日銀は来年、長期金利上昇を容認するか?
日銀は来年中に政策金利を引き上げないと予想します。
また、イールドカーブ・コントロールを変更し、長期金利の指標である10年国債利回りの0.25パーセント以上への上昇を許す可能性は五分五分以下と見ています。しかし、長期金利が上がることを容認する可能性は、まだ半分以下とはいえ、高まってきたと見ています。
まず、10年国債利回りは、今年の初め頃から0.25パーセント程度に張り付くように推移しています。一方で、30年国債の利回りは、この期間中上がり続け、0.7パーセントから1.5パーセント程度にまで上昇しています。つまり、今年に入ってからの10年国債利回りも、インフレの進展で、本来上昇すべきだったと言えそうです。日銀がイールドカーブ・コントロールという政策で押さえつける形になっているのです。
インフレ率は3パーセントを超えて推移していますが、黒田総裁は、日本の賃金が幅広く上がらないとインフレの継続に向かわないと考え、それまで短期金利のみならず、長期金利も引き上げる必要はないと見ているようです。
しかし、輸出の高止まりとコロナ禍からの正常化による収入増でインフレが継続する可能性がこれまでより強まってきています。来年の春闘後に賃金が強く上昇することが確認されれば、日銀が長期金利上昇をある程度認め、賃金上昇で消費が増えて金利が上昇するので、株高と円高が両立する局面がくるかもしれません。来年4月に黒田総裁の任期は切れますが、次の日銀総裁が誰になるかに関わらず起こりうると見ています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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