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『KAGAYA 星空の世界展』によせて

─はじめに─

 2008年、私がジグソーパズルの会社でKAGAYAさんの絵や写真に出会ってから十四年になります。

 当時、KAGAYAさん監修『3Dパズル ブルーアース ─地球儀─』や、KAGAYAさんアートの『THE EARTH ─青い地球─』が発売されたばかりでした。なんて美しいパズルだろう、と思いました。

yanoman jigsaw puzzle catalog 2008 巻頭ページ。全てKAGAYA監修/KAGAYAアート。

 KAGAYAさんのアートは衝撃的でした。正確、かつ劇的でした。デザイナーとして入社後まもなく、KAGAYAさんのPOPデザインを頼まれるようになりました。以来、KAGAYAさんの星や宇宙は、私を作っているものの一部になりました。

 私のお師匠さんは「今の自分は他人が作っている。もちろん自分が作ってるんだけれども、他者が居なければ在りえない。全て他者から作られている。」と言います。

 今の自分は他人が作っている。
 ある種の衝撃的な、ある種の破壊力をもった言葉やアート、出会った人によって、いつの間にかどんどん自分が構成されていくのは、怖いけれどおもしろいです。

 アートをみて、今すぐなにかの役に立てようとは思わないけれど、すごくよかったなあ、という印象はたまっていきます。すっかり記憶から忘れたように思っても、どこかに蓄積されていて、いつの間にか自分の内側のなにか、たとえば自分の価値観や指向性になるのだと思います。私の場合、まちがいなくKAGAYAさんのアートはその一つです。

 実際、星空の美しさをKAGAYAさん以上に写し出せる方をみたことがありません。だから、私にとって星空のいちいちは、みんなKAGAYAさんのそれです。

 何しろ印象的でした。KAGAYAさんの絵とも写真ともわからない美しいアートに目をみはり、その商品を引き立てるためのPKGやPOPを正しく作るデザイナーであることに憧れました。

 前置きが長くなりましたが、『KAGAYA 星空の世界展』によせてnoteを書きます。KAGAYAさんの写真は、比類なく綺麗です。

 先週、『星空の世界展』に2回行ったのですが、2回目で音楽が流れていることに気づきました。1回目は無音、何も聴こえない気がしたのだけど、見ることに熱中して聴こえなかったのかもしれないし、KAGAYAさんの撮る写真から無音が聴こえるのかもしれません。

─『KAGAYA 星空の世界展』によせて─

そごう美術館入口

ごあいさつ

 作品展にご来場いただき、ありがとうございます。
 私たちの身体とまわりの自然はつながっています。そして海も大気も、太陽系も、はるか彼方の宇宙もひとつながりに繋がった世界です。そして人の営みも宇宙の大きな流れの中では自然な姿なのだと思っています。
 その世界が愛しく感じた時、私はレンズを向けたくなります。その時の気持ちを鮮明に記録したいからです。
 私が写真を本格的に始めたのは中学生のころでした。当時は自宅の庭で星の写真を撮り、フィルムを自分で現像、毎晩のようにお風呂場を暗室にしてプリントすることに熱中していました。40年たった今、カメラの性能のおかげで、人間の目に見えないものまで写し撮れるようになりました。後から写真を見て、自分はこんな光景の中にいたのだと体験が底上げされるような感覚になることもあります。写真を撮っていてよかったなと思う瞬間です。
 撮影場所は世界中に広がり、「宇宙の中の惑星地球」を感じる景色をこの目で見たくて、あちらこちらにでかけ、現場からインターネットのツイッターなどで写真を発表しはじめました。私にとって写真は絵画作品や映像作品と同じように、あこがれの世界を心に写し取り、印象を伝える手段の一つなのだと気がつきました。見てくださった方々からたくさんのお声をいただいたことが大きな励みになり、力をいただきました。
 私の写真を見てくださったみなさまが、神秘に夢を馳せたり、ホッと幸せな気持ちになっていただけたら幸いです。星空写真家 KAGAYA

KAGAYA 星空の世界展 パネルより
KAGAYA氏

KAGAYA
1968 年、埼玉県生まれ。星空写真家、プラネタリウム映像クリエイター、「デジタルペインティング」の世界的先駆者。天空と地球が織りなす壮大な奇跡を、デジタルアートやプラネタリウム番組、あるいは写真など、さまざまなアプローチを通して表現し、世界中の人々を魅了する。プラネタリウム番組「銀河鉄道の夜」は国内をはじめ欧米・アジアで累計100館を超えるプラネタリウムで上映され、観客動員数100万人を突破。2010年、デジタルー眼レフカメラの飛躍的な性能の向上をきっかけに、現在のスタイルを確立。本格的に星空写真家として活動を始める。

星空写真は小学校理科の教科書にも採用され、写真を投稿発表するTwitterのフォロワーは89万人を超える。写真集『星月夜への招待』『天空讃歌』『悠久の宙』『星と海の楽園』『天空への願い』『StarryNights』、フォトエッセイ集『一瞬の宇宙』、入門書『星空の楽しみかた』など多数。天文普及とアーティストとしての功績をたたえられ、小惑星11949番はKagayayutaka (カガヤユタカ)と命名されている。花巻イーハトーブ大使。

KAGAYA 星空の世界展 フライヤーより
入口タペストリー
展示会場

 こんなにロマンチックな世界をみたことがない。そう思いました。展示会場はうすぐらくて居心地がよく、別世界のようでうっとりしてしまいます。出不精なのかもしれないけれど、あえてその場に行かなくてもみることができる喜びというのが、無性に好きです。

