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不登校に対するアメリカの高校の素晴らしい対応

在米23年で嫌なこともたーーーくさんあったけど、娘の不登校に対する学校の対応に関しては、本当に素晴らしかった。出来得ることは最大限にやってくれたと思う。感謝しかない。

今思い出すと、大きな転換期が3回あり、その3回の学校側の初動の速さと対応、問題解決に向けての提案と提供してくれたプログラムが素晴らしかった。

3つの転換期
1)8年生(中2)の学年末に発覚した度を超すクラスメートからのからかいやイジメ
2)9年生の冬休み明け。ほぼ不登校になる。
3)9年生の2月からオンラインと通学のハイブリットの開始。

1)8年生(中2)になって、クラス中に何度もちょっかいを出してくる男子たちに嫌気がさしていた長女が我慢の限界になり、長女自らがスクールカウンセラーに相談に行った。
すぐに私に連絡が入り、副校長とカウンセラー2名と娘、私たち親の6名で面談。その男子達は問題児として学校も把握済み。どういう被害が娘におきているかを丁寧にヒアリングしてくれた。
娘が話をしてから一週間以内に話が進む。早い。
学年最後の1週間、娘はその問題児と顔を合わせたくないと不登校となる。夏休みも目前ということもあり、テスト期間中にテストだけ受ければ問題ないということで、期末テストのみ受験し、不登校1週間で8年生終了。
学校側の対応は、問題児の親への連絡と、来年時9年生では、問題児たちと同じクラスにしないという2点。

2)9年生になってから数か月経った頃、行き渋りが始まる。眠れない。朝起きられない。学校から帰ってくると玄関入ってすぐに横になりたがるほど疲れ切っていた。口から出てくることは、先生やクラスメートに対する苦情や文句。
その頃、先生から小春の様子を聞いたスクールカウンセラーが何度か娘と面談。精神的に参っている様子だから、学校と提携しているメンタルヘルスセンターで一度診察を受けた方がいいという提案をしてくれる。
そのセンターにて鬱状態に陥ってないか、投薬は必要かといった判断をするための質問票に回答し、親の私と娘とが別々に面談する。
結果は、鬱状態にまでは陥っていないが、セラピストと毎週会い、様子を見るということ。
学校からの紹介でセンターに行き、センターの紹介で保険が使えるセラピストを紹介してもらったことは、本当に助かった。

その後、素晴らしいセラピストと毎週一時間の面会を続けるも、残念ながら娘の行き渋りは変わらない上、どんどん辛そうになっていく。

症状からすると、完全な適応障害。

3)冬休み明けから、一切、学校に行けなくなった。ここからカウンセラーと外部のセラピストと親の私の3者で連携して、どう長女のサポートしていくかを相談する。
セラピストから精神科医を紹介していただき、Zoomで面談。鬱症状と不安神経症と診断される。投薬を開始し、毎月一回の精神科医との面談を行うことを決める。

ここで、学校側から前回のポストに記述したとおり、「不登校 school refusalは絶対認められない!」という話をされる。
カウンセラーと学校所属精神科医からプレッシャーを与えられ、毎朝、長女を学校に行かせるためにあの手この手を尽くした。

でも私の本心はというと、「そんなに嫌だったら行く必要なし。そんな精神状態で行っても学べるはずなし。転校するしか道はなし。学校なんて山ほどある。学校変わって何が悪い。大人になってどの高校出身かなどほぼ意味なし。一番大切なのは、出身校や成績ではなく、心と体が健康であること。それ以外になにあんねん!」って思ってた。笑

娘と二人泣きながら相談したし、どうするか考えた。
でも、私が転校しろ!って言いたくなかった。娘が自ら答えを出すのが一番大切。なぜなら彼女の人生だから。人に決められた人生を生きることほど悲しいことはない。それこそ精神が壊れてしまう原因になる。

話を戻すと、
学校側との話合いのすえ、午後からのクラスのみ通学して授業を受けることになった。
午前中の授業5クラスについては、学校側指定の家庭教師とのオンライン授業を受けることとする。まずは、一か月様子をみることになった。
家庭教師代など全ての費用は、学校側が負担してくれることになった。

この対応は日本では選択肢として絶対ないと思う。
公立校に、不登校の生徒の学力低下を防ぐための家庭教師代といった予算もないものね。

本当に感謝したいのは、この学校側が家庭教師をつけてくれたということ。
この家庭教師の方々が先生とも連携し、長女が授業から遅れないように何とか努力してくださったことは、本当に助かった。

娘のように不登校になっている子供達の中には、精神的に参っているから勉強に集中できない子も多い。だからといって、勉強が嫌いなわけでもない。
やらなきゃいけないことも分かっている。でも、集中できないし、自分ひとりではやる気もでない。
これが不登校を長引かせる理由だと思う。

見守ることは大切だけれど、見守るだけではダメ。

学校側とのやり取りでストレスもあったし、納得いかないこともあった。
でも、そんなのは微々たるもの。
対応の速さ、精神科医やセラピストといった専門家との連携、そして、家庭教師の手配の3点については、本当に素晴らしかった。
合理的で論理的な対応をしてくだり、感謝しかない。

つづく。

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