SiremoはなぜNFTという技術を選んだのか & β版公開しました
はじめに
Siremo代表のかなだです。SiremoはNFTに関わるサービスを提供するスタートアップです。
デジタル作品をNFTとして販売可能な自分だけのページ(=オンライン個展会場)を起ち上げられて「かんたんに、たのしく」売買できるプロダクトを開発しています。
「あらゆるクリエイター・アーティストが、その情熱で創作活動を自由に続けられるようにする。」をミッションに掲げ、創作と経済活動の正の循環を回すことで社会をより良く変革することを目指しています。
まずは……サービスβ版公開のお知らせ
β版として公開しました。
👇サービスはこちら👇
12月からβ版を提供開始しています。
現在事前登録いただいてたクリエイターさんがストアを開設して作品を並べていっている段階です。このタイミングで作品を出したい!クリエイターさんはぜひ今の段階で触ってフィードバックいただけるとありがたいです。
LPも合わせてプチアップデートしました。
本題 - Why NFT?
今回はNFTという技術を選んだ理由について書きます。
結論
NFTの、これらの可能性が「あらゆるクリエイター・アーティストが、その情熱で創作活動を自由に続けられるようにする。」というミッションの実現に近づくものだと考えたからです。
「自らの作品・スタイルを気に入ってもらい、結果として対価を得る」というストーリーが実現できる可能性が高い
作品の流れがいろんなプラットフォームを飛び越えられる可能性が高い。これをうまく使えば、2次流通以降の収益をNFT発行クリエイターへ還元したり、ファンとの関係をクリエイターが所有できるようになる。
きっかけ
一言でいうと、創作への対価と還元のバランスへの疑問がきっかけでした。
縁のあったイラストレーターさん、写真家さん、ARクリエイターさんたちが「自分の表現で食べていくのは大変だよね」とこぼしていたのがきっかけでした。
自分は幸いにも、「モノを創る」ことによってご飯を食べてくることができたものの、同じように「モノを創る」人たちが苦労しているのを見て疑問を感じました。一方で彼らが創る作品にはファンもいて、何より僕自身も心動かされるものでした。彼らの作品によって毎日が豊かになる人々もいるだろうに、それに見合った還元がないのではないかとも考えるようなりました。
デジタルクリエイティブの領域で活躍される方々は、SNSでファンと直接繋がり、見て楽しんでもらうことはできるようになりました。これは確実に創作する人たちの生活を前向きに変えたと思います。一方で実際の収益は企業案件経由が多く、自らの表現を追究しながら行うライフワークと捉えるよりも自分の表現を続けるためのライスワークと捉える方もいらっしゃいました。(なお、企業案件自体を否定したいということはありません。ここでしか得られない経験や社会意義がたくさんあると考えています。どうすれば、それ以外の選択肢を拡げられるかということです。)
最初のプラン
では、自分の表現を続けながらも対価を得ていくにはどうすればいいのでしょうか。
Patreonというサービスを知っていた私は、彼らの創業ストーリーや考え方について調べることにしました。Patreonとは主にYoutubeやPodcastを運営するクリエイターたちがファンから直接サブスク収入を得ることができるプラットフォームです。このプラットフォームを通じてファンと交流しながら生計を立てていることを知り、感銘を受けました。
そこで私はこのプランに多少のアレンジを加え、スライドにコンセプトをまとめ、身近なデジタルクリエイターたちにプランをぶつけることにしました。今から約1年半前ほどのことです。結果として得られた反応は以下のようなものたちでした。
「これは自分の作品を肯定してくれるものなのか」
「創作よりも宣伝活動からお金を得ているという感じがする」
クリエイターとして生計を立てる上で宣伝活動がまったく必要ない、ということは考えていなかったと思います。一方で、「何に対してお金が払われているのか」という問いはとても本質的に感じました。
クリエイターの気持ち、本音に寄り添えば「自らの作品・スタイルを気に入ってもらい対価を得る」というストーリーが実現できないかと考え直すようになりました。
※なお、その他に競合環境、先行しているプレイヤーの利用者、数字なども見てプランを変えるに至りました。
作品が好きだからで動く経済圏
「作品自体が売れて最高だった!」という体験を作るのに、結果として着目したのはNFTでした。個人としては2018年くらいにクリプトキティーズをきっかけに知るようになりました。当時、個人がデジタル資産を保有できるのは面白いし、それで遊戯王カードみたいに換金性が出てくるのは面白いと思っていましたが、深く調べたりしていませんでした。
改めてこの技術やトレンドを深く調べていきました。課題はとても多いもののデジタルクリエイターが作る作品がファンの手に渡り、しかもそのレコードが可視化されて、繋がりが見える可能性がある技術だと考えるようになりました。
そこでデジタルで自分の作品をNFTとしてファンに届けることができるサービスを作る、という方針に切り替えてコンセプトを作りインタビューに出ることにしました。課題はありつつ、反応は良いものでした。
インタビューの話はこちらのnoteで詳しく書いています。よろしければ合わせて読んでみてください。
NFTという技術の可能性
冒頭の結論の再掲になります。NFTが「あらゆるクリエイター・アーティストが、その情熱で創作活動を自由に続けられるようにする。」というミッションの実現に近づく技術だと考えたからです。
「自らの作品・スタイルを気に入ってもらい対価を得る」というストーリーが実現できる可能性が高い
作品の流れがいろんなプラットフォームを飛び越えられる可能性が高い。これをうまく使えば、2次流通以降の収益をNFT発行クリエイターへ還元したり、ファンとの関係をクリエイターが所有できるようになる。
もし1だけであれば売買・収集・トレード・コミュニケーションができるプラットフォームを構築すればよかったかもしれません。
様々なプラットフォームを飛び越えて、作品とファンの流れを可視化していきクリエイターに還元される可能性があること(c.f.インターオペラビリティ)がクリエイターの未来に明るい技術だと考えるに至ったポイントでした。
NFTという技術の課題
一方でこの技術にはまだまだ課題があります。NFT固有の問題以外もありますが、代表的なものをいくつか挙げていきます。
NFT発行者が真に著作権を持つかどうかを判定するものではない。故に発行者がネットで拾ってきた画像をさも本人かであるようにNFT化し収益化することができてしまう。
高騰するGAS代とUXのバランス。分散型ネットワークのセキュアさを担保するためには必要でありながらも、書き込みの度に高いGAS代を支払わなければならないつらみ。
デジタルウォレットのセキュリティ。個人の資産をデジタル空間上で個人が管理することと、現状の技術のアンバランス。端的にいうと熟練者でもウォレットから資産を抜かれてしまうというインシデントが起こっている現状。
また技術以外の観点、例えば法律、利用用途などでも様々な議論が行われています。代表的なものをご紹介します。
私個人としてこれらの意見を否定するつもりはありません。ただ、この技術の可能性を引き出すため課題と言われることを賛同する仲間たちと共に潰していく努力をしていく立場でありたいと考えています。先に挙げた技術課題も解決すべき日々奮闘されている方が世界にもたくさんいらっしゃいます。そうした方々と共に歩みたいと考えます。
さいごに
以上がわたしがNFTという技術を選んだ理由です。Tech系のスタートアップを始めたい、すでにやっているという方々やNFTにチャレンジしたいすべての方々の参考になれば幸いです。
サービスについての紹介についてもnoteを書きましたので、そちらもぜひ読んでください。
今回のお話を深く聞きたい、会社やサービスの話を聞いてみたいという方は、Meetyでカジュアル面談もオープンしていますので一緒に話しましょう!
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