【読書】これは史上類を見ない人違い
本日の一冊
「宰相の二番目の娘」
ロバート・F・ヤング(著)/山田順子(訳)
創元SF文庫
精巧な自動マネキンを作製するために歴史上の重要人物を誘拐してくるのがビリングズの仕事。
シェヘラザードを連れてくるという任務を受け、9世紀へと向かいます。
ビリングズという男、これがまあ、やることなすことうまくいかないのです。
もともと貧乏暮らしの非正規雇用だったのですが、担当者がインフルエンザにかかったために急遽、彼にこの仕事がまわってきたのです。成功すれば正社員になれるチャンス。
しかしシェヘラザードを攫う途中で国王に目撃され、追手から逃げるために慌てて時間移動をすればそこは時代も場所もわからぬ奇妙な地。
おまけにシェヘラザードだと思って攫ったのは妹のドニヤザードでした。
無事に元の世界に帰還して任務を成功させることができるのか——。
*
ロバート・F・ヤングの描くロマンスが好きです。
「ビブリア古書堂の事件手帖」にも登場した「たんぽぽ娘」が有名ですが、他にも白亜紀の時代で出会った火星人の子どもを保護することになる長編「時が新しかったころ」や異星人と少年の交流を描いた「ピーナッツバター作戦」などがあります。
ヤングの長編はなかなか本が手に入りづらくなっているのが残念です。
この「宰相の二番目の娘」はシェヘラザードの名が登場するように「千一夜物語」の世界観が盛り込まれています。
魔神、盗賊、魔法のランプ、アリ・ババ……。
これらがヤングのタイムトラベルの世界のなかでどう絡んでくるのか、ぜひ読んでいただきたいです。本当におもしろいので!
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