 KAGAYAさんの写真を展覧会場でみる価値の一つは、それだと思います。KAGAYAさんの写真はどれも、この「この世あらざる不思議な世界を、最も美しい状態でみせてもらえる喜び」が、ぎっしりとつまっています。

いちばん好きな写真

 KAGAYAさんといえば、星や宇宙、神話をテーマにしたデジタルアート作品。私の認識ではそうなっていました。

 けれど、おもしろいというか、今いちばん好きな写真は『タッチ・ザ・スカイ』です。海のシリーズはみんな好きで、『魚たちの楽園』や『エンジェル』もとても好きです。

タッチ・ザ・スカイ
魚たちの楽園
エンジェル


 あかるい水色も、海というロケーションも、躍動感も、心愉しい。
 美しいなあ、と思いました。この世は、美しい世界だなあ、と。地球の一部にいる、という感覚を、KAGAYAさんの写真で初めて味わいました。

 とくに、『タッチ・ザ・スカイ』。心惹かれて私は立ちどまり、絵にぴったりくっついて、しげしげ、つくづくと眺めました。
 だいたい、KAGAYAさんの撮るクジラ写真、というだけで興味があります。クジラの写真なんて、あまりみたことがないですし。

 『タッチ・ザ・スカイ』のクジラの、フォルムがまず私は好きです。お腹を見せているところとか、水色なところとか。まるでこのあと、ジャンプしそうなところとか。『タッチ・ザ・スカイ』というタイトルがぴったりで、ユーモアを感じるところとか。

 じっとみているうちに、撮影しているKAGAYAさんの気持ちになって、ちょっと怖い気持ちになります。チャレンジングな気持ちです。勇気づけられる気持ちです。

 この写真と波長が合うのかもしれません。好き嫌いとは別の、もっと生理的なものです。写真のなかの気配と自分の中の気配が今はしっくり合う、というか、肌に馴染む、というか。私にとって、『タッチ・ザ・スカイ』はそのような写真です。青の持つ優しいあたたかさが心をなごませてくれるし、無情な日常から逃避させてくれます。

 この写真を忘れられないのは、もう一つ。地球の一部として自分が「いる」感覚になるからです。予防医学者の石川善樹さんが、こんなことを書いていました。

波の上で『うわ、地球の上にいるわー!』ってすごく感じるんですよ。自然、地球の一部として自分が「いる」感覚、そういう心地よさを得られる時間も実は大切だと思います。

石川善樹著『むかしむかし あるところにウェルビーイングがありました』

 地球の一部として自分が「いる」感覚。私も写真を見て、そんな感覚を初めて味わいました。

 
幸せの研究者、前野隆司・前野マドカさんは、こんなふうに書かれています。

 (幸せのためには)生きる目的を自覚すること。自分よりも大きいものとの関係を意識することが大事といわれています。「大きいもの」とは、社会や地球でもよいでしょう。社会に対して自分のできることは何かを考える。地球に対して、環境に対して、自分には何ができるかを考えながら取り組むことで、充実感が生まれるはずです。
 もう少し大きなものとして、少々宗教的になりますが、神や宇宙との関係を考えることも幸福度に関係するようです。(マーティン・セリグマン提唱PERMAより)

前野隆司・前野マドカ著『ウェルビーイング』

 KAGAYAさんの写真をみて不思議にロマンチックな気持ちや幸せな気持ちになるのは、ただ綺麗なアートというだけでなく「地球や宇宙の一部として自分がいる」という、もう少し大きな何かがあるように思います。宇宙という巨大なものの中にある自分をとらえるなんて、KAGAYAさんを知らなければ考えることもありませんでした。

 私はKAGAYAさんの動物や海の生物が写り込んでいる写真が好きです。生命力を感じるという点でいえば、たとえばKAGAYAさんの花や樹や草も生きています。風景から生きている地球を実感できるアイスランド『神話の舞台』は、エネルギーにあふれて家に飾りたいと思う写真の一つです。星空を見ると高揚して、すごいものをみることができて良かったと思います。

神話の舞台

 けれど私の場合、生命力を感じる筆頭は『タッチ・ザ・スカイ』、そして『エンジェル』です。全ては一瞬のうちに尽くされている、というのもほんとうにいいです。目とか心で判断する前に、肌、皮膚そのものが感じているのだと思います。内に灯がともるみたいな不思議な感じで、ぽつぽつと元気が湧いてきます。

 KAGAYAさんの青は不思議です。青というより紺色だけれど、これほど深くクールで澄んだ青は他にない。落ち着くし、高揚します。高揚するというのは、精神が研ぎ澄まされる感覚です。

 作品点数はとても多く、「2時間くらい経ったかな」と思うと気づけば4時間も経っていました。

 2日目に展示会場をみて、びっくりしました。自分が撮った画像よりも、遥かにずっと美しかったからです。KAGAYAさんのアートは、いつか間近でみてほしいです。みていると、しみじみ胸がいっぱいになります。

 アングルも色彩も時間も、すべてが正確に計算された写真。タイトルとキャプションもシンプルで詩情があふれています。勿論それをKAGAYAさん自身たのしみながら、ときに大変な苦労もされているようです。(私の大好きなインタビュー記事です↓)

