花菜

エッセイ(?)を書きます。 1分で読めます。:)

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最近の記事

「恋は盲目が消える時」

「恋は盲目が消える時」 大学時代、先生は授業でこう言った。 失恋した友達に、「この世にまだまだたくさんの人がいるんだから、大丈夫だよ。 元気出して。」と言っても、その子の目には、その時、 好きな子しか写ってないから無理だと。 恋は盲目だ。 その人が好きなら、その人の腕が世界で一番カッコ良く見えて、 その人の存在は世界で一番だ。 でも、自分でも想像していなかった速さで、突然恋は盲目が消える時がある。 何が言いたいかって、 常に世界は広いということを頭の片隅に置いておいた方

    • 「失恋とあなた」

      「失恋とあなた」 病院の先生は言った。何があったか知らないけど、こんな素敵なあなたを振った彼は見る目がないと。 そんな彼なんて、こっちから願い下げだと。 先生の言葉は、漢方より励みになった。 彼女は歳を重ねた。 人生はまだまだ難しくて、悩みは多いけど、 恋愛に関して、彼女は感じ始めたことがある。 どんな人を好きになっても、どんな状況で恋愛をしても、 あなたの中にあなたをしっかり持っていれば、素敵な恋が出来る。 あなたの中のあなたがグラつけば、恋は破滅。 あなたが大事にし

      • 【会社の至急とあなたの至急】

        【会社の至急とあなたの至急】 仕事はあなたの自信になるかもしれないが、 あなた自身にはなれない。 仕事が心の穴を埋めてくれることもあるかもしれないが、いつまでも側にはいてくれない。 だから、仕事以外であなたの好きなことを見つけて。 仕事が原因で身体を壊さないで。 あなたの身体がダメになった時、 会社はあなたを助けてはくれない。 だから、あなたの身体を大切にして。 何よりも何よりも大事にして。 休憩をして、残業を極力しないで。 焦らないで、深呼吸して。 会社の至急はあ

        • 「かすかな騒音」

          「かすかな騒音」 人の気持ちなんて、一瞬にして変わってしまうんだ。 良くも悪くも。 彼女の苦手な、人の多いザワザワした場所では、 行き交う人々が敵に見える。 でも、比較的静かな、人の少ない場所では、 行き交う人々となんだか分かり合える気がする。 結局は、周りの環境や体調で、 人の気持ちなんて一瞬で変わる。 彼女はそう感じた。 心地よいと感じる場所で生きていきたい。 花菜

        「恋は盲目が消える時」

          「親を知らないあなたへ」

          「親を知らないあなたへ」 捨てられたと思わないで。 あの人は、合う町が見つけられず出て行っただけ。 あの人は、合う人がここでは見つけられず、 去っただけ。 あの人は、きっと、あなたを覚えてる。 覚えてなくても良いけど。 不器用なあの人。 あなたはかけがえのない素敵な人。 大事にされるべき人。 花菜

          「親を知らないあなたへ」

          「勝手だ」

          「勝手だ」 人は勝手だ。 昨日彼女に告白した人は、今日違う人と結婚した。 昨日彼を好きだった彼のファンは、今日違う人のファンになった。 でも、それで良いんだ。 だからこそ、希望を持てる。 勝手で、予測不可能だからこそ、希望を見出せる。 希望がないと、きっと人は生きていかれない。 だから、希望が見出せさえすれば、いつだって前向きだ。 花菜

          「勝手だ」

          「ゴミ袋の彼女」

          「ゴミ袋の彼女」 彼女はゴミ袋の中に彼女を入れていた。 彼女はゴミ置き場に向かっている途中だ。 ゴミ袋から、かすかに、でもはっきりとした声が聞こえた。 「自分を粗末にしてはいけないよ。」 「あなたの頭、耳、目、鼻、口、声、体、心臓、 全てあなたのもの。あなただけが見つめられる大事なもの。」 「あなたの呼吸はあなたにしかできない。 ゆっくりとした呼吸。」 彼女は、家に帰る。 ゴミ置き場への散歩は終わりだ。 ゴミ袋の中の彼女は、彼女の家へ。 また彼女に入る。 花菜

