装飾に隠された豊かさの秘密
日本だけでなく、世界の歴史的建造物を見てみるとどうやって作ったのかわからないくらい繊細な装飾が施されていることが多々あります。
これはメルボルンで見た建物。外見からはなんの建物かはわからなかった…。
こういう繊細な建築物を見るたびに、なんでこんなに気が遠くなるような作業をわざわざするのだろうとずっと疑問に思っていました。教会やお寺など、その役割が果たせれば何もそこまでいろいろくっつける必要なんてないんじゃないかと思ったのです。
本当の豊かさとは
「実用性だけ考えたら装飾もなにもいらないじゃん」
数年前に旅行やリゾバ、ワーホリを経験して短期間で移動することが多かったことから至った結論。持ち物は最低限でしかも軽量で多機能であることを基準に選んでいました。
しかも飛行機を使う移動だとLCCを利用していたので重量制限も厳しく、紙一枚でも減らすようなパッキングをしていました。
服もTシャツ、黒パンツ、パーカーなどシンプルかつ動きやすいものを洗い替えに2着ずつ持つような感じで、おしゃれとかそんな視点は皆無だったのです。
「ずっと着られればいい」というファッションへの関心ゼロなことを思っていて、道行く人たちを見ては「なんであんな洗濯しづらそうな服着るんだろう…」とか「あのデザインは来年着るのかなぁ…」とか勝手にあれこれ思っていました。
ある日、成田山に参拝へ。そのときにいつも見ていたはずの五重塔がやたら気になりました。その装飾はとても立派なのですが、なんでこんなに豪華な装飾を施すんだろう…と思いながら見ていました。建物としての機能は果たしているのに、装飾する意味ってなんだ?とぼんやり考えていたら、ハッと気づいたのです。
「一見無駄で省けるものに見えるものが、人々に豊かさをもたらすものなんだ」
と。
機能性や実用性だけを追求するのであればもっとシンプルで簡単なもので十分だけど、そこに装飾、デザイン性が加わることで見る人に感動を与え、そのものの個性になる。豊かさが付加価値として生まれるのだと気づいたのです。
省けそうなことに大切なことが詰まっている
目的を果たすためだけのものだったら、服もTシャツとパンツだけでOK。旅行も旅先に行って帰ってくるだけ。家でもなんでも建物はシンプルに。
でもそれってなんか味気ないですよね。
服だって自分の好みの色や素材やサイズ感があるし、旅行だって目的地との間にいろんな出会いや経験がある。建物だって実用性だけを考えたらみんな同じになってしまう。
なんでもかんでも省いて簡素化すればいいってもんじゃないんです。
その一見省けそうなところほど個性を表現できるし、新しい発見がある。
そしてもはや省けないものとしてそこに存在している。
五重塔を見ながら、目的の最短ルートだけを意識していたら大切なことを見落としかねないんじゃないかと思ったのです。
自分がワクワクする選択を
これは整理収納にも言えることだと思っていて、実用性や必要性だけでものを選んだらあっという間にミニマリストのような限られたものしか置かれていない状態になると思います。
マズローの欲求5段階説で言えばピラミッドの一番下と下から二番目にある生理的欲求、安全の欲求が満たされている状態です。
出典:Wikipedia
最低限の生命活動の維持が安全にできる。ものが多すぎるからとにかく減らしたい!という人はこの視点を持つと結構手放しやすいと思います。
以前の私の場合は極端にこの思考が強かったのです。だから装飾は無駄だと思っていたし、おしゃれも必要ないと思っていた。
でも、それって人間らしさという部分ではどうなの?ということなんですよね。
確かに生命を維持するために必要な衣食住の最低限のものがあれば生きていけるけど、アイデンティティとか嗜好とか人との繋がりがあってこそ豊かさを感じるのが人間なんじゃないの?と思ったのです。
「これを持っていると気分がアガる」とか「ちょっと今日はきれいめファッションでいこう」とか、自己表現の視点でモノを選ぶとちょっとワクワクしませんか?
何でもかんでも削ぐのではなく、自分の大切にしたい感覚はきちんと育んでいきたいですね。
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