KAGAYA:行くのが困難な場所ってなかなか他の人も行けないですよね。
でも、そこに私が行って「何を見て、何を感じたか」というのを大変な苦労してでも伝えることができれば、たった一人で楽しむだけじゃない。
この気持ちがモチベーションになります。

KAGAYA氏インタビュー

 KAGAYAさんのプロ気質が、私は大好きです。
 それこそが、KAGAYAさんの原動力のようです。

KAGAYA:最近は旅行とかあちこち風景を楽しむっていう実体験をするのが必ずしもいいとは思えなくなってきました。
なかなか旅行できない人もいるし、家から出られない人もいるわけだし。人それぞれなので皆さんのできる範囲でいろいろ楽しめばいいと思います。
本当に旅行が好きな人はどんどん旅して楽しめばいいんですけど、なかなか全員そういうわけにはいかないので。

むしろ家でいろんな人の体験を見るほうが、いろんな冒険家がしてきたすごくたくさんの体験が共有できる。追体験ができることはおもしろいし、それこそが文化だと思いますね。見たものを伝えていく、それをあたかも自分が見たかのように知識として取り込んでいく。

KAGAYA氏インタビュー

 KAGAYAさんの在り方を見て、KAGAYAさんのストーリーを自分の人生に取り入れて、新しい何かが生まれるよすがとなるかもしれない。そんなふうに思いながら、星空の世界展によせてnoteを書きました。

【展示作品】

 ここからは、展示会場の写真をシェアさせていただきます。これまで絵葉書でもなければ美術館からアート作品を持ち帰ることはできなかったけれど、時代は変わりました。会場でみた写真たちは、一つずつ思い出すだけで心愉しいです。ここにとどまってくれて、物語をみせてくれて、本当にありがとうございます、という気持ちです。

 美術館のように気持ちが高ぶったり、ほっとしたりするかはわからないけれど、KAGAYAさんが何を見て何を感じたかが、伝わったらいいなあと思います。

─四季の星空─

撮り続けるのは、花は散り、雲は流れて消えてしまうから。万物は流転してひと時もとどまることはありません。少し物寂しい気もしますが、私にとってはその変化こそが魅力なのです。
桜の季節が終わると紫陽花、蛍、ひまわり、紅葉、雪……。一年が駆け抜けてゆき、再び桜の季節が巡ってきます。再び巡ってきたその季節はかつて見たものと同じでしょうか。
いえ、そこにはいつも新しい出会いがあります。だから追い続けるのです。

KAGAYA 星空の世界展より
1.季節の狭間の雪桜
山梨県(2019.4.11_02:48)
冬の雪、春の桜、星の星座。めぐりゆく季節の狭間に現出した一瞬の光景。
2.雪桜
埼玉県(2016.4.8_15:38)
会うはずのない幻の共演。
3.夢色の軌道
京都府(2017.4.9_04:18)
この先には、昔見たあの夢の続きがあるかしら。
4.棚田に咲く
高知県(2016.4.11_19:23)
まだ冬の星座が残る夕暮れ、山里で出会った一本桜は月にやさしく照らされていました。
5.月見桜
東京都(2013.3.29_01:25)
月光のもとで輝く姿はまるで輝くような。
6.天空の春
熊本県(2019.4.4_04:47)
天の川が天空に大きくアーチをえがき、山間にひっそりと咲き誇る夜桜の上にかかりました。
7.桜の宇宙
東京都(2017.4.6_11:30)
花の季節をガラス玉に閉じ込めて。
8.春宵のシルエット
埼玉県(2020.3.26_19:15)
旧暦3月3日、古墳の上に咲く桜と三日月。移ろいゆく光景は太古から続く物語。
9.夢宵の千本桜
奈良県(2017.4.14_18:52)
夕暮れの里に灯がともり、パステルカラーの夢のような光景がほんのひととき浮かびました。
10.蛍火と宇宙
岡山県(2016.6.14_01:25)
日が暮れると山里は宇宙に浮かぶ島のようになり、わずか数メートル先の蛍火と、数十光年、数百光年彼方の星々の光が混じり合っていきました。田も山もホタルも私も宇宙の一部なのです。深夜、ホタルは草の陰で眠りにつき、空いっぱいの星だけが残っていました。
11.夕映の積乱雲
東京都(2019.9.10_18:18)
鮮やかな稲妻が雲を中から照らし、夏の終わりを告げるような雷鳴が響きました。
12.七夕の宵の天の川
北海道(2016.7.7_21:15)
写真中央の星が彦星(わし座のアルタイル)写真上の星が織姫星(こと座のベガ)その間を左右に流れる光の帯が天の川です。

