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Sequel-4

A sequel to the story。後日談。これまでに書いたNoteの後日談もろもろ。過去Note記事は、文中クリックで読めます。今回は、大腿骨が腐った話、おばの看病をした時の話、挫折の話、そしてハロウィーンのつぶやき写真の後日談。

麻中之蓬

夏に近所に住む叔母が、膝を人工関節にした時のバタバタなお話をFuzzy Feeling in the HeadというNoteに書いたのだけど(メインの話はおばの連れ合いの痴呆のじぃちゃんの話になってしまったのだけども)。

叔母は自分でもきっぱり言うほどに痛みに弱いため、本来は1日入院で帰されるところを4日ほど入院した。おばには、私の大腿骨が腐った時に処方され、盗まれたオキシコドンという薬が処方されていたのだけど、おばはこの薬にアレルギーがあるそうで別の薬をもらっていた。

ナースが時間にお薬をもってきてくれるのだけど、患者のリストバンドにあるバーコードをスキャンし、タブレットでデータを入れ、ナースは自分のIDカードをスキャンして、患者に処方する、そして再度、患者のブレスレットをスキャンする、という流れだったので、横で見ていた私は思わず

「ほえ~厳重なのなぁ。私、かれこれ10年くらい前に入院した時、ナースに鎮痛剤盗まれて、しかもその人、売りさばいててニュースになったんだよねぇ」と言ったところ。

「うっそ!!!〇〇病院でしょ。それね、それすごい問題になって、私、看護学校でそのケースの話、授業で聞いたから!やだ当事者に出会うとかすごいわね。そういうケースがあちこちで頻発したものだから、今、こんな風に厳重なのよ!」と、言われた。

ちなみに、盗難を防ぐために、錠剤もあえて形の違うものをローテーションで出すらしい。そうすることによって、『白い、10mmくらいの錠剤=鎮痛剤』という刷り込みからの盗難予防になるらしい。ほえ~。

で、タイトル。

麻中之蓬 まちゅうのよもぎ・まちゅうのほう
悪いものもよい環境の中では、よいほうに正されるということ。普通は曲がりくねって育つことの多い蓬も、まっすぐ育つ麻の中で育てるとまっすぐに育つという意味。

ちなみに、膝の人工関節置換手術と、私のやった大腿骨/股関節の人工関節置換手術。どっちが痛い?大変?と聞いたら、膝の方が大変らしい。リハビリなどはやはり同じで、おばも麻酔から目が覚めて2時間後には歩かされていた。やはりスパルタなのだ。


遊興三昧

お気づきの方はもうとうにお気づきだろうが、私は大層なオタクである。Noteの話には、チラチラとアニメや漫画のシーンなぞを入れている。とはいえ、アニメや漫画をじゃんじゃん楽しむようになったのはこちらに来てからの話で、それまでは、ある程度は漫画を読むし、アニメもみるよ~みたいないわゆる、ライトオタ層であった。

切っ掛けは、挫折の話大腿骨が腐った話に書いた闘病からの入院、もしくは静養生活が長期に渡ってしまったためである。そもそもがっつりオタク、というか、大の日本アニメファンはアルゴである。当時はネットもそれほど盛んでなかったので、私の入院中、アルゴは、ポータブルDVDプレイヤー(懐。今でも存在するのであろうか)とがっつりDVDを病院にもってきた。

「家にある本はもう全部読んじゃってるでしょ?でも英語でドラマとか映画とか見る気にもならないでしょ?だからコレみるといいよ」

と言って、持ってきてくれたのが日本アニメDVD盛り合わせ。Bleach, Naruto, Death Note, Cowboy Bebopなど当時、こちらでとても人気のあった作品の数々。そこから私はオタク道を突き進むことになるのである。

アメリカの病院では、ベッドから見上げる形で天井に小さなテレビがついており、手元にナースコール用のボタンやベッドの上下のコントローラーと一体型になったリモコンがある。日本のようにカード式ではなく、ケーブル契約という形(電話して入院している時、ケーブルテレビ番組を見る)になる。だが普段テレビをあまり見ない私には、アルゴの持ってきてくれる本やDVDの方がありがたかった。

最近では、電子書籍もじゃんじゃん買える。キンドルは、日本発行のクレカをもっていないので使えないが、それでもかなりの数のサービスがある。日本のアニメも日本で放映されたら数時間で英語字幕付きでサブスク(HuluとかNetFlexとか。アマプラとか。私はCrunchyRollなるサブスクもしている)で見ることができる。世の中は本当に便利になったものである。

インターネット万歳の時代になるまでは、日本の番組なぞ友人や妹がDVDに焼いて送ってくれたり、書籍など(漫画だけでなく小説なども)は大都会に行った時に割高な価格で買い占めるか、友人から送ってもらう、もしくは日本アマゾンさんからの取り寄せであった。

二十歳の頃に、当時12歳だったイトコに『リンゴちゃんってもう大人なのにまだ漫画読んでるの?』とキラキラした瞳で尋ねられ、お、おぅとなったが、40とっくに超えてるのにまだ読んでるよ。ぷぷ。ちなみに最近はすぐにホイホイ電子書籍で漫画を大人買いしたりするので、1か月、書籍(小説と漫画)に使っていいお金は8千円まで!とまるで子供のような決め事をしている次第。

