っておくが、優等生タイプの長女も、手のかかる次女三女も、全員めちゃくちゃかわいい。心から愛してる。そりゃ我が子ですから。

手がかからなきゃかからないで可愛いし、
手がかかる子はかかる子でまた可愛い。

とはいえ、現状は9:1で次女三女のことばかり悩んでいる。比べてはいけないのはわかっている。
にしても、あまりにも違いませんか、神様。

でも、そんな子育てを経験して、更に双子を産み育てたおかげか、一つ悟ったことがある。

それは、
「これは、私のせいじゃない!」という事だ。

三姉妹の、性格だけじゃなく、性質、特性、好き嫌い、考え方、行動パターン、etc。

同じ「私」という母から生まれて、
同じ家で、毎日同じごはんを食べさせ、
同じような声かけをして育てたのに、
こうも全然違う3人が育ったとなると、
母は悟らざるを得ない。

これは、私のせいじゃない!
もちろん、ポジティブな意味で。

人には、生まれ持った「性質」と言うものがある。絶対ある。

好き嫌いが多いのも、私のせいじゃない。
だって、同じメニューを出しても、食べる人と食べない人がいる。双子でも好みが全然違う。
同じように「好き嫌いするな!」と育てても、初見のものを全然食べない子もいれば、とりあえず何でも食べてみたい子もいるし、好き嫌いが少ない子もいれば、多い子もいる。同じ家庭内で、だ。

ルールを守る事を大切にしてる子もいれば、
ルールを守るのが苦手な子もいる。

コツコツやるのが得意な子もいれば、
全然コツコツ出来ない子もいる。

人間関係、争いを避けてするりとうまく振る舞える子もいれば、忖度なしに真正面からぶつかるタイプの子もいる。

何度も言うが、同じように育てたのに、だ。

だから私は気づいた。
これは彼らの生まれ持った「性質」だ。

でも、私はたまたま双子の母になったし、3人子どもがいるので良くも悪くも色々比べる事が出来てそれを実感出来たが、一人っ子のお母さんだったら比較対象がなくて、より自分のせいだと悩むんじゃないだろうか。

私も、双子が生まれて三人育児にてんやわんやしてた頃より、双子が生まれる前、長女一人を育ててた頃の方が精神的に辛かった。
何が正しいのかわからないし、この子がどんな風に育つのかなんて、全て自分の責任にかかっていると思っていた。
もちろん、「躾」という言葉がある通り、子の言動は親の影響が大きい。でも、同じ母が育てていて、しかも出来る限り3人平等に、誰かだけを特別扱いしないように気をつけて育てても、こうなる。

これは、お母さんのせいじゃない!
そう、私のせいじゃない。

そう思ったら、ちょっと子育てに、
気持ちに、余裕が出来た。

実は、それを改めて気づかせてくれたのは、先日大阪で会った、大学で同じ社会福祉学科にいた友人だ。彼女の名は「ちゃんちゃん」という。

ちゃんちゃんは、アメリカ人の父と、スイス人と日本人のハーフの母を持つ。なので、見た目はとても日本人には見えない。そして美人。
今でも覚えている、大学の入学式。勇気を出して日本語で彼女に話しかけた。
話しかけてわかった。
ちゃんちゃんは、アメリカ人でもスイス人でも、なんなら日本人でもなかった。

ちゃんちゃんは、コテコテの京都人だった。

ゴリゴリの京都弁で、「あんな〜、うちな〜、」と顔の前20cmくらいの至近距離で話す、めっちゃおもろい、人懐っこい、愛すべき子だった。本名はChandra。だから、Chanちゃん。

そんなちゃんちゃんは、波瀾万丈な人生を歩み、気づいたら英語教室の先生をしていた。それも、生徒は150人超え。常にキャンセル待ちの大人気教室である。今は旦那さんの仕事の関係で教室は閉めたが、今でも同業者である私の相談に乗ってくれる。

そんなちゃんちゃんが、私達が大阪にいる夜、会いに行くよ!と連絡をくれて、京都からバビューンと高速道路を飛ばして、ホテルまで来てくれた。

長女とホテルのロビーで待っていると、ふわりと軽やかにエントランスを入ってくる美しい人。ちゃんちゃんだった。そのままホテルのロビーで3時間語り合った。

英語教室を運営することの難しさ、生徒への対応や悩み、自身の子育て、40代を迎えた自分の人生。話は尽きない。

ちゃんちゃんには、高3の娘さんと小6の息子さんがいる。
破天荒で愛情深いちゃんちゃんの子育てには、横で話を聞いてたうちの長女もびっくりしてた。
詳しく話せないのが残念だが、ちゃんちゃんの娘がトイレに立てこもり、ちゃんちゃんはドリルでドアを壊そうとした話とか、息子さんが学校に行き渋った時、一緒に祇園の街に繰り出して夜遊びした話とか。←いや、詳しく話してるし。