13.七夕の夜、天空への願い
秋田県(2019.7.7_20:29)
七夕の魅力の一つは、自分の夢や願いをはっきり言葉にして掲げるきっかけになることだと思います。
14.夏の名残りの天の川
岐阜県(2018.10.7_18:34)
夏の思い出、天の川の音色。
15.天の川と木星
小笠原、父島(2019.9.21_20:50)
雲と海の向こうに、宇宙が広がっていました。
16.夜の始まりの停車場
愛媛湾(2016.9.23_18:35)
ああ。次の列車もやり過ごそう。雲があんまり綺麗だから。
17.吊るし雲の夜明け
山梨県(2015.9.13_04:49)
撮り続けるのは、花が散り、この雲は流れて消えてしまうから。
18.祝福の朝
大分県(2016.5.18_05:13)
今日も潤い輝く地球に、感謝と祝福を。
19.砂丘と秋の天の川
鳥取県(2018.10.21_00:27)
月光に照らされる鳥取砂丘。咲き渡る夜風の向こうにカシオペヤ。
20.秋の贈り物
山梨県(2017.11.27_10:50)
この日の鮮やかな秋を詰め込んで。
21.秋のトッピング
東京都(2016.11.24_15:32)
雪に追い抜かれた落ち葉たち。
22.オリオンの季節の始まり
秋田県(2019.11.3_22:29)
冬の足音が消えてきそうな、風もない静かな夜。
23.夜明けの結晶
北海道(2020.1.5_06:58)
満点の星が消えていった夜明け、落ちた星のように足元にきらめいていた霜を
マイクロレンズで拡大撮影してみました。
24.氷点下の滝(月光)
長野県(2019.1.13_22:11)
星空の下に降る滝の雫はたちまち凍り、月光に煌めく白銀の世界を広げていました。
25.ハルニレの木と天の川
北海道(2018.2.12_05:11)
冬の夜明けの、空がかすかに明るくなるころ。天の川と月がそっとこの木を照らしました。
26.シリウスのツリー
北海道(2019.3.10_22:24)
ただ一面の雪と星空が広がる世界。その時いただきに輝いたのは、全天で最も明るく輝くシリウスでした。
27.冬のダイヤモンド
北海道(2015.12.13_21:22)
凍った湖に、星々の宝石が降り注いできそうな夜でした。
28.木々を飾る冬の大六角形
北海道(2018.12.29_00:01)
冬の大六角形は、リゲル、シリウス、プロキオン、ボルックス、カペラ、アルデバランを結んだ大きな星繋ぎの環です。
29.夜空の宝石たち
北海道(2017.1.19_21:23)
凍結した湖を、凍てつく霜が通り過ぎてゆきました。湖畔の灯りと霧がつくりだした幻想的な光景。仰ぎ見れば白く染まった木々の上、夜空の宝石たちが輝いていました。
30.アイスバブル
北海道(2018.12.30_15:46)
凍結した湖に閉じ込められた自然の造形。上を歩けるようになったばかりの透明な水のなかには、泡も凍って無数に連なっていました。
31.冬の贈り物
北海道(2015.12.13_14:34)
丘の青い影が雪の上をすべって波のように寄せてくると、一匹のキタキツネが雪原を走って渡っていきました。音も凍りつくような静かな景色を誰かに届けたくなりました。
32.星降るように雪降る夜
北海道(2018.12.11_20:29)
見上げれば、空からの贈り物。
33.夜明け色の宝石
北海道(2017.1.17_ 06:58)
打ち上げられた氷たち。波に洗われ、天空の一瞬の色を映して輝きました。
34.見上げればそこに
静岡県(2016.2.28_05:04)
また帰れる、あの星と花の季節に。
35.寒月の湖
長野県(2016.11.25_05:01)
今にも凍りつきそうな水面が、静かな夜の世界を映していました。

─月のある空─

夕暮れ空に三日月を見つけ、ハッとしていいものを見たと小さな幸せを感じたことはありませんか。私はこれを天空の贈り物とよんでいます。
まだ明るい夕暮れの空に細い月を探したり、大きな満月が登ってくるのを待ったり。日ごとに見える時間も形も変わる月を追うのは楽しいものです。
私は月を見つけると、その表情にまるで見守られているような、その輝きに勇気づけられているような気になることがあります。

『KAGAYA 星空の世界展』
36.繊月
千葉県(2019.2.6_ 18:06)
天空の贈り物は、日常のちょっとした瞬間に届いています。
37.月にゆられて
東京都、ダイヤと花の大観覧車(2019.1.11_19:44)
月のゆりかごにゆられたら、やさしい夢が見られるかな。
38.残照の街
東京都(2017.1.30_17:55)
透明な冬の夕暮れ。街明かりの向こうに三日月と富士山。
39.天空への招待
北海道(2019.3.10_17:49)
空に溶けてしまいそうな真っ白な大地に、一匹のキツネが現れ、夜の天空散歩へ誘ってくれているようでした。
40.三日月ともすクリスマスツリー
北海道(2019.3.10_19:46)
刻一刻位置を変える天体がつくった一瞬の光景。
41.六日月と火山
鹿児島県、桜島(2015.3.25_22:59)
大地の鼓動を聞きながら、生きている地球を想う夜。
42.八日月を灯して
北海道(2010.2.21_21:53)
静かな静かな星の夜、この樹がそっと話してくれた。
43.満月
東京都(2021.2.27_23:24~47)
月の模様は日本では昔からお餅をついているウサギといわれています。月にはクレーターがたくさんある高地と低く平らな「海」とよばれる地形があります。海は高地に比べて暗く見えるのです。
44.満月の砂丘
鳥取県(2018.12.22_18:33)
日が暮れて、いざよう(ためらう)ように少しの間をおいて昇る十六夜(いざよい)月です。
45.中秋の名月
東京都(2018.9.24_18:02)
想いを抱いて見上げたあの日の空が、深い思い出の光景となって心をささえてくれることもあります。
46.東京、夏の夜
東京都(2018.7.29_20:27)
街を彩る立待月と花火。
47.月光浴びるハルニレの木
北海道(2018.1.4_23:39)
明るい月の夜。枝いっぱいに霜をつけたハルニレの木が、まるで満開の一本桜のように立っていました。
48.富士から昇る天空の宝石たち
北海道(2015.12.8_04:30)
富士山頂から昇る二十六夜月、その月の右上の明るい星は金星、左上には緑色の小さな彗星(カタリナ彗星)も写っています。天空と大和、一期一会の光景。
49.かぎろいの二十七夜月
埼玉県(2019.2.2_04:47)
大気でゆがんだオレンジ色の細い月が、まだ眠っている街の上に昇りました。