気質というか、私はそもそもハマるとがっつりタイプ。更に、知らないことは調べまくるタイプなものでもうズブズブなのである。最近ではようやく北米Netflixで公開されたヴァイオレットエバーガーデンの映画を見て号泣したが、おっかけている見ているアニメは無し。冬から始まるという薔薇王アニメ、いつ始まるのか知らないけれどジョジョの新作にも大層期待している今日この頃。ちなみに、ここ最近読んだ小説、漫画は以下。

■十二国記:白銀の墟 玄の月 小野不由美 全4巻
■遠巷説百物語:京極夏彦
■和宮様御留:有吉佐和子
■ちいさいももちゃんシリーズ 文庫版:松谷みよこ
■ジヴェルニーの食卓:浜田マハ
■White Fragility: Why It's So Hard for White People to Talk About Racism Robin Deingelo
◇その着せ替え人形は恋をする 1~8巻
◇薬屋のひとりごと 11~12巻
◇ゴールデンカムイ 25~27巻
◇47歳V系 1~2巻
◇セクシー田中さん 3~4巻

遊興三昧 ゆうきょうざんまい
「遊興」とは、自分が楽しみとしている事柄。「三昧(さんまい)」とは、他の名詞に結び付くと<ざんまい>と濁音化。すっかり心を奪われてしまい、ただただそのことだけにうつつを抜かす状態。

三昧というとどうにもこうにも、すしざんまい!を思い出してしまい、今、これを書きながら頭の中であの社長のにこにこ顔がぐるぐる回って入る。


万聖節

万聖節。カトリック教会の典礼暦では11月1日が諸聖人の日で、続く11月2日が死者の日となっている。死者の日は「万霊節」とも呼ばれていた。アイルランドやケルトの習慣では諸聖人の日の前の晩は「ハロウ・イブ(Hallow Eve)」と呼ばれ、キリスト教伝来以前から精霊たちを祭る夜であった。19世紀になって、北アメリカに移住した移民によってアメリカ合衆国に持ち込まれた習慣が「ハロウィン(Halloween)」である。

Trick or Treatと仮装した子供たちが家々を回り、お菓子をもらう日。うちのあたりは、来る時はがっつり、来ないときは全然こないので準備をするのもなかなかに難しい。ハロウィーン好きの人が多いのか、どこの家もハロウィーンの飾りでにぎやかである。うちの場合、ドアベルが鳴ると犬たちが大騒ぎなので、家の前にテーブルとTreat Bagを設置し、ご自由にお持ちください方式にした。ちなみに50袋作ったが30分で全部なくなったため、キャンディのおこぼれを期待していたアルゴはがっかりしていた。

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つぶやきの記事で張った写真。ちなみにこの寿司コスは去年の使いまわしなので、りんごのおさがりを大五郎氏に着用、りんごはバンダナ装備のみ。

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今年は、楽しいことだけでなく、色んなことを考えたハロウィーンでもあった。去年はパンデミックのせいもあり、誰も来ないハロウィーンだったのだけど、今年は多分、去年からの反動もあれば、日曜日ということもあって、かなりの数の人がきた。犬が騒ぐことも理由だけど、キャンディスタンドにしたのは、別の理由もいくつかある。

ハロウィーンの前に、金井さやかさんのこのNoteを拝読した。詳細は下記の金井さやかさんのNoteにあるが、1992年に留学していた服部剛丈さんがハロウィーン日、Trick or Treatの折に侵入者と間違えられ、銃殺されてしまうという痛ましい事件が起こった。

この事件が起こった頃、私はまだ日本にいて、このニュースはとても大きく報道されていた。当時の日本では今ほどハロウィーンは知られておらず、一人の留学生がハロウィンパーティというアメリカ特有の文化を体験する中で、勘違い(服部さんは、Freeze(フリーズ/動くな)」と言われたのを「Please(プリーズ/どうぞ)」と聞き間違えたためにこの事件が起こったと言われている。

だが、後になって聞いた話では、この国では、この事件、あまり大きくは扱われなかったのだという。なぜなら、銃がある、狙撃事件がある、ということが日常茶飯事であるからである。ひどい話だ。

ここのところ、私の住む街では恐ろしい数の銃に関する事件が起こっている。本当にものすごい数で射殺された、銃で撃たれて重傷というようなニュースが毎日、流れてくる。事件数のあまりの多さにFBIがかなりの人数をさいて撲滅を目指す捜査をしているらしい。

被害者、加害者は若い人が多い。私の住んでいる場所はかなり安全な場所とは言われているが、それでも数ブロック先で撃たれた人がいる。しかも4回も(これについてはまたゆっくり書きたい)。この街だけではない。全米でコロナ渦からの現在、統計等を見ると銃を使った犯罪が増えているのだという。

さらに、なぜだか今年はやたらと家の前のハロウィーンデコレーションが破壊されたとか、盗まれたといったような事件も多く報告されていて、なんだか荒れているのである。街の空気というか、そんなものが。

なので、知らない人がベルを鳴らして、ドアを開ける、という行為もちょっと躊躇ってしまっている。たとえそれがハロウィーンの夜でも。それゆえのキャンディスタンドだったのだ。

結局のところ、自分を守れるのは自分しかないのである。なんだか世知辛いお話。


万聖節 ばんせいせつ
英語ではAll Saint's DayまたはHallowmas。全聖人を記念するキリスト教の祝日で,〈諸聖人の祝日〉とも。西方では11月1日,東方では聖霊降臨祭後の最初の日曜日。翌11月2日が万霊祭。異教時代の新年祭に遡ると見られ,前夜(英語圏のハローウィーン)には火祭りなどが行われる。

(終)





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