ちゃんちゃんこそ、本書いたらいいよ!とオススメしといた。全国で講演会とかしたらいいと思う。

そんなちゃんちゃんが言っていた。
「うちな、娘を赤いバラに育てようとがんばっててん。赤くなーれ、赤くなーれ、ってお水あげて大事に育てたつもりやったけど、おっきくなって気づいたら、『うちの子、黄色いチューリップやったわ!』ってなって!でも、それでいい。下の子も、今はまだなんの花かわからんけど、自分の力で咲いてくれたらいい。親が、なんの花とか決めるのは違うってわかったから。」

ちゃんちゃんの息子さんが学校に行きたくないと言ったある日、最初はちゃんちゃんも戸惑ったらしい。学校に行けるように悩んだし、怒ったし、話し合った。でも、ある時気づいたという。

「この子は『行きたくない』と言える強さがある。嫌なものに『嫌だ』と言えるこの子はすごい!」

社会には、嫌でも「いやだ」と言えない人もたくさんいるし、行きたくなくても行かなきゃと頑張り、心が壊れることもたくさんある。

どちらかと言えばうちの長女はそうだ。
友人の前では特に、嫌でも嫌と言えないところがあるし、やりたくなくても頑張ってしまう。

やれと言ったことはやるし何でもがんばるから、親から見れば育てやすく良い子かもしれないけど、本人のストレスは溜まりやすいし、優しければ優しいほど、心は壊れやすい。

その点、ちゃんちゃんの息子は、
「行きたくない」と言える。
そうか、それは強さだ。

うちの双子も、文句が多い。そりゃあもう
「行きたくない」「やりたくない」のオンパレード。

私にも不満を直接言葉でぶつけてくるし、先日もパパとケンカしたとき、二人が言葉を選びながら、淡々とパパに不満をぶつける姿を見て、この子たちすごいな、と思えた。それは紛れもなくあなた達が持つ、強さだ。

だったら、その強さを消す事なく、伸ばせ!
違うと思ったら、先生それ違いますと言ってぶつかってこい。きっと、その一見短所な強さを、買ってくれる人がどこかにいるはず。知らんけど。

ということで、母は最近、色々諦めた。
諦めたと言うと聞こえがわるい。
やっぱり、悟った、とでも言うべきか。

もう、子育て、
あんまり頑張んなくていいんじゃないか?

親は「子どものここの部分が曲がってる!」と思うと、針金を伸ばすように、直そう直そうと、怒ったり叱ったりして何とかまっすぐにしようと頑張る。でも、そもそも人間まっすぐになんてならないし、曲がったら曲がってたで、それが短所だなんて、誰が決めたんだろうか。

親はいつも、子が歩く道を
真っ直ぐに、小石ひとつなく、整えたがる。

これは、2022年末に聞いたvoicyの言葉だ。

これからこの子が進む目の前の人生という道に、石がおちてたら危ない。転んでしまうかもしれない。我が子が転んで泣く姿を見たい親なんていない。
このままだと歩きにくいのではないか、苦労するのではないか。私が、親が、この道に落ちてる石を、この子のために拾っておかなければ。

小石全てじゃなくても、親はいつも、忘れ物をしないように口うるさくなったり、テストで悪い点を取らないように、勉強しろババアになったりする。

でも最近、そんなに親が先回りしなくても、もういいのではないかと思い始めた。
もうあんまりうるさく言わないから、まず、そのままその道を進んでみろ!と思うようになった。

忘れ物をしたらいい。
困って、学んだら良い。

成績が下がってもいい。
本当になりたいものが見つかって必要だと思ったら、自分で勉強し始めるし、勉強が出来ることと幸せはイコールではない。

学校で嫌な思いをしないようにと、強い言葉遣いを叱ってきたけど、なんならキツい言い方をして、友達にちょっと嫌われたり、先生に怒られたらいい。そしたら嫌でも直すだろう。

将来社会に出た時に迷惑をかけないように、時間を守れ、ルールは守れと言い聞かせて来たけど、それでも守れないなら、将来バイトに遅刻してバイト先の店長にしこたま怒られてこい。その方が身に染みるだろう。

私もなんだかんだたくさん叱ってきたけど、もう親の言うことを素直に聞かない時期に来てるなら、そのまま外に出て、嫌な思いをしておいで。
そして学べ。

最近、そんな境地にきている。

逆に、そんな経験は学生のうちにしておいた方がいいとさえ思う。今なら、先生も怒ってくれるし、最悪何かあっても親がその責任を取る事が出来る。

しかし、社会に出たらそうはいかない。
取り返しのつかないミスだって簡単に起こるし、全て自分の責任だし、自分の事を叱ってくれる人も年々減っていく。

今のうちに、失敗してこい。
そして学んでくれ。

とはいえ、もちろん母親なもんで、やっぱり色々口出さずにはいられないし、これからも多分、全然口うるさいんだけど、ちょっとはそんな風に思うようになって、子育ての悩みの沼に入り込む事が少なくなった気がする。

長女は今年で15歳になる。
なので、私の母親歴も15年。

母も成長したけど、
15年もやってきたのに、
まだまだ悩んでいる。


悩める幸せを噛み締めたいと思う。

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