─天の川を追う星の旅─

夜空は宇宙を見渡す窓。その窓からの景色である星空は、北へ南はと旅をすると少しずつ変化します。しかし、地球上どこまで行っても天の川は続いていて夜空に見えていました。それは、この地球が天の川に包まれているからなのです。

『KAGAYA 星空の世界展』
50.夢見るタウジュベツの橋
北海道(2016.5.29_01:52)
大気でゆがんだオレンジ色の細い月が、まだ眠っている街の上に昇りました。

51.幻の銀河橋
北海道(2016.5.27_22:30)
湖の水が引き、姿を見せたその橋は、まるで銀河の果てまで続いているようでした。
52.銀河のともし灯
東京都、三宅島(2019.7.27_00:12)
満点の星の下、旅の安全を守る灯台。長い旅路も、どうか道に迷わないよう。
53.小笠原の夜
東京都、小笠原(2019.9.22_20:38)
天の川と木星の輝きが水面に映り、天空へ続く未知のように私の足元まで伸びていました。
54.星空の特等席
千葉県(2017.2.7_05:07)
空は宇宙を見わたすパノラマの窓。今夜はここから銀河を眺めよう。

55.地層にソラを重ねて
アメリカ、アリゾナ州(2017.5.30_07:51)
月が沈み満点の星が輝きを増しました。今あの星から届いた光はどの年代のものでしょう。
56.湖に映る天の川
アメリカ、アリゾナ州(2017.8.22_03:43)
天の川は、私たちがすむ銀河という円盤状の星の大集団を内側から眺めた姿です。ちょうどこの写真の正面にその銀河の中心があり、とくに明るく写っています。この夜は無風で鏡のようになった水面にも天の川が映って、まるで銀河の中に浮かんでいるような気分になりました。
57.ナバホの聖地より
アメリカ、アリゾナ州(2017.6.1_06:48)
メサとよばれる岩山が、沈む直前の月に赤く照らされました。その上に輝くのはさそり座のアンタレスです。
58.コロラド川の夕暮れ
アメリカ、アリゾナ州(2017.5.29_03:56)
眼下の谷底まで高さ300メートル。崖の淵に立っての撮影。日が沈み、それを追うように月が沈んでいきます。大地と夕映え、月光の色彩が混ざり合い、やがて満点の星に包まれます。
59.エデン
メキシコ(2019.2.11_16:13)
セノーテとよばれるマヤの聖なる泉は、ユカタン半島の森に数百も点在しているといわれています。その一つに潜ると、森から泉に差し込んだ光が、まるでカーテンのように揺らめき、透明な泉のそこまで届いていました。
60.エンジェル
メキシコ(2019.2.9_15:39)
セノーテとよばれる泉に潜ると、水はあまりに透明で、宙に浮いているかのような気分でした。光に包まれ、この世とは思えない光景でした。
61.空と海と大地が混ざり合う場所
ハワイ島(2016.9.2_04:58)
ハワイ島の火山から流れ出た溶岩が海へ落ち、火と水が激しくぶつかっています。
62.夜のキラウエア火山
ハワイ島(2016.9.7_05:34)
天の川と月は地上を照らし、火山は空を照らします。
63.南十時
ハワイ島(2019.3.16_11:33)
地平線の彼方、悠久の宙にある宝石。

64.赤道の星
モルディブ(2018.9.15_18:11)
赤道に近いインド洋のモルディブでは、星は東の空でほぼ垂直に昇ります。
65.小さな楽園
チューク諸島、ジープ島(2018.9.4_08:45)
ミクロネシアの珊瑚礁に浮かぶジープ島。夕凪の海が鏡のように天空を映しています。
66.セレスティアル・ゲート
チューク諸島、ジープ島(2018.9.4_16:46)
今夜、月光が秘かに作った楽園へ続く道。
67.渚のグラデーション
モルディブ(2018.9.14_04:52)
おだやかに流れる絵画のような、自然の渚。
68.銀河のほとりで
ポリピア、ウユニ塩湖(2016.1.15_07:25)
満点の星を映す天空の鏡。地球の裏側でたどりついた夢の光景。短い雨季にだけ現れる湖はごく浅く、その上を歩くことができます。
69.太平洋の真珠
ソシエテ諸島、ボラボラ島(2017.6.14_21:16)
ボラボラ島を取り囲む環礁とその色彩はまるで南太平洋に浮かぶ宝石のようです。

70.楽園の空
ソシエテ諸島、ボラボラ島(2017.6.15_09:57)
月光に浮かぶ珊瑚礁の島。霞が流れ、南十時がめぐります。
71.魚たちの楽園
ソシエテ諸島、ボラボラ島(2017.6.15_20:41)
水面下も命あふれる鮮やかな世界。
72.モーレア島の夕暮れ
ソシエテ諸島、モーレア島(2017.9.30_04:27)
バリハイ山のシルエットが浮かぶ宵空に、今夜も星が一つまた一つ輝き始めます。