          「ゴミ袋の彼女」

          「約束事」

          「約束事」 世の中には約束事が多すぎる。 約束事に約束事を塗り重ねて、この世の中は塗り固められている。 約束事がなかったら救えた命、 約束事がなかったら、笑えたあの子。 でも約束事で救われた命もある。 今日も約束事の中で浮遊する。 あなたの中の約束事はいつでも壊せる。 花菜

          「約束事」

          「答えの出ない問い」

          「答えの出ない問い」 彼女は議論することが好きだ、噂話もする。 好き・嫌いについて、どう思うか、他人と話し合うことも好きだ。 でも、答えは出なくて良いと思っている。 答えは必要ない。 結局、答えなんて誰にもわからない。 そもそも、宇宙のはしがわかっていないこの世界で、 答えなんて見つかるはずがない。 そう思いながら、彼女はビル街を歩いていた。 花菜

          「答えの出ない問い」

          「集まりたがり屋と逃げたがり屋」

          「集まりたがり屋と逃げたがり屋」 彼女はよく言われる。 ものを整理して捨てると、もったいない、初めから買うなよと。 しかし、よく言われる、断捨離お勧めだよと。 なにが正しいのか。彼女はわけがわからなくなった。 結局バランスではないか。 捨てたければ捨てればいいし、集めたければ集めれば良い。 人の意見は左から右に聞き流せば良いのだ。 心の赴くまま、ものを捨て、集めれば良い。 集まりたがり屋と逃げたがり屋はいつも共存している。 彼女はそんな世界が大好きだ。 花菜

          「集まりたがり屋と逃げたがり屋」

          「8時間勤務」

          「8時間勤務」 8時間勤務。 この時間で彼は何を考え、彼女は何を心に抱き、何を得るのか、何をなくすのか。 8時間が耐えられなんだ。 そういうこと。 彼女は思った。 世の中のみんなは平気そうだ。やる気だって充分に見える。 わたしと何が違う? わからない。 そういう夢だった。 彼女はそういう夢を見たのだ。自分に問いかける夢を。 そういう夢から目覚めた彼女は、お金を稼ぐために仕事に出かけた。 誤字脱字のない仕事をするために。 食べ物を食べるために。欲しいものを買うために。

          「8時間勤務」

          「究極のクレーマー」

          「究極のクレーマー」 彼女は数々のクレーマーに遭遇した。 中でも印象に残っているものをあげよう。 クレジットカードを投げる男性。 自分が規則を作っていると思っている男性。 提供していないものを求める男性。 クレジットカードを投げる姿は、しゅりけんを投げるようであっぱれだ。 規則を自分が作りたがるのは、単純になぜなのか。 提供していないものを求めるのは、透明人間を見たい心理と同じか。 おそらく何か不満があるのだろうが、 単純に彼らの行動は謎であった。 世の中は、こんな

          「究極のクレーマー」

          「下着」

          「下着」 彼女は下着を見た。 彼女の下着には、過去の涙がつまっている。 あの日の彼、あの日の上司、あの日のあの場所。 喜びはどこへ消えた? 彼女は見つけた。 思い出してごらんと過去の自分が彼女にささやいた。 友人との会話、あの日のあの場所、あの日の空気、 幸せは胸のすぐ近くにあった。 彼女はその下着たちとさよならした。破棄したのだ。 そして、新しい下着を買った。 涙がつまっても、幸せが忍び寄ってきても、彼女は新しい道を歩く。 さよなら、古い下着。 彼女は定期交換が

          「下着」

          「奇跡の城」

          「奇跡の城」 少女は野原を駆け回っていた。 山に囲まれた町を駆け回り、澄んだ空気を肺まで思いっきり吸い込んだ。 時に腹の底から笑い、時に心の深くから泣いた。 鶏の声で目を覚まし、大木の葉の揺れる音で眠った。 祖父は少女の誕生日に旅立った。 少女は父親と別れた。 少女は都会に出て、異国の友人と知り合い、心の安らぎを見つけた。 少女は社会に出て、世の中の不公平さ、駆け引き、闇を感じた。 少女は少女でなくなった。 少女は女性になった。 あらゆることを闇と感じ、生きているもの

          「奇跡の城」