─星の旅体験エリア─

73.水と緑の惑星
ニューカレドニア(2019.5.2.02:06)
夜空に大きくかかる天の川のパノラマ。私たちがすむのは、天の川銀河に浮かぶ水と緑の惑星。
一番明るい星が木星。ちょうどその方向が我が銀河の中心方向で天の川が濃く見えます。ケンタウルス座のα、β(写真中央上)とその右の南十字が輝き、水面に星々が映っていました。
ロケ用カメラとベンチ。背景はアイスランドのチャーチマウンテンとオーロラ。
約1万枚もの写真から創りあげた10分ほどの星空の映像。音楽と共に。

─オーロラ─

オーロラは空の現象の中でもたいへん幻想的で予想がつかないものです。まるで命が宿っているかのような動きを見ていると、壮大な宇宙に語りかけられ、その詩を聞いているような気になることもあります。
何十夜とオーロラを見てきましたが、見るたびに新しい発見があり、まだまだ見たこともないオーロラがあり、将来どのようなオーロラに出会えるのか、楽しみにしています。

『KAGAYA 星空の世界展』
74.アラスカの空より
アラスカ(2014.8.27_01:01)
夏どいえど人を寄せ付けない荒々しい自然。
75.夏のオーロラ
アラスカ(2014.8.28_07:34)
極北の短い夏の終わり、暗くなりきらない薄明の空に今年初めてのオーロラが現れました。
76.オーロラシャイン
アラスカ、北極圏(2014.2.19_04:46)
雪原にたった一人、何時間もオーロラの光を浴びていると、
まるで別世界にやってきたという気持ちになります。

77.極北の空を染めて
アラスカ(2014.2.24_14:40)
オーロラが乱舞した一夜の終わり、夜明け前のほんのひととき、淡いピンク色のオーロラ(共鳴散乱のオーロラ)が現れました。
78.アイスランドの夕日
アイスランド(2013.8.20_20:16)
水滴の一つ一つが黄金に輝いていました。切り立った崖に滝が多く見られるアイスランド。
この滝は流れ落ちる水を裏から見ることができました。

79.神話の舞台
アイスランド(2019.10.9_15:24)
地球内部からあふれるエネルギーが目に見える形で現れるアイスランドの風景。
生きている地球を実感できる場所。
80.天と地の交響楽
アイスランド(2019.10.6_21:59)
氷河が削った自然の彫刻のような大和オーロラです。
81.銀河の果ての南極光
ニュージーランド、南島(2015.4.16_07:47)
条件が揃う夜にはニュージーランドでもオーロラが見られることがあります。この日は磁気嵐で、南の彼方にオーロラが現れました。夕暮れ間もなくで、オーロラの上端にはまだ太陽光があたっていてピンクに染まりました(共鳴散乱という現象)。南半球のきらびやかな星々とカラフルなオーロラ、夢のような共演です。
82.薄明の空いっぱいに
アイスランド(2019.10.10_05:50)
夜明け、空が青く染まる時間になって、にわかに満点に広がったオーロラ。夜の終わりの夢のような時間。
83.妖精の湖
アイスランド(2013.8.26_02:36)
妖精がすんでいるというアイスランドの湖のほとりで一晩。妖精には会えなかったけれど、神秘的な月を映す湖岸、その上空にオーロラが出現し、夢のようなひとときを過ごしました。

84.宝石の浜
アイスランド(2013.8.24_16:48)
崩落した氷河の氷は湖から海へと流れ、海岸に打ち寄せられていました。どれ一つ同じものがない自然がつくりだした造形美。水の惑星、地球ならではの光景。
85.オリオンとオーロラの夜明け
アイスランド(2019.10.10_05:58)
妖精の国アイスランドで見つけた妖精の遊び場のような場所。夜明けのオーロラとオリオンがそのプールの中で光っていました。
86.ニュージーランドのオーロラ
ニュージーランド、南島(2015.4.15_13:18)
空高く昇った天の川とオーロラ。ニュージーランドで見えたオーロラは、南の空低くゆらめいていました。

─一瞬の宇宙─

すべての天体は軌道を描いて動いて、二度と同じ配列に戻ることはありません。空を見上げるだけで、私たちは一瞬の宇宙の目撃者になれるのです。

『KAGAYA 星空の世界展』
87.長岡の三日月
新潟県(2019.8.3_20:18)
遠い人に、静かな眠りを。
88.花火桜
埼玉県(2019.4.6_18:45)
満開の桜と打ち上げ花火。春の宵に目の前に広がった影絵のような世界。
89.夏の夜空の曲がり角
東京都、御蔵島(2017.9.13_20:57)
夏の大三角と天の川、カーブミラーに写ったカシオペア。そこに明るい流星が飛び込みました。
90.天からの来訪
茨城県(2017.12.14_22:01)
空を見続けていると、思わず拝みたくなるような光景に出会うことがあります。
91.隕石の落下
東京都(2020.7.2_02:32)
習志野隕石が落下する際に見られた火球です。満月より明るく輝き、
約2分後に大きな衝撃波音が聞こえました。
92.神磯の月
茨城県(2017.1.25_05:19)
夜明け前、月が天の川とともに昇ると、それまで荒々しかった波がにわかに静まり、鳥居に向かって光の道ができました。
93.雪のヒマワリ畑
山梨県(2016.11.24_23:16)
季節外れに咲いた不思議なヒマワリたちに雪が積もりました。満点の星に恵まれ、偶然の流れ星も。
94.小惑星探査機はやぶさの帰還
オーストラリア(2010.6.13_13:52.19)
月もない満点の星の一角に、時間通り光点が現れました。その輝きはたちまち明るくなり、幾度か爆発して満月のように地上を照らしました。粉々になった無数の火球の一つ一つがグリーンやオレンジにきらめき、南十時の下で天の川を渡ると赤い筋となって燃え尽き、消えていきました。7年間、60億キロを施した小惑星探査機はやぶさ帰還の姿です。
95.彼の青
南極(2016. 1.2_13:51)
氷山にそっと近づくと、一頭のアザラシがちらりとこちらを見てまた眠ってしまいました。

96.氷の向こう
ロシア(2017. 3.16_03:57)
大きさ、深さ、透明度。どれもずば抜けたロシアのバイカル湖。そこで目にしたファンタジーの世界のような光景。青く輝く氷は自然の彫刻のようでした。
97.結晶の中を飛ぶ
九州付近太平洋上空(2018.7.2_17:05)
太陽を取り囲む雲、幻日(写真中央の光)、太陽と幻日を貫く幻日環。
98.レインボーアイランド
パラオ(2020.1.13_00:09)
珊瑚礁に囲まれたおだやかなパラオの海。スコールの雲を抜けてロックアイランドとよばれる島々の上空に差し掛かると、まるで島に渡る橋のような大きな虹がかかりました。

99.月の虹
青森県(2016.11.15_05:18)
月光でできた虹(ムーンボウ)。星空に浮かぶ虹が肉眼で色まで見えました。写真では淡く副虹(外側の虹)も写っています。
100.月虹の向こうに
ハワイ島(2019.03.19_15:02)
月光がつくりだした霧虹(ムーンボウ)。夜の虹と天の川、金星の共演。
101.円い虹
アイスランド(2019.10.09_11:24)
滝のしぶきの中、無数の水滴に囲まれると、完全な円い虹が現れました。珍しい写真が撮れましたが、カメラがびしょ濡れになりました。
102.宙を翔ける
沖縄県、沖縄本島(2018.1.18_06:11.38)
ロケット打ち上げに伴う発光雲が、まるで宇宙へ飛び立つ不死鳥のように見えました。
103.ダイヤモンド富士
山梨県(2013.11.17_07:31)
今日もどこかに富士山頂と日の出が重なる特別な場所があります。晩秋の朝。太陽の光が山頂からあふれると、草原の霜が一斉に溶け、宝石のように輝き始めました。

104.月の階段 ─皆既月食の夜─
福島県(2014.10.8_18:16~5分間隔)
特別な満月の夜。月が光を失い、地球の影にすっかり入るとほのかに赤く輝きます。影を潜めていた星たちが一斉に輝きを増し、天の川も見え始めました。天体の光と影がつくる幻想の舞台です。
105.天空のリング
埼玉県(2012.5.21_07:32)
太陽と月と地球が一直線に並んで起こる金環日食の瞬間です。太陽の前を真っ黒な新月が横切っていきます。悠久の宇宙の時間では無数に繰り返される現象ですが、一人の人間がその短い一生のうちに経験できるチャンスはわずかです。
106.プロミネンスが見えるダイヤモンドリング
インドネシア、スラウェシ島(2016.3.9_00:40)
太陽の光が月の縁から漏れ出て、宝石をつけた指輪のように見えるため、ダイヤモンドリングとよばれています。縁に赤いプロミネンスが見えています。
107.太陽の翼
アメリカ、アイダホ州(2017.8.21_17:32)
皆既日食。ふだん決して見ることができない太陽と月の姿。
募るのは、自然に対する畏敬の念。
108.一瞬の夜
アメリカ、アイダホ州(2017.8.21_17:34)
月が太陽を覆い隠す皆既日食。私は月の影がつくりだす小さな夜に入ったのです。
109.尾をたなびかせる彗星
秋田県(2020.7.17_20:58~21:05)
2020年 夏に姿を見せたネオワイズ彗星。立派な尾をひく彗星を肉眼で見たのは23年ぶりでした。彗星との出会いはまさに一期一会。空に彗星の浮かぶ光景を次に見られるのはいつの日でしょう。やや曲がって黄色っぽく写ったのが塵でできた尾(ダストテイル)。真っ直ぐ青白く伸びるのがイオンの尾(イオンテイル)です。
110.久遠の旅人
秋田県(2020.7.17_20:40)
数千年の公転周期をもつネオワイズ彗星。冷たい太陽系の果てから悠久の時を経てやってきました。何千年先の未来に再び回帰することがあるなら、尾をひく姿を見上げる人がいて、私と同じように美しいと感じていたら素敵だなと思います。
111.天空に咲く花、冬の夜空のバラ星雲
群馬県(2020.12.12_23:51)
いっかくじゅう座(オリオン座のお隣)にある散光星雲です。天体専用カメラで長時間光を集め、肉眼では見えない姿が写りました。

112.天空の宝石箱、すばる(プレアデス星団)
山形県(2020.10.21_00:04)
冬の夜空高く輝くすばるは、肉眼でも6個前後の星の集まりとして見えます。今の時期は宵に東に昇り、深夜に空のてっぺんで輝いています。天体専用カメラで長時間光を集め、ベールのような星間ガス雲をまとった姿が写りました。
113.オリオン座の星間分子雲
静岡県(2020.12.11_00:10)
子供のころ私が初めて覚えた星座はオリオン座でした。そのオリオン座を画面いっぱいに、カメラで長時間光を集め、星と星の間に漂う色彩豊かな星雲を撮影しました。オリオン座分子雲までの距離は約1500光年。肉眼では見えない宇宙の姿が浮かび上がりました。
114.すばるとカリフォルニア星雲
静岡県(2020.12.10_20:24)
夜空に広がる宇宙。人の目には真っ暗に見える星と星の間にも、たくさんの星や漂う雲(星間ガス雲)があります。右下の青い星の集まりがすばる(プレアデス星団)、左上の赤い帯がカリフォルニア星雲です。
115.オリオン大星雲
静岡県(2020.12.17_21:43)
オリオンの三ツ星の下にある全天で屈指の明るい星雲です。空の暗いところでは双眼鏡や肉眼でもその存在はわかりますが、鮮やかな色や形は長時間光を集めた写真ならではのものです。この星雲は恒星が誕生している場所で、星のゆりかごといえます。
116.アンドロメダ銀河
山形県(2020.10.20_21:54)
一兆個もの星の集まり、私たちの銀河のお隣の銀河です。距離は250万光年。まわりにたくさん写っている星は、ずっと手前にある私達の銀河の星々です。向こうから見ると私たちの銀河はどのように見えているのでしょうか。私たちは途方もなく大きな世界にすんでいます。
117.楽園地球
北海道(2015.7.7_18:19)
地球は宇宙に浮かぶ楽園。
118.月面図
KAGAYAが1996年に描いた月の地形図です。クレーターと呼ばれる丸いくぼみは他の天体がぶつかってできたもので、月には水も空気もないため風化しにくく、何億年も前にできたクレーターが今も残っています。
119.パタゴニアの残照
パタゴニア、ペオエ湖(2016.1.9_02:20)
高軽度地方の長い夕暮れ。残照に染まる山の向こうに待ちきれない星々が輝き始めます。
120.天空のロザリオ
ニュージーランド、南島(2015.4.14_07:15)
湖畔の教会を、南十字(写真中央)が静かに見守っていました。
121.宇宙の窓
ニュージーランド、南島(2015.4.13_15:08)
渡る風に雲が開くと、そこには宇宙が広がっていました。
122.星降る湖
ニュージーランド、南島(2015.4.14_09:22)
宇宙を映す魔法のような湖。きらびやかなさそり座が昇ってくるのに見とれていると、
足元にウサギが飛び出してきました。
123.サンゴ礁の灯台
ニューカレドニア(2019.5.6_15:23)
夕暮れの穏やかな色に染まった世界で、白い灯台の姿が遠くからも見えました。
124.北十字から南十字の宙
オーストラシア(2019.8.27_11:06)
私たちのすむ銀河を真横から見た姿。オーストラリアで感じた宇宙。
125.北十字から南十字の天の川
オーストラシア(2019.8.24_13:40)
日本で高く登る北十字(はくちょう座)から南半球で高く登る南十字まで、
一望にできる場所があります。世界の旅は星空をめぐる旅でもあるのです。
126.タッチ・ザ・スカイ
オーストラル諸島(2017.9.26_19:46)
楽園で出会ったクジラが教えてくれた。地球はひとつ海と空でつながっている。
127.ザトウクジラの海
オーストラル諸島(2017.9.24_02:28)
クジラが悠々と上を通り過ぎてゆく途中、私はクジラに見つめられているのに気がつきました。
128.遺跡の島の南十字
イースター島(2010.7.12_02:42)
モアイが立つ海岸に出ると、空高く南十字。太古の人々はどんな気持ちでこの星々を眺めたのでしょう。

─おわりに─


 真空パックみたい。ここにはったKAGAYAさんの写真をみると、そう思います。映像作品をみたことがなければ、時間が止まっていているような無音な世界かもしれません。星か太陽の光かがみちていて、その真空パック感を高めています。

 KAGAYAさんの写真に写る風景が、内面をさらけ出すことはありません。旅人のKAGAYAさんとは少し距離がある感じ。それが、あの美しさを生むのではないかと思います。

 KAGAYAさんの写真に写る景色は、観る人をひきこむし、一人ぼっちにもします。自分がいようがいまいが、世界は本来こんなに美しいと気づきます。

 そして、この美しい楽園地球にいて、世界を、宇宙を、KAGAYAさんのおかげで安心安全の場所で楽しむことができるのは、とても幸せなことです。

─撮影現場のKAGAYAさん─

─展示作品の撮影地─

写真が写す世界
この世界は、知らなければ見過ごしてしまう贈り物であふれている、と私は思っています。その贈り物の宝庫の空はいつでも誰の上にも広がっていて、自由に見上げることができます。この展覧会が、そんな「天空の贈り物」を見つけるヒントになったらうれしいです。KAGAYA

─展覧会場外にて─

星空のデザートプレート(KAGAYA × e.a.gran)
ブルーアース2地球儀(240P/540P)
木星義・月球儀・金星儀・地球儀・火星儀・水星儀(60P)
木星義・月球儀・金星儀・地球儀・火星儀・水星儀(60P)PKG
ブルーアース2地球儀(240P/540P)PKG
ジグソーパズル『銀河のほとりで』
聖なる星世紀の旅』『ステラメモリーズ

『星空の世界展』に行かれる方、楽しんで行ってらしてください。
映像も音楽も、とても美しいです(